FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パワハラの雇用管理措置義務が法制化

 今年の5月29日に職場におけるパワーハラスメント(以下パワハラ)について、事業主に雇用管理措置義務を課す法律改正が成立しましたが、先日、会社内では話しにくいからと当事務所にお客様がいらっしゃいました。
いくつかの案件の中の一つがパワハラ疑惑ということで、なるほど、会社内では話しにくいかもしれないなと思いました。
パワハラに限らず、様々なご相談をお受けする場合、私はずばり「答えは法律条文の中にあり」とまず考えます。もちろん、人がからむ話ですから感情その他の部分を無視して法律論だけをふりかざすのはよろしくないということは、私も十分承知しています。
ですが、判断基準の根拠は法律があれば法律、なければ、判例、行政通達、学説などに依拠していきます。もちろん、私自身の経験則などもそこに入ってきますが。
そんなわけで、法的根拠があるのは考える指針が明確にあるわけですから助かります。
パワハラについては、今まで厚生労働省の有識者会議などでこのような場合がパワハラと出されてはいましたが、法律になればより明確になります。

続きを読む

PageTop

賃金債権の時効の拡大は?

民法の債権に関する時効 についての規定が改正され、2020年4月1日施行されることから、関連する労働基準法にある時効の規定についても見直しが行われるだろうと予想されていましたが、労働政策審議会で審議に入ったことが公表されました。
消滅時効とは権利を行使しないことにより権利が消滅する期間のことをいいます。
現行民法は、債券の消滅時効を10年と定め(167条)、その他様々な短期の例外を定めていますが、これを、知ったときから5年間として、短期消滅時効を廃止する改正が行われます。
例外の一つとして「月又はこれより短い期間によって定めた使用人の給料」について1年間としています(174条)。
しかし、特別法である労働基準法により「賃金、災害補償、その他の請求権」は2年として民法を修正する形となっています(退職手当は5年、115条)。
したがって、労働基準法を優先して、現在、賃金の不払いについては2年間さかのぼって請求できます。逆に言えば2年より前の賃金不払いについては請求できないということになります。
また、有給休暇も労働者がもっている「債権」ですから、2年間は権利の行使ができるので、付与された年度で消化しなかった日数は次年度に繰り越せるということになり、どこの会社でもそのように運用されているものと思います。

続きを読む

PageTop

女性活躍推進法の改正

当地の本日は、からりと晴れた青空ですが、風が強く、コンタクトレンズ使用の私としては、ちょっと嫌です。
 さて、女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)という法律があります。職場において女性がその個性と能力を発揮して活躍できるようにするために、国や事業主に対して責務を定めている法律で、平成28年4月1日から施行されています。
「すべての女性が輝く社会」などと政府が盛んに言っていたころに創設されたのですね。
その後も政府のおひざ元である財務省事務次官のセクハラ事件などがありましたから、職場における女性の雇用環境はまだまだ法律の趣旨にかなうまでには時間がかかりそうです。
そんな法律が令和元年5月29日に改正され6月5日に公布されました。
今まで、常時雇用する労働者が301人以上の事業主に課せられていた行動計画の策定届出が、101人以上の事業主に拡大されたのです。
300人以下の事業所は今まで努力義務でしたが、一部の事業所は今後義務化に対応しなければならなくなります。
私も、関与先に該当企業があるので、今まで、それほど関心がなかった法律ですが、急遽条文等を確認しました。
施行は、公布後3年以内の政令で定める日となっていますから、多少の余裕はありますが、事業主さんへの説明は早めに行わなくてはと思っています。

続きを読む

PageTop

勤務間インターバルとフレックスタイム制

 昨日、午後から久しぶりに所属する埼玉県社労士会の研修に行きました。働き方改革関連の就業規則について弁護士さんが講師でお話してくださるとのことで、弁護士さんは、総じてお話がお上手ですし、社労士とはまた違った視点があるので、それなりに有意義だったと思います。
私は、会から研修の情報などメールで配信してもらうように手続きしているので、メールですぐ申し込みましたが、配信後2日ぐらいで定員いっぱいになりましたとお知らせかありました。その後、定員オーバーで断った会員もいるので、申し込んだ会員は必ず来てくださいというお知らせもあり、ちょっと驚きました。会員の関心が高い事項だったのですね。
ハイハイ、絶対行きます。というわけで参加させていただいたのでした。
300人以上はいるのではないかと思われる大きなホールがほぼ満席で、ちょっとした熱気を感じちゃいました。
さて、講義の中で、勤務間インターバルとフレックスタイム制について、ちょっとややこしい問題ですねというお話がありました。

続きを読む

PageTop

就業規則の重要性

 当地は、先週、ちょっと暑い日があり、一気に夏になるかと思いきや、暑がりの私でも最近は朝晩は上着なしでは寒いぐらいの陽気です。
暑くもなく寒くもなくちょうどいい陽気といえるでしょうか。
さて、労使トラブルというか、トラブルまではいかなくても小さな芽のようなものは日々、様々な会社で起きていると思います。
そんな中の%でいったらごくごく小さな割合、限りなく0に近いといってもいいぐらいの割合だと思いますが、当事務所にご相談がある場合があります。
話を聞きながら、まず確認するのは就業規則の有無です。常時雇用する労働者(正規、非正規問わず)が10人未満の事業所は、法的には就業規則作成の義務がないのですが、作成している事業所もあります。
見せていただくと、大企業かと思うような分厚いファイルがでてきたりして驚くことがあります。
反対にごく簡単なものだったりすることもあります。

続きを読む

PageTop

自己学習は労働時間か?

10連休という過去最高に長いゴールデンウィークも終わりましたが、まだ、今日あたり街は静かです。連休中仕事だったサービス業の会社が結構休んだりしているからではないかと思います。
行列と人混みが苦手な私は、寝坊、読書、趣味、ちょっぴり仕事で終わりました。
時間的な余裕ができて、長い休みというのもいいものだなと思いました。折しも働き方改革の時代、長期連続休暇も習慣になっていくといいなと思います。
さて、働き方改革といえば、長時間労働の上限規制が施行されて(中小企業は2020年4月1日より施行)、労働時間管理の重要性が益々高まると思います。
購読している雑誌(『ビジネスガイド』6月号53頁 弁護士佐久間大輔氏著)に自己学習を労働時間として認めた労災の再審査請求事例が掲載されていました。
通常、労働者が業務のために私的に勉強した時間は、使用者の指示がなく自発的なものについては、労働時間とはならないとされてきました。
しかし、近年、業務に密接な関連があり、業務を行う上でどうしても必要な知識、技術を得るための自習だった場合(札幌高裁判平25.11.21)、トヨタ自動車のQCサークル活動が労働時間とされた例(名古屋地裁判平19.11.30)などの裁判例がでています。
トヨタ自動車の件については、当ブログでも過去記事にしています(
参照)。
:

続きを読む

PageTop

労働条件はしっかり確認

 会社等で雇われて働くうえで、仕事内容はもちろんですが、労働時間、賃金、休日、休暇、就業場所などの労働条件はとても大切です。
労働基準法では、重要事項と思われる一定の労働条件について文書で交付することを規定しています。学生のアルバイトであっても例外とはなりません。
また、最低限の労働条件を規定している労働基準法に違反していた場合、たとえ雇用契約書に書いてあり、記名押印して契約が成立していたとしても、法律の内容が最優先されますから、法違反の契約内容は無効となります。
学生アルバイトの場合、そのような基礎知識ももっていないことが多く、いわゆるブラックバイトが横行しているようです。
厚生労働省でも、周知に力を入れていて専用サイトを作っています(
参照)。4月から7月まで、キャンペーン期間として周知啓発活動をするそうです。

続きを読む

PageTop

法令の解釈も変化する

 最近、「令和の令は法令の令」などと言っておりますが、時代とともに法令の解釈も変わります。民事的な法令というのは、価値観の違いや利害関係の違いがあることを前提に、何とか折り合いをつけて、平穏に暮らすために作られています。しかし、そこに書かれている文言ですべての問題が解決できるわけではなく、書かれていないようなことも、ケースバイケースで法令の趣旨に沿って解釈して解決しなければなりません。
一番の例は裁判になったときで、裁判の判決文にはどの法律のどの条文を適用したかが書かれていますが、条文そのままというよりその解釈が判決文の中に盛り込まれているため、この法律はこのように解釈するのだなという考え方のお手本となります。
もちろん、それだけではなく、学者の先生が様々な解釈論を展開していますから、それらも参考になります。
というわけで、私もそれらを勉強して法律の理解を深めていくわけです。
このところ、必要があって、出向に関する判例を調べていますが、判例も社会の変化に応じて少しずつ変わっているのがわかります。

続きを読む

PageTop