FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

退職の申出と就業規則について考える

 先週、所属する社労士会の自主研究会で、退職する従業員が引継ぎをしないで辞めてしまう事例についての原稿が提出され、いつものように経験談などを踏まえていろいろと意見が出されました。
就業規則には「自己都合退職する場合には引継ぎを必ずしなければならない」「しない場合は懲戒処分もあり得る」などと記載するのが普通だと思います。
しかし、従業員側が有給休暇を消化するために休んでしまい、引継ぎが不十分になる場合もままあるケースです。
有給休暇は原則としていつ取得しようと労働者の自由ですし、退職する場合には業務に支障をきたす場合に使える「別の日にしてもらいたい」という会社側の権利も使えません。
最も望ましいのは、情報を共有化して、急に誰かが辞めたり休んだりしても困らないシステムを作っておくことで、原稿の結論もそこに至っています。
その中で、退職を申し出るのが3か月とか1か月とか書いてある就業規則について、「違法ではない」という話がでました。

続きを読む

PageTop

同一労働同一賃金への道のり(2)

先週、23日に同一労働同一賃金についてちょっと書きましたが、あれから、私もいろいろ勉強しました。特に、今年6月1日に最高裁が出した関連の二つの判決についても判決文など読み直してみたり、猛暑で外に出ない分(今日は朝からいくらか涼しいです)知識を深める時間にあてることができました。
二つの事案は、両方とも労働契約法20条を根拠に正規雇用者との待遇の差が法律で禁止されている不合理なものであるとした非正規雇用者の提起した裁判です。
どちらも運送会社のドライバーですが、一方(長澤運輸事件)は定年退職後に再雇用され有期の嘱託となったが、同じ仕事なのに一部の手当がなくなり(それに代わり歩合給は引き上げた)賃金が79%に下がった事案、他方(ハマキョウレックス事件)は有期の契約社員として雇用されているが、正社員と業務内容は変わらないのに各種手当(無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当、皆勤手当、住宅手当)、一時金、退職金などが支給されないのは不合理とした事案です。

続きを読む

PageTop

同一労働同一賃金への道のり

ある執筆の ご依頼に関連して厚生労働省で出している「同一労働同一賃金ガイドライン案」を熟読しています。
「同一労働同一賃金」とは職務内容が同一または同等の労働者には同一の賃金を払うということです。欧米の場合、職務に応じて賃金が決まる職務(仕事)給が基本です。会社が変わっても秘書なら秘書の仕事をずっと続けるということが多いため、「この仕事ならこのぐらいの賃金」という同一労働同一賃金の考え方が定着しています。
日本の場合、正社員として雇用されると社内で様々な部署を経験してキャリアを積ませるという雇用慣行があり、職務内容が変わることが多くあります。部署がかわるたびに賃金が変わるのは都合が悪いですから、その人個人について職務遂行能力、学歴、知識、熟練度など総合的に評価する職能給が一般的とされてきました。
他方、非正規雇用者の場合、仕事は変わらないことが多く、欧米型の職務給的に賃金を決めていることが多いため、正規雇用者と同一にするのは難しいという意見もあるようです。
そこで、政府は、「均等・均衡待遇」という尺度で同一労働同一賃金を目指そうとしているようです。

続きを読む

PageTop

季節は巡り法律も変わる

 当地は、暑い日が続いていましたが、昨日は北風が吹いたとかでかなり涼しくなりました。今朝も暑いことは暑いですが、ひところの猛暑に比べたらだいぶ過ごしやすくなり、空を見上げれば秋の風情さえ感じます。今週は、世の中ではお盆休みということで、当事務所もメールや電話が1年で一番少ない静かな時期です。
そういう時期にはたまっていた購読している雑誌を読んだりするのですが、「働き方改革」関連の記事が多いです。
私も、この件については、複数の執筆の仕事をいただきましたし、就業規則の改正などの必要もありお客様に説明しなければならないので、かなり熱心に勉強しています。
それでも、自分の思い込みで見逃すこともあり、雑誌などの記事を読むと補足できてありがたいなと思うときがあります。

続きを読む

PageTop

働き方改革関連 有給休暇について

 現在、国会で審議中の「働き方改革関連八法案」ですが、高度プロフェッショナル制度をめぐり野党の反対があり、過労死した労働者の遺族の方々からの強い批判などもあり、先行きは不透明です。またまた、与党が数の力で押し切るのかなとも思います。少数意見を尊重しつつめんどくさい議論を経て合意を形成するという民主主義的な手法が影をひそめてから随分たつなーと思います。
そんな時代もあったねと言いたくなりますが、それはともかくとして、あまり目立ちませんが、この関連法案の中に有給休暇についての改正も含まれています。労働基準法の改正の中にあるのですが、今般の改正の目的の一つである長時間労働の是正にそった改正です。
有給休暇の取得率を上げることは長時間労働の是正につながります。改正案では、年に10日以上有給休暇のある労働者について、5日は必ず取得させることが義務づけられます。労働者が自分で指定して取得したり、事業所の労使協定により計画的に取得した分は5日の中に含めることになっています。

続きを読む

PageTop

正社員とパートの手当の差のつけ方

 ある事業所の就業規則の見直しをしていますが、賃金規程の中で、その事業に有効な資格について、取得している人には資格手当を出しています。
パートタイマーには、時間に比例して少なく支給しているとのことです。
同じ資格をもっていることに対して支給するのであれば、同額にしないとおかしいかな。しかし、労働の量(時間)を比較しての減額だから良いかな?
多少、迷うところもあり、所属する社労士会の研究会に原稿として提出してみました。
「働き方改革」では、盛んに同一労働・同一賃金ということをいっていますが、法律条文にそのような文言はありません。ただし、近年、様々な手当についてその性質や手当を支給する理由などを考えて、正社員と非正規雇用者に差をつけるのは違法とする裁判例がでています。
来月、初めてその件で最高裁の判断がでるそうですので、注目していきたいと思います。


続きを読む

PageTop

『企業実務3月号』に原稿を書かせていただきました。

2018-2企業実務3月号 時々、執筆のご依頼をいただく日本実業出版社発行の雑誌『企業実務』3月号に、「副業・兼業容認の動き」に関して原稿を書かせていただきました。
 厚生労働省は今年の1月、「働き方改革」の一環として、多様で柔軟な働き方を認めようと、これまで、原則禁止していた副業・兼業について容認するモデル就業規則を発表しました。
 昨年、10月~12月までに6回にわたり「柔軟な働き方に関する検討会」を開催して、そこで検討されたことをもとにガイドラインなども公表されています。
 企業にとっては、情報もれや過重労働、人材流出、本業がおろそかになるなどの懸念があり、多くの企業では、副業・兼業を容認するまでには至っていません。

続きを読む

PageTop

日々知識の習得してます

知り合いの社労士が「社労士の根本は常に勉強すること」と言っていましたが、その通りだなと思います。先日関与先を訪問したときに、労働契約法の無期雇用転換ルールの念押し的な話をしたのですが、定年後再雇用者について65歳で終了という規則になっているけれど、今後、人によっては契約を延長したい人もいる、しかし、60歳から65歳で5年になり無期転換することになるのはちょっと・・という話になりました。
その関与先は法令遵守意識が高く、労働契約法の改正に合せてとっくに就業規則も改正してあるし、定年後希望者全員を65歳まで雇用する措置もあるので、定年後の再雇用について申請すれば「5年ルールの例外」として無期転換せずに雇い続けることができる「有期雇用特別措置法(専門的知識等を有する有期労働者等に関る特別措置法」)についてのご説明はしていませんでした。
該当者が出ないと思っていたからです。

続きを読む

PageTop