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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

電通事件再読

荷重労働によるうつ病り患、さらに自殺が会社の責任とされた「電通事件」(最判平12.3.24)については、以前からとても関心を持っていました(当事務所HP参照)。
必要があってもう一度その判例について勉強することになり、判決文や会社側、労働者側の代理人弁護士の言い分などをじっくりと読み直してみました。
この裁判は、法律的には一般的な民法709条(注1.)による損害賠償責任ではなく、715条(注2.)による使用者責任を問題にしたことに特徴があるといえます。
709条だと被害者側(この事件では労働者側)が損害についての因果関係を証明しなくてはいけませんが、(立証責任が被害者側にある)715条となると、使用者側が自分の方には落ち度がないということを自ら証明しなければならなくなります(立証責任が使用者側にある)。
使用者側にとってはよりピンポイントで、自らの潔白を証明しなければならないのです。

[注1.]民法709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
[注2.]民法715条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びそのじぎ事業の監督について相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りではない。
2.使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。

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