来年1月1日より施行される育児・介護休業法の改正について、就業規則の改定案を作ろうと思いつつ、指針等が発表されるのを待っていたこともあり、すっかり遅れてしまいました。
まあ、得意分野の仕事だし1日頑張れば大筋できるだろうと思いきや、理解しているつもりが法律条文、施行規則、指針と確認しながら進めるため、思っていたよりも腰を据えてやらなきゃあかんと気がつきました。
特に、男女雇用機会均等法にあるマタニティハラスメントと連動してできた、育児休業等に関するハラスメント防止管理措置義務は新設であり、就業規則に記載する事項もかなり多くなります。
基本的な考え方は現行のセクシャルハラスメント対策と同じで、①事業主の方針等の明確化と社内的な周知・啓発 ②相談体制の整備 ③事態が起きたときの迅速かつ適正な対応 となります。
指針によると、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントと複合的に生じることも考えられることから、一元的に相談体制を整備するのが望ましいとあります。
法律が改正になったときは、施行までまだ先だなと思っていた社会保険の適用拡大ですが、いよいよ今年の10月1日からとなり、該当事業所も準備はすでに終わっているのではないかと思います。
少子高齢化により支えてもらう高齢者が急増するわりには支える側が減るという事態を打開するためには、支える側を増やすしかない。
高齢者にも働いてもらって厚生年金は70歳、健康保険は75歳までは保険料を払ってもらう(いずれも法定の年齢制限がある)、また、現在パートタイマー等で働いていて社会保険に加入していない人にも制限をゆるめて加入する方向にするということをするしかない。
というわけで、定年退職後に非正規で働いている人も含めて、家事、育児、その他各自の事情等で短時間で働いている人について、要件を満たせば社会保険に加入しなければならないということになりました。
社会保険料(厚生年金保険料と健康保険料)は事業主も半分負担ですから、すべての事業所について一斉に行うことはやはり難しいと政府も考えたらしく、当面、施行日時点の被保険者数(現在加入している人数)が501人以上の企業について適用されることになっています(特定適用事業所といいます)。
しかし、3年以内に適用範囲について検討するとしていますから、今後、さらに適用事業所の範囲を拡大することも考えられます。
このところ、有名女優の息子の強姦(文字が恐ろしいので以下レイプとします)致傷事件がメディアで話題となっています。
息子も俳優として売り出し中だそうですが、私はテレビのバラエティやドラマはほとんど見ないのでお母さんの方はわかりますが、息子の方はよく知りませんでした。
レイプは殺人に匹敵する犯罪行為だと思います。望まない性行為を暴力によりさせられるなどということは考えただけでおぞましく気持ちが暗くなります。
レイプ被害に遭った女性が精神のバランスを崩したり、一生苦しむという話をものの本で読んだことがあります。私が子供の頃好きだったアメリカンボッブスの女性歌手も旅先でレイプ被害に遭って、声が出なくなって歌が歌えなくなったという話も以前聞いたことがあります。
女性の尊厳を踏みにじり、人生をだいなしにする「魂の殺人」と言ってもいい行為だと思います。
事件について、私は何かをコメントするつもりはありませんが、社労士として、深夜のフロントに女性ひとりだけを勤務させていたビジネスホテルの管理体制に疑問を持ちました。
前回、「答えは法律条文にあり」という記事を書きました。
それでよいのですが、法律条文というのは個別の細かい事情まで想定して書いているわけではなく、根本的成否はわかりますが、労務管理などは、じゃあ、こういう事例はどうなるの?ということが日々現場では発生します。
それをカバーするのが行政通達で、法律の解釈について行政官庁がそれをもとに事業所を指導・監督することになります。
労働基準法については、厚生労働省労働基準局編の「労働基準法 解釈総覧」という通達集があり、私も開業したてすぐに購入して必要があれば見ています。
また、労働法の解釈についていえば、私の「愛読書」は菅野和夫氏のロングセラー『労働法』です。こちらは、法改正がどんどんありますから、買い替えなければならず、今、私は最新版をもっていますが、改訂されるのはわずかな部分なので時々購入を見送るときもあります。
労働法関連のことは、これらの書籍の他に、企業側、労働側、双方の弁護士さんの著作、弁護士会で編纂している関連書籍、判例集等、等、で法律の解釈について調べます。
昨日、必要があって警備員について調べるために『解釈総覧』と『労働法』の該当箇所を読みました。
当地は 台風の影響で朝からどしゃ降りの雨です。9時半ごろ事務所に着いたときにはそれほど大したことはありませんでしたが、現在は風も少しでてきてかなりの大雨です。
さすがに、事務所前の道路には車もほとんど通りません。これからお昼ごろがピークらしいのですが、今日は外出の予定もないので、よかったーと思いつつパソコンに向かっております。
さて、私も開業してからまる10年、労働法関係についてはかなり自信をもってお客様のお問い合わせにも迷うことなく答えられるようになりました。
ウィークポイントはふだんほとんどやらない保険関係の手続き業務です。お問い合わせがあれば社労士としての知識と情報はもっていますから(のつもりです)お答えしていますが、恥ずかしながら、労働法関連のように自信をもってというわけにはなかなかいかず、調べてからまたご連絡するというパターンもあります。
先週も関与先から社会保険の資格喪失についてのご相談がありました。
連日のオリンピックでいささか寝不足気味です。気をひきしめて仕事をしなくてはと思っております。
さて、育児・介護休業法では、育児休業等を取得したことによる不利益取扱いを禁止しています。
不利益取扱いとはどういうものかについて、具体的事例が厚生労働省の指針により示されています。(平成21年厚生労働省告示第509号)
まず、労働者が育児休業等を申し出たことと、事業主が行った行為との間に因果関係があることとあります。解雇など不利益取扱いについて、休業を申し出たこと以外に明確な理由等を証明できればよいということだと思います。
さて、具体例に戻りますが、解雇、契約の更新をしないこと、あらかじめ明示されていた契約の更新の上限回数を引き下げること、退職勧奨、労働条件の変更の強要、自宅待機命令、労働者が希望する期間を超えて残業免除、短時間勤務等の措置を行う、降格、減給、不利益な賞与算定、昇進、昇格の不利益な人事考課、不利益な配置変更、就業環境を害する、と挙げて、さらに細かい注意事項などが記載されています。
この告示は、育児・介護休業法の大幅改正を受けて出されたもので、私もこの改正をみて、就業規則を作るときには、「育児・介護休業規程」として別規程にしないととても無理だと考え、いつもそのようにしています。
この告示には「労務を提供しなかった期間は働かなかったものとして取り扱うことは、不利益取扱いにはならない」とも記載されています。
オリンピックに目を奪われているうちに 原爆投下の日や終戦の日が過ぎていきました。
セミの声を聴きながら改正された育児・介護休業法の条文を読んだり、厚生労働省のサイトで情報を集めたりしています。
来年1月からの施行に合わせて就業規則の改定が必要ですが、まだ指針がだされていなくて盆休みのうちに就業規則改正案を作ろうという目論見が外れてしまいました。
やはり、指針は確認しておきたいですから。
今日も、関与先に説明に行く予定ですが、マタニティハラスメント管理措置義務なども含めて自分なりの資料は作りました。
所属する社労士会の研究会でも関連の原稿を書いて今月の例会で会員に議論してもらいましたが、その場にいた会員は介護休業を取得した労働者について経験がありませんでした。
大企業では多分いるのでしょうが、社労士の関与先は中小企業が多いのでそういうことになるのでしょう。
しかし、団塊世代が75歳、80歳となるうちに今より介護が必要な高齢者が増えることが予想されます。
その介護を担っていただくべき若い世代は晩婚化、晩産化の傾向が高まっていて、生涯未婚の人も男性20.1%、女性10.6%と発表されています(内閣府発表)。
世間がお盆休みの間にあれをやろう、これをやろうと思っていたことをせず、オリンピック、始まるとついついひきつけられて観てしまいます。
メダリストだけではなく様々な選手のことをもっと報道してほしいですが、メダリストの報道の中で出てくる「感動秘話」的なことも興味深くて新聞やネットを見てしまいます。
先週、最もひきつけられた「感動秘話」は、競泳女子200m平泳ぎで 金メダルを獲得した金藤理絵選手の話でした。所属して支援を受けているのは東京下町にある社員数61人の中小企業です。
この会社のHPによると、創業1946年といいますから、第二次世界大戦後すぐです。赤ちゃんのおむつカバーを製造する会社としてスタートしています。
1970年代に水泳帽子に進出してその後スクール水着も製造するようになり国内シェアはトップクラスということです。
80年代からは介護用品に進出、「介護」という言葉を発明したと社長のご挨拶にあります。
金藤選手と契約したのは2011年、社員の一人が金藤選手のコーチに水泳を習ったことがある縁でコーチに頼まれたことがきっかけだそうです。遠征費などを支援して、水着に対するアドバイスなどをもらったそうです。
昨日は、朝、イチロー選手のMLB3000本安打に拍手して、午後、当事務所はテレビがないので、ラジオで天皇陛下のメッセージを拝聴しました。
「天皇職」に真摯に向き合っていらっしゃるお気持ちが素直に伝わってきて、もうそろそろゆっくり余生を楽しんでいただきたいと思いました。
最近、庶民の間でも「終活」というのがあり、自分が亡くなった後に家族が困らないように準備万端いろいろ書いたりして整えておくということがよく言われているので、これは天皇陛下の終活かななどと考えていました。しかし、後で文章をじっくり読んでみるとそんなものではなく、「象徴天皇制」を守り抜くという強い意思のようなものが感じられることに気がつきました。
全くの私見ですが、自民党の天皇を「元首」として明記する憲法草案に対する強烈なアンチ・テーゼではないのか?
これ以上ここで書くのは控えますが、さらに感じたのは象徴として生きることの過酷な人生といいますか、人間でありながら普通の人間に当然にある言論の自由等のない、公人でいる時間が極端に長い厳しい人生です。ご本人もご自分がどう生きたら憲法にある象徴としての務めを果たすことができるのか、悩み、考えぬいて今日に至ったということが伝わってきて、私はとても心を打たれました。
「国民の総意による象徴天皇制」に全く疑いももちませんでしたが、まずはそこから考えなければいけないのではないか。そんなことを考えました。
当地は猛暑が続いています。そろそろ夏休みに入る方も多いと思いますが、皆様、良いお休みをお過ごしください。
オリンピックが始まる前は、個人的にはあんまり盛り上がっていませんでした。
でも、始まってしまうとやはり「オリンピックはオリンピック」、ついテレビで観て一喜一憂してしまいます。
水泳の萩野選手と瀬戸選手の二人同時メダル、よかったですねー。テレビでしっかり見ました。前の晩の体操男子団体予選もliveで夜遅くまでつい見てしまいました。
というわけで、結果はわかっているし、テレビでいろいろ映像も見ているので、紙の新聞というのは情報が遅い分不利だなーと思いますが、そこはやはりテレビなどでは言われなかったことなどが書かれていて、興味深かったです。
萩野選手は小学生時代から全国大会で活躍していて、学校でも表彰されたりしていたそうですが、それが本人は嫌だったそうです。目立ってしまって、物を隠されたり暴力をふるわれたりしたそうです。
だんだん人嫌いになりストイックに練習をする日々を過ごしていたそうですが、大学に入りコーチに「人に頼っていいんだよ」と諭されたり、自転車の事故でけがをして水泳部の仲間に背中を流してもらったりするうちに、心境が変化していったと新聞には書かれていました。
今朝、MLBで3000本安打の大記録を打ち立てたイチロー選手も、自分のしたことでチームメートやファンがとても喜んでくれていることに感激したと語っています。
最近「下流老人」などという言葉を見かけます。様々な事情で年金額が少なかったり、年収がそれなりにあったとしても離婚、病気(家族も含めて)などにより、貯金を使ってしまったりして、年金だけになってしまった場合に生活が苦しくなると、一気に「下流」になってしまうということです。
誰でもがそういう状況になる可能性があると言われます。
少し前ですが、海外展開する大企業に勤め平均年収も700万円ぐらいのはずという人が、自分の年金額が非常に少ないことに気がついたという話が新聞に載っていました。
理由は様々な国で海外勤務をした時期が長かったため、この国の年金制度から外れていたためです。
海外に派遣されて働く人については、赴任先の社会保障制度に加入して、日本と二重に保険料を負担しなければならない、また、せっかく保険料を払っても赴任地の資格期間を充たすことができず、掛け捨てになってしまうという問題が生じます。
そのため、現在では16か国と協定を結び、年金加入期間を通算できるようにしたり二重負担防止のための策を講じています。詳しくは厚生労働省のサイトにあります。(参照)
必要があって、このサイトを確認しましたら、この10年の間に随分協定国が増えたんだなと思います。
マタニティハラスメントに対する事業主の雇用管理措置義務の新設に伴い、厚生労働省では指針を作成することになっていますが、まだ、HPには見当たりません。
しかし、労働政策審議会で出している案がすでに明らかになっていて、先月末に新聞等でも報道されました。
大きく報道された点は、社内のマタハラに対して厳正に対処するように求めた点で、就業規則等に規定することはもちろん、加害者に対して懲戒規定を定めることまで求めています。
マタハラ雇用管理措置義務について、私はセクハラ管理措置義務とほぼ同様な考え方で対応すればよいと考えています。
参考となるのは、平成18年に出されたセクシャルハラスメントに対する指針(平成18年10月10日 厚生労働省告示615号)です。
この中では、現行の就業規則等文書で定められた懲戒規定の適用の対象となる旨を明確化し、これを労働者に周知することを求めています。今般のマタハラ指針もほぼ同様ですが、さらに付け加えて、ハラスメントに係る言動を行った者に対する懲戒規定を定めることを事例に挙げています。
私の購読している朝日新聞には週1度労働関係の記事が掲載されますが、そのかたすみに読者の投稿欄があります。
昨日、翻訳会社でパートとして働いている人からの投書で、超過勤務に対する賃金が30分未満が切り捨てられていることに気がつき、事業主に確認したところ、「これが普通だ」ととりあってくれなかった。しかし、労働基準監督署に相談したと告げたとたんに態度が一変。パート全員に対してさかのぼって1分単位で計算し直して差額が支払われたそうです。労働基準監督署に会社を指導してもらうのはハードルが高いと感じていたが、相談するだけでも効果があるとわかった。
というような内容です。
細かいことが書いてないのでよくわからない部分もありますが、30分以上働かないと超過勤務に対する賃金が支払われないということだったのでしょうか。
賃金計算を30分単位とか15分単位ですることは多くの会社で賃金計算の煩雑さをさけるために行っています。
東京都知事選は、自民党都連が一族郎党?も含めて小池候補を応援したら皆除名などとお触れを出したり、「大年増の厚化粧」との大失言などもあり、小池候補の圧勝だろうと予想していましたら、やっぱりの結果。
オヤジたちに足をひっぱられてもぶれずに頑張る女性というイメージが、有権者の共感と同情を集めたのかなと思いますが、既存の政党の敗北という感じもするし、小池候補のイメージ戦略と発信力に組織が負けたという印象もあります。
そんな中、元横綱千代の富士の訃報が報道されています。
所属する社労士会の研究会で私が尊敬する仲間の一人に、親族が名門相撲部屋の関係者として長く角界に勤めていたという会員がいて、研究会のメーリングリストで幼かった頃間近で見た千代の富士の思い出を投稿していました。
そんな投稿を読んで私がふと感じたことは、人は亡くなってもゆかりのあった人の心の中で生き続けるんだなということです。