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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

5年ルールの行方

労働契約法では、期間を定めた労働契約で更新を繰り返し5年を超えた場合、労働者が申出をすれば次の契約期間から無期雇用としなければならないというルールがあります。
2013年に改正施行されたもので、6か月とか1年とか有期雇用を繰り返して長く勤めても、会社側の都合で簡単に雇用を打ち切られる場合が見られ、非正規雇用者の雇用環境の改善のために設けられたルールです。
企業側としては、雇用の調整弁として有期雇用者をいつでも期間満了時の状況で雇止め(契約更新しないこと)できると考えていたと思われますが、それができなくなるということで様々な対応をしたと思います。
その中に、有期雇用者の更新期間に上限を設け「5年を超えて更新することはない」という契約を取り交わして、無期転換の要件が整う前に雇止めをする企業がたくさんあるようです。
私の手持ちの企業側の弁護士さんの著作にもそのようなことが記載され、労使の自由意思に基づく限りは法律の趣旨に反することではなく、契約として有効だとの考え方が示されています。
今朝の朝日新聞には、そのような契約は有効かどうかが争われた裁判例が最近見られるようになったとの記事がありました。

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非正規雇用者待遇改善への道

 先週、最高裁で正規雇用者と非正規雇用者の待遇格差についての判決が続き、大きく報道されました。
最高裁は、2018年に有期労働者と正社員の待遇差について、各手当は支給の目的や趣旨に照らして不合理かどうか判断するとして運送会社の契約社員と正社員の手当について、無事故手当や給食手当、通勤手当、皆勤手当、同じ作業をしている作業手当について、有期雇用であるというだけで支給しないのは違法と判断しています(ハマキョウレックス事件、平30.6.1)。
しかし、退職金の支給や定期昇給については、就業規則が違いそれに基づいているとして不合理ではないとしていました。
先週の判決も、手当について争った郵便会社では労働者側の言い分を全面的に認めましたが、退職金について争った東京メトロの売店の契約社員、賞与について争った大学の非正規職員については、いずれも訴えを退けています。
両者とも高裁では一部が認められていましたが、最高裁は、企業への影響の大きさを考慮したのかわかりませんが、退職金、賞与については、正規、非正規の差を認めているスタンスのようです。


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小さな事業所も就業規則を作成しましょう

 気がつけば9月ももう終わりです。当地は秋の風情が日ごとに増して青空の美しい朝が続いています。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと思うときこそ、空を見上げるのはいいことだなと思います。
さて、就業規則の作成義務は常時10人以上の従業員を雇用する事業所に作成義務があります(パート等含む)。したがって、それより人数の少ない事業所は就業規則がない場合も多いと思います。
ですけれど、私のこれまでの経験から言いますと、5~6人以上の事業所で特に人の入れ替わりの多い事業所には必要かなと思うようになりました。
数人で気心も知れていて、和気あいあいと楽しく快適に働ける職場なら規則などいらないかもしれませんが、新しい人が入ってきたときなど、賃金のことや手当のことなどを細かく聞かれたときに、今までのんきにやっていた場合にちょっと慌てたり、ちょっとしたトラブルになることもあります。

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パワハラの判断基準

 以前、ある大先輩社労士が、「ハラスメントはやられた方がハラスメントだと言えば、ハラスメントになる」と言ったことがありました。
確かに、セクハラなどはそのような傾向が強いと思います。
根拠となる男女雇用機会均等法第11条では、職場において行われる性的言動について、労働者が労働条件で不利益を受けたり、就業環境が害されることのないように事業主に管理措置義務を課しています。
「性的言動」について同じ言動でも人によって不快になる度合いというのは違うかもしれません。日常の半分冗談ぐらいに感じる人もいれば、すごく不快に思う人もいるかもしれません。ただ、近年はセクハラの概念も確立し、職場で性的言動というのはしにくくなっているのではないかとも思いますし、冗談として受け流すよりきちんと不快感を示すべきだと考える人も増えていると思いますから、「やられた方がハラスメントだと言えばハラスメントになる」という言説は、成立しやすいと思います。
今年、法制化されたパワーハラスメント(以下パワハラ)はどうでしょうか。

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副業・兼業の推進 労災補償等の改正

 コロナ、コロナで半年暮らし、緊急事態発令前と感染確認数などは近い数値なのに、当時とは社会全般の危機意識が違っているようです。
これが「with コロナ」ってことなのかなとも思う今日この頃、ある社労士から「このまま泥船に乗り続けるしかないのでしょうか」とのメールがきました。
そうですね。自分にできることをやるしかないですね。私の場合は、電車やバスには乗らない、人混みはなるべく避ける、ネットでできる買い物はネットでする。会食、外食、飲み会は行かない。N響が観客を入れてコンサートを開始と聞くとムズムズしますが、今は我慢、見たい映画も我慢。美術館もたまには行きたいけど我慢。そんな生活を続けています。
ということで、気を取り直して法律改正に目を向けましょう。
政府は、かねてより副業・兼業を推奨していましたが、複数の事業所に勤めていた場合、労災が起きても起きた事業所の賃金だけで休業補償額等が算定されるシステムとなっていて、他の事業所も当然働けなくなるので労働者にとって補償額が少ないという不都合がありました。
この度改正され、9月1日から施行されます。

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労災と解雇制限

 昨日、東京都の新型コロナ感染症の感染確認者数が100人を超えて、私の住んでいる埼玉県もじわじわと連動するように感染確認者数が増えて、やっぱりそうなるかと思った方も結構いらっしゃると思います。
緊急事態宣言が解除されたからといって、昨日まで存在していたウィルスが消えてなくなったわけでもないですから、急に街中に人があふれ、会議、会食、仕事での地方への移動、夜の街への繰り出し?など、普通にやってしまったら相当危険だというのは考える人は考える、考えない人は考えない状況になれば、感染者数が増えるの当たり前と思います。
この間の政府の具体的対策は何か行われたんでしょうか。行われたとしたら具体的に何をどうした?この期に及んでまだ防護服が足りないなんて言ってるのを聞くともうどうしようもないなと思う今日この頃、この件については書くのをやめておきましょう。
というわけで、一昨日、たまたま見たNHKの番組で、高齢者の労災について取り上げていました。
気になることがあったので書いておこうと思います。

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コロナ感染と労災

 労働基準法では、第8章(75条~88条)で業務に起因する災害補償について規定しています。業務中、業務が原因で労働者が負傷した場合や、死亡した場合などは事業主に補償義務があります。
しかし、大きな事故や災害の度合いが大きい、または、それほどではなくても、もともと事業主にそれだけの財力等がないと十分な補償がされず労働者が不利益を被ることになります。
それを避けるために、労働者(正規、非正規は関係ない)を一人でも雇用した事業主(農業その他一部事業は例外あり)は国が管掌する労働者災害補償保険に加入することが法律で義務づけられています。事業主は、支払った賃金に対する労災保険料率により計算した保険料を支払い、業務上の疾病についての補償に備えることができます。
今般の新型コロナ感染症と労災補償の関係はどう考えたらよいでしょうか。本感染症の場合、感染経路が不明な場合も多く、どこで感染したかわからなければ、業務に起因しているかなどについて確認することができません。
厚生労働省では、どのような場合が労災として適用対象となるかについて、通達を出しています(令和2年4月28日基補発0428第1号)。

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休業手当では生活できない

 私事都合により、先週事務所を休業したりということがあり、すっかりブログの更新が途絶えてしまいました。
開業以来続けてきて、毎日更新から平日更新、そして最近では月に数回ぐらいとなってしまいましたが、社労士でいる限りは私の大切な発信基地として継続したいと思っています。
さて、今朝の朝日新聞に今般のコロナ禍により休業を余儀なくされた労働者が、使用者から休業手当を受け取ったが、思ったより少なくて途方にくれたというような記事がありました。
労働基準法では、労働者側に責任のない理由で使用者が休業する場合には、平均賃金の6割を支払わなければならないとする規定があります(26条)。
平均賃金の計算方法は、支払うべき自由が発生する以前3か月間の賃金の総額(賞与、その他臨時に支払われたものは除き毎月支払われる基本給、交通費、各手当等の総額)をその間の総暦日数で除して一日分を算定します。
パートなど労働日数の少ない人の場合は、暦日数ではなく労働日数で割り、その6割の方が高額ならそちらを日額とします。

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