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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

感染症の就業制限

 巷では新型コロナウィルスの話題でもちきりです。私も関心をもってテレビやネットで情報収集していますが、大半の人は罹患しても軽症ですむそうで、死亡率はそれほど高くはなさそうです。怖いのは感染者が急増して医療体制が間に合わなくなることです。そうなると、軽症だった人も重症化してしまう可能性があります。今でも保健所が適切な対応をしてくれなかったという話があるくらいですから。早く特効薬やワクチンが開発されることを祈るばかりです。
「インフルエンザにかかった社員がタミフル飲んで、1日ですぐ治ったそうですが、すぐ出社させてよいものでしょうか。」そんな質問が関与先からありました。
その会社の就業規則には、伝染性の病気にかかっている者、他人に感染させるおそれのある者、医師が就業が不適当と認めた者などについて就業させないという規定があります。
まずは、医師に確認することでしょう。感染させるおそれがなければ出社していいでしょうし、会社にはそのような医学的判断はできませんから。

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パワハラ指針を読む

1月16日の記事でパワハラについて書きましたが、記事中、指針が今月中に出る予定と書いていましたが、すでに記事を書いた前日15日に官報で発表されていたことが、別件を調べていたときにわかりました。
官報はネットで直近30日分が確認できるのですが、あまり見ないので気つきませんでした。お詫びして訂正します。
というわけで、早速「令和2年1月15日 厚生労働省告示第5号」を読んでみました。
A425ページと言っても字が大きくて行間も広いので、多分普通の感覚だと半分ぐらいにはなるかと思います。
まずは、何をもってパワハラとするかについてですが、①優越的な関係を背景としている ②業務上必要かつ相当な範囲を超えている ③ 労働者の就業環境が害ざれるもの の三つをすべて満たすものとしています。
「客観的に見て業務上必要かつ相当な範囲で行われる適性な業務指示や指導については」該当しないとしています。このあたり、「客観的に」がどこまで一般化できるかがややわかりにくいですね。でも、このような表現にならざるを得ないのでしょう。

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パワハラは難しい問題

パワーハラスメント(以下パワハラ) という文言は比較的新しいと思いますが、私が開業した頃(2006年)にはすでにあったように思います。
開業間もない頃に作った就業規則に、パワーハラスメント禁止規定を入れていましたから。
男女雇用機会均等法でセクシャルハラスメントに対する事業主の管理措置義務が法制化されて以来、「ハラスメント」という概念が定着して、現在では、マタニティハラスメント、育児休業等に関するハラスメントに対する事業主の管理措置義務が法制化されていて、昨年5月にパワハラについても「労働政策総合推進法」に規定されました。
今年の6月から施行の予定となっています。今月中には何がパワハラに該当するか具体的な指針が出される予定です。厚生労働省では「明るい職場応援団」というサイトを作って、わかりやくす具体的に解説しています(
参照)。
パワハラが問題となるのは、深刻な場合、労働者が精神を病み自殺等の最悪の事態に陥ることがあるからです。
もちろん、そこまでいかなくても人材の流出や生産性の低下につながる事例もあり、けして看過できない問題として認識されているということでしょう。
そんなわけで、私も先週、労働政策研究研修機構のフォーラムに参加して勉強してきましたが、なかなか難しいなと感じています。



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休日を減らして有給休暇取得?

 昨年から順次施行となっている「働き方改革関連法」に関係して、昨日の朝日新聞に有給休暇取得を奨励して、その分休日を減らすという話が掲載されていました。
昨年4月から施行されている有給休暇取得の義務化(年10日以上付与された労働者に5日は必ず取得させる事業主の義務)に伴い、有給休暇を取得させ、その分以前からあった休日日数を減らす企業があるという話です。
昨年施行時から所属する社労士会の研究会で話題になっていて、そのような企業があることは知っていましたが、その実態が報道されていました。
東証一部上場のコーヒーチェーン店のある企業は、法施行前の昨年3月に就業規則を改正して土日、祝日、年末年始としていた年間休日を暦上の祝休日に関係なく一定日数に固定して、2019年度はそれまでより8日休日を減らし出勤日として、「有給取得奨励日」としたそうです。

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大掃除は使用者の義務

 ある出版社が有料で運営する社労士向けのウエブサイトの会員になっています。法改正情報や関連の情報、その他業務に関係する情報が得られるので、更新情報がメールでくるたびに確認しています。
その中の記事で、事業所で行う大掃除は実は使用者の義務だったと知りました。
具体的には、労働安全衛生規則619条に「事業者は次に掲げる措置を講じなければならない。」として、「日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこと」が定められています。
他には、「ねずみ、昆虫等」の被害の状況調査と適切な駆除などについての規定も同条に入っています。ねずみは、もう何十年も見ていないなーと思いますが、昆虫となると、蚊、ハエ、ゴキブリ、スズメバチ、ダニ(昆虫かな?)などが思い浮かびます。
実際には、私が一番被害を感じるのは蚊です。子どもの頃から蚊にくわれやすかったです。
快適に働くためには、当然、このような「昆虫」の駆除は必要だと思います。ちゃんと、規則になっていたんですね。

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ある労働者の投書 法律は無力?

 今朝の朝日新聞の読者投書欄に「守られない労働者 痛感します」という見出しが目に入り、社労士としては看過できないなと拝読してみました。
投書者は札幌ドームに広告を出していて社名がテレビ画面に出る会社とのことですのでそれなりの規模の会社だと思われますが、正社員として勤務している方(40代男性)です。
ご両親の体調不良を配慮して実家近くの支店に転勤を願い出て、認められたためこの春実家近くに家を新築して、8月に引っ越しましたがすぐ出るはずの辞令が出ず、別の支店なら異動を認めるという話になり、おかしいと思い労働基準監督署、法テラス、弁護士など考えられるあらゆるところに相談しましたが、人事は会社の裁量範囲が大きいとの回答で口約束だったこともあって、仕方なく会社から言われた支店への転勤となりました。しかし、新しい自宅から車で2時間かかり、体調をくずして欠勤し退職の手続きをしているとのことです。
社会は労働者を駒としか考えていないとの投書です。

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パワハラの雇用管理措置義務が法制化

 今年の5月29日に職場におけるパワーハラスメント(以下パワハラ)について、事業主に雇用管理措置義務を課す法律改正が成立しましたが、先日、会社内では話しにくいからと当事務所にお客様がいらっしゃいました。
いくつかの案件の中の一つがパワハラ疑惑ということで、なるほど、会社内では話しにくいかもしれないなと思いました。
パワハラに限らず、様々なご相談をお受けする場合、私はずばり「答えは法律条文の中にあり」とまず考えます。もちろん、人がからむ話ですから感情その他の部分を無視して法律論だけをふりかざすのはよろしくないということは、私も十分承知しています。
ですが、判断基準の根拠は法律があれば法律、なければ、判例、行政通達、学説などに依拠していきます。もちろん、私自身の経験則などもそこに入ってきますが。
そんなわけで、法的根拠があるのは考える指針が明確にあるわけですから助かります。
パワハラについては、今まで厚生労働省の有識者会議などでこのような場合がパワハラと出されてはいましたが、法律になればより明確になります。

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賃金債権の時効の拡大は?

民法の債権に関する時効 についての規定が改正され、2020年4月1日施行されることから、関連する労働基準法にある時効の規定についても見直しが行われるだろうと予想されていましたが、労働政策審議会で審議に入ったことが公表されました。
消滅時効とは権利を行使しないことにより権利が消滅する期間のことをいいます。
現行民法は、債券の消滅時効を10年と定め(167条)、その他様々な短期の例外を定めていますが、これを、知ったときから5年間として、短期消滅時効を廃止する改正が行われます。
例外の一つとして「月又はこれより短い期間によって定めた使用人の給料」について1年間としています(174条)。
しかし、特別法である労働基準法により「賃金、災害補償、その他の請求権」は2年として民法を修正する形となっています(退職手当は5年、115条)。
したがって、労働基準法を優先して、現在、賃金の不払いについては2年間さかのぼって請求できます。逆に言えば2年より前の賃金不払いについては請求できないということになります。
また、有給休暇も労働者がもっている「債権」ですから、2年間は権利の行使ができるので、付与された年度で消化しなかった日数は次年度に繰り越せるということになり、どこの会社でもそのように運用されているものと思います。

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