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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「罰金」的な懲戒処分としての減給には限りがあり。

「レジ係のパートをしているが、精算時に数千円合わなかったときに、そのレジを受け持った数人の連帯責任として全員の賃金から引かれた」

そんな読者の声が新聞の片隅に掲載されていました。

労働者が仕事で何かのミスをやらかして「罰金」的に給料を減額する場合、使用者が好き勝手にできるのでしょうか。

いいえ、できません。

条件としては就業規則にどういう時にそういう制裁がなされるのか、きちんと明記されかつ労働者側に周知するという手続がなされていること。

さらに、減給する額には1回の額が平均賃金の1日分の半額まで、いくつかの事案が重なった場合の総額は、1賃金支払期における賃金総額(現実に支払われる賃金)の10分の1までと労働基準法で規定があります。(91条)

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保育料、介護保険料などが時効でチャラ。役人の怠慢

埼玉県のある市で、長年に渡り徴収できずに時効を迎えた不納欠損金が3,400万円あると公表されました。

特に額の多いのは保育料と介護保険料だそうで、保育料では100万円を超えた世帯も1世帯あるとのことです。

これらの徴収金は地方自治法の規定で、原則5年で時効になるということで市は徴収不能で処理するとのことです。

3,400万円が多いのか少ないのか私にはよくわかりませんが、この市は埼玉県で2番目に面積が狭く人口も6万人余りですから、徴収業務はやろうと思えばそれほど大変な作業ではないように思います。

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後期高齢者制度による小手先の改革によりボロが出た? 健保組合の解散

今月、加入者57,000人という大きな健康保険組合が解散して政府管掌保険に移行したことが報道されました。

それに伴って国庫負担が年間16億円増えるとの試算が出されました。(新聞記事参照)

わが国は国民皆保険制度を誇っていますが、制度は大きく分けて4つあります。

自営業や無職、企業の健康保険制度に入れない人等が加入する国民健康保険、市町村が運営しています。主に中小企業が加入する政府管掌の健康保険、国が運営しています。公務員等は共済組合、そして前述の健康保険組合です。

健康保険組合の設立の要件は、常時700人以上使用する企業又は、共同設立もできますが、この場合は合計して3000人以上という要件がありますので、必然的に大企業だけということになります。

大きな会社はいわば「自前」で健康保険制度を運営できるのです。

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派遣先にも責任あり。製造業への派遣解禁により労災事故が増大

社労士試験のことなどがあり、書き損ねていましたが先週厚生労働省が派遣労働者の労災件数を明らかにしました。(新聞記事参照)

製造業の派遣が解禁になった2004年から3年間に9倍に増えたということで、日雇い派遣などできちんとした安全教育も受けないままに、危険な仕事をさせられ事故に遭うケースなども少なくないようです。

労働安全衛生法では、事業主に対して労働者を雇入れたときや、作業内容を変更したときの安全衛生教育、厚生労働省で定める危険有害業務についての特別教育などを義務付けています。

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社会保険労務士試験が無事終了

昨日、社会保険労務士試験が無事終了しました。

受験生の皆様、大変お疲れ様でした。

社労士会にとっては年に一度の一大イベントです。私も試験監督主任者として、受験生90人の部屋を担当させていただきました。

昨年も監督者を務めたのですが、埼玉県の場合、埼玉会場を選んだ受験生が今年は昨年より1000人も増えてしまい、実施本部としてはそれなりに大変だったようです。

昨年に比べ今年は全体的に欠席が少なかったですね。

昨年は2~3割り欠席という印象でしたが、私が回りの方に聞いた限りでは、今年は1割り前後欠席という部屋が多かったです。

例年どおり、受験番号の最後の方の部屋は、相当欠席者が多かったようですが。

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受験生ひとりひとりにドラマあり。社労士試験まであと2日

今年の社会保険労務士試験が明後日に迫りました。

受験生の皆様、体調はいかがでしょうか?

昨日のオリンピックの女子ソフトボールを見ていると、まさに、「心・技・体」が充実していたんだろうなあ、それもチーム全体で、と思いました。

年に一度の社労士試験も多分「心・技・体」なのでしょうが、スポーツと違って必ずしも3つそろってなくてもOKなところがあるから不思議です。

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医療は別枠の裁判制度を作った方がよいのではないだろうか。?

昔から「お産は命がけ」とか、「お産は何があるかわからない」とよく言われていました。

医療技術の進歩、世の中の衛生状態の向上、妊産婦に対する情報や検診の発達などで、普通に無事生まれるのが当たり前という感じになっていますが、やはり予測不可能な危険はつきもののようです。

非常に稀な「癒着胎盤」という症例に陥った女性が、お産の途中で亡くなるという不幸な出来事の責任を問われた医師の判決が昨日ありました。

無罪ということで(新聞記事参照) 医療関係者はホットしたようですが、現役の医師が手錠をかけられて官憲に連れて行かれるというショッキングな映像がテレビで流れ、私もとても印象に残っていました。

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有給休暇についておさらいしましょう(2)

有給休暇について前の記事の続きです。いくつか補足をしたいと思います。

有給休暇の権利の法的性格としては、「6ヶ月以上継続勤務してその間の出勤率が8割以上」という要件を充たせば、当然に発生する権利と考えられています。

1.使用者が年休取得を断れる場合

有給休暇というのは、条件を満たせば当然に権利が発生するものですから、休暇をとりたいという申し出について、使用者側は原則としてそれを断ることはできません。

しかし、「事業の正常な運営を妨げる場合」は別の日に変更して与えてもいいことになっています。(労働基準法第39条第4項)

この「事業の正常な運営を妨げる場合」について、本来は労働者が好きな時に好きなように利用できる休暇なのですから、「その企業の規模、作業内容や繁閑の度合い、代替要員の確保、他に休暇を利用する人がいるか」など、総合的にみて客観的な理由があり、具体的に業務に支障が出る場合でなければならないとされています。

むやみやたらと断ることはできないということですね。ただし、○日前までに申請するなど手続について就業規則などに定めがあり、労働者に周知されていた場合には、その○日が合理的な範囲である限り規則に従うべきと考えられます。

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年次有給休暇についておさらいしましょう。

先月、パートタイマーの方を対象とした講座で講師をしたとき、最も関心が高く質問も多かった事項が有給休暇についてです。

有給休暇については、労働基準法を勉強した者にとっては基本のキみたいなものですが、労働者の方は案外ご存知ないんだということがよくわかりました。

会社がきちんと話をしていない場合も多いようで、その時使った資料をちょっと貼り付けてみました。

図表やイラストなど、貼り付けられなかったものもありますが、概略は貼り付けられたので、解説なども加えて記事にしました。

会社にお勤めの方、パート、アルバイトの方、ご参考になさってください。

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「溜め」のある社会を目指して 『反貧困』を読む(2)

昨日の続きです。

この本の中で著者は貧困状態に陥っている人には五重の「排除」があると書きます。

①教育課程からの排除、背後には親世代の貧困があります。

②企業福祉からの排除、多くは非正規雇用であり低賃金、不安定雇用というばかりでなく、雇用保険、社会保険からも排除されています。

③家族福祉からの排除、親や子供に頼れない場合がほとんどである。

④公的福祉からの排除、若い人には、「まだ働ける」「親に養ってもらえ」、母子家庭には、「別れた夫から養育費をもらえ」、「子供を施設に預けて働け」、ホームレスには「住所がないと保護できない」と、追い返すことばかりが横行する生活保護行政、

⑤自分自身からの排除、①から④の排除を受け、しかも自己責任論により、「自分のせい」と尊厳を失い自分を大切に思えない状態に追い込まれる。その結果が自殺であり、又は何もかもをあきらめた生を生きることとなる。

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「溜め」のある社会を目指して 『反貧困』を読む

お盆休みだのオリンピックだのと世間が浮き立っている週末、「読むのが辛い、でも読まずにはいられない」という本を読みました。

『反貧困 「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書 湯浅誠著)という本です。

著者については、当ブログで過去記事にしたことがありますが、(過去記事参照)ホームレス支援をはじめとして、様々な理由で生活が立ち行かなくなった人たちの支援を続けている活動家です。

この国における貧困問題については、「格差社会」、「下流社会」、「ワーキングプア」などという言葉とともに世間に認知されつつありますが、まだまだ、「自己責任」論に終始しているような側面があります。

この本の中で、著者はそれらの言説が現実を直視していない或いは直視しようとしていないために出てくるのだということを、しっかりと書いています。

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「労働」ということの労使の意識の違い

3日連続でアンケートの話になってしまって恐縮なのですが、自由に記述する部分で、読んだ時から心にひっかかっていることを書いた方がいらっしゃったので、そのことについてちょっと書いてみようと思います。

個人を特定できるアンケートではありませんので、原文をそのまま書いても守秘義務にかかることはないと思いますが、万が一差し障りがあるといけないので、概略を書きますと、使用者の私的な仕事をやらされることが多く、「働かせてやってる」感が強く驚いているというものです。

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「重要な労働条件は書面で交付」が守られていない現実

民法上、「契約」は申し込みの意思表示と承諾の意思表示が合致することで成立すると考えられています。

例えば、AがBに、「この家を1000万円で売りましょう。」と申し込み、

BがAに「1000万円で買いましょう」と承諾した段階で、それぞれの意思表示が合致して契約が成立するわけです。

契約書や契約書に印を押したなんていうのは証拠にはなっても、法律上の契約成立要件ではありません。

雇用契約も、「こういう仕事で働いてもらうためにあなたを雇います」

「そういう仕事で働きます。雇ってください」

で、成立することにはなりますが、弱い立場の労働者を守るために、労働基準法、その他の労働法でいろいろと修正がなされ、そちらが優先的に適用されることになります。

労働条件の文書による交付義務もその一つです。

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講師をした際のアンケート結果

先月、パートタイマーの方を対象とした講座の講師をさせていただいたことは過去記事にしました。(参照)

先日、マネージメントをした会社の担当者の方が、主催者が用意した当日のアンケートの集計結果を送ってくださいました。

40数名の出席者がいらしたと思いますが、38名の方がアンケートを提出してくださいました。

「わかりやすかった」「参考になった」「おもしろかった」と答えていただいた方が大半で、「つまらなかった」、「参考にならなかった」という回答はどちらも0ということでホットしました。

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スポーツ選手に美醜は関係なし。オリンピック雑感

屋台のお店をどかして商売ができなくしたり、出稼ぎ労働者を一所に押し込めたり、環境に配慮していないから空気が悪いとか、何よりもテロが怖いという中で、「うちらってすごいでしょ」という感じで始まった北京オリンピック。

何となく白けて全然盛り上がりませんでしたが、さすがに金メダルのニュースなどが入ると、テレビを観てしまいます。

昨日から今朝にかけては北島選手の金メダルで持ちきりですね。その前は柔道の内芝選手。2人とも二連覇ですからすごいなあと思います。

私が驚いたのは、バドミントンで「オグシオ」以外のベアが出場していたことです。

あきらかに、報道にかたよりがありましたよね。

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社労士試験監督者会議に出席する。

今年も昨年に引き続き社労士試験の監督者、しかも監督主任者をやらせていただくことになったことは過去記事にしました。(参照)

先週の金曜日、猛暑の昼下がりに監督者会議があり、総勢140名余りの会員が一堂に会しました。

今年は首都圏の試験会場に異変があり、埼玉県の会場(獨協大学)では昨年より1000人余り受験生が増えて3200人を超える申し込みがありました。

受験生が最も多い東京会場は例年数箇所の大学が会場になることが多かったのですが、今年は例年貸してくれていた大学のいくつかが貸してくれなかったということで、受験生が周辺の埼玉、千葉、神奈川などに流れたということです。

「へぇー」と思って、帰ってから試験センターのHPを確認してみますと、確かに大学もありますが、産業貿易センターだの流通センターだのが入っていますね。

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「初診日」は年金を受け取るための重要ポイント

またまた支部の研修での話です。

「金持ちがさらに金持ちになる」ような年金受給の仕組みはどうにかしてほしいですが、それとは別に庶民がちゃんと年金を受け取れるようにするには、それなりに知っておくべきことがあります。

昨日記事にした講師の方は、支部や県会でも「年金のことはこの人に聞けばよい」と思われているような方ですので、昨日記事にした以外にもいろいろとお話がありました。

情報として、皆様にもお知らせしたいと思います。

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金持ちがより金持ちになるという遺族年金もあり?

今週月曜日に年金・労務相談のスキルアップのための研修が支部であり、労務については火曜日に記事にしました。

年金についても連続で書こうと思っていたのですが、昨日麻生氏のことを書いたので、1日遅れで今日書きたいと思います。

講師は自他ともに認める年金専門社労士です。

遺族年金について、豊富な実務経験からいろいろとお話してくださいました。

どちらかというと、「いかにして年金をもらえるようにするか」というところに着目したお話のようでした。

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スターがほしい? 麻生幹事長の暴言を無視するテレビメディア

新しく自民党幹事長になった麻生氏が江田参院議長を表敬訪問した際に、

「ドイツでも1回やらせてみようかと国民がナチスを選んだことがある」

と言ったとかで昨日新聞の政治欄に小さく掲載されました。

その後、麻生氏は「民主党をナチスに例えたわけではない」

と釈明したそうです。言った、言わないの議論になるとその場にいた人間しかわからないことになってしまうので、私には真偽のほどはよくわかりません。

腑に落ちなかったのは、夜のニュースをいくつか局を変えて見ましたが、どれも一切このニュースを無視していたことでした。

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「労基署への申告は文書で署長宛に」が最もよい方法。

昨日、支部で年金・労働相談のスキルを磨くための研修がありました。

私は、今まで社労士会主催の数々の研修に参加してきました。

ほとんどが自分で書籍等で勉強している範囲の話が多く、出るほどのことはなかったなと感じることが多かったので、そろそろ「研修」とやらに出るのはやめようかと思っていました。

もちろん、セッティングのご苦労というのは想像がつきますので、あからさまには、なかなかそういうことは言えませんし、ごくたまにそこでいただく資料が結構よいものだったりすることもあるので、一概に全否定することはできないのですが・・・。

ということで、最近は取捨選択して出席しているのですが、支部から派遣されて役所や金融機関で相談業務を行うこともありますので、昨日は迷わず出席しました。

講師は実務経験が豊富な支部所属の社労士です。労務については、労働基準監督署に40年近くお勤めになり、各地の署長を歴任された方でした。

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「これでいいのだ!」は漫画史上最高の決めぜりふ、赤塚不二夫氏の訃報に思う。

週末、内閣が改造されても支持率は大して変わらないなどというニュースが流れましたが、私にとっては赤塚不二夫氏の訃報の方が断然ビッグニュースでした。

このところ病気療養中とは聞いていましたが、亡くなったと聞くとやはり寂しさを感じました。

子どもの頃初めて「おそ松くん」」を見たとき、こんな愉快な漫画初めてだと思い愛読しました。

時々、登場人物の喜怒哀楽を表すときに紙面いっぱいに「ここまでくずすか?」というようなくずれきった表情の顔が出てきて、笑い転げました。

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「平均寿命過去最高」介護保険の徹底見直しをしてほしい。

昨年の日本人の平均寿命が女性85.99歳、男性79.19歳、と過去最高となったそうです。

医学の進歩などにより、がん、心疾患、脳血管疾患の3大疾患の死亡率が減ったことが寄与しているとのことです。

女性は23年連続で世界一ということですが、「寝たきり率」なんていうのはどうなってるんでしょうか。

元気で長生きしている人の割合はどれぐらいなのか、ちょっと知りたいと思いますが、そういう話はあまり聞かれませんね。

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