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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「アメリカの制度をマネするな」ホワイトカラー・エぐゼンプションの行方

日本経団連は、アメリカで行われている「ホワイトカラー・エグゼンプション」(自律的労働制度)を日本にも導入しようと提言しています。


仕事についてある程度の裁量権のある(経団連は年収などで切ろうとしている)ホワイトカラーのサラリーマンの労働時間の制限をなくし、本人の裁量で働いてもらうというものです。一定の年収を保障した上で時間外手当(残業代)を支払わないとするものです。


これについて、私が創刊当時から配信してもらっている作家の村上龍氏が主宰するメールマガジンに、アメリカ在住であちらの事情に通じている作家の方から「アメリカの制度をマネするな」と題して反対の立場の意見が載っていました。興味深い内容なのでご紹介したいと思います。

アメリカの場合は「残業代のつく人」と「つかない人」の間に年収だけではなく、非常に厳格な線引きがある。年収だけで言うと週給455ドル(年収換算で279万円)と低いが、管理職、基幹事務職、専門職とそれぞれの要件が明確に規定されている。


例えば、管理職の場合は「2人以上の部下に関する採用権限を含む管理監督」、基幹事務職(総務、経理)の場合は、「非定型業務、自由裁量、自主的な判断」が主要業務である、専門職の場合は「明らかな専門教育に裏付けられた専門性、もしくは独創的な技能の発揮」というようなことである。


それらを根拠づけるためにNBA、CPA(公認会計士)、バー(司法試験)などの資格が求められ、資格がない場合はそれ相応の職歴などが要求される。それらの根拠のない人に「権限を与えているから」というだけで、残業代を支払わないということはあり得ない。


また、これらの制度の特徴として「エグゼンプト」でない人、日本風に言えば「一般職」に対する労働市場が確立している。この職にある人には契約上「残業代はつく」がまず残業はさせないし、出張もさせない。「9時から5時まで」定型業務はするが、あとは家庭や地域活動に時間をさくことができ、組合と法律によって保護されている。


アメリカでも国際競争力がなくなり、自動車産業などでリストラが進み、成果主義のため管理職の労働時間がどんどん長くなるなどの問題点もあるが、「残業代のつく人」「つかない人」のけじめはしっかりしている。


と以上のように、管理職といっても実態のない日本のサラリーマンの場合長時間労働を助長させるだけだろうと予想しています。また、「人間関係を維持しないと仕事が回らない」日本独自の企業風土にも触れ、儀礼的、儀式的な会議や出張を強制されて、絶望的なまでの生産性の低さに甘んじているとまで言い切っています。


私は「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度の話が報道された時、長時間労働が容認され、日本のサラリーマンが益々苦しい状態になるのではないかと、さしたる根拠はないのですが、直感的に感じました。


前述のアメリカの制度について読ませていただき、その曖昧な直感が間違っていなかったと感じました。政府と経団連は自分たちに都合の良いように制度を導入しようとしているのではないか、そんな疑念も持っています。


「長時間労働を何とかする」これこそが今一番求められていることなのではないかなと思います。それに逆行するような制度には反対です。今後の議論に注目していきたいと思います。

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コメント


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アメリカがその様な制度が維持できるのは権利義務の意識が高いなどその国の風土が強く影響していると思います。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」が日本にどうされた場合、仮に十分に検討されたとしても(そんなことはないと思いますが^^;)私も鈴木さんと同じく資本家・経営者に属する人と労働者に属する人との間には乗り越えられない高い壁ができてしまうように思います。
国の議論を見ていて感じますが、短い時間で企業の競争力はアップするかもしれませんが、長期的に見れば日本の国力は衰退し、アンバランスな国、大半の国民が生活できない国になる様な気がしてとても怖いです。
少しでもそうならないように勉強していくことが大切だとおもいました。

しろたぬき | URL | 2006年12月12日(Tue)19:55 [EDIT]


選挙に行きましょう!

しろたぬきさん
おはようございます。

おっしゃるとおりですね。
アメリカでは二大政党制が確立されていて国民の意思が政治に反映されやすいということもあるかと思います。

日本では、若い世代の投票率が高齢者に比べいつも低いので(政策が高齢者よりになる可能性が高い)、やっぱり選挙に行くことから始めていただきたいなあと思います。

おばさん社労士 | URL | 2006年12月13日(Wed)10:16 [EDIT]


鈴木先生
はじめまして。名古屋で11月に開業した石垣と申します。これまで度々先生のブログを拝見させて頂いておりました。ホワイトカラーの労働時間の問題は、私も先生と同様に、現在政府が検討している案には反対です。
しかし、景気の回復が実感できない中小企業は未だにその体力が脆弱で、そういった方々の声をお聞きしていると、そういった自分の意見を強くいうことができないジレンマを感じ、どうお答えすべきか未だに答えが出ません。
差し支えなければ、私のブログに先生のブログのリンクを貼らせて頂きたいのですがいかがでしょうか?開業社労士の仲間として良い刺激を相互に与え続けられればと考えております。よろしくお願いいたします。

イシガキ | URL | 2006年12月13日(Wed)23:24 [EDIT]


リンクOKですよ。

石垣さん
こんにちわ。
開業おめでとうございます。

実は、以前に石垣さんのブログ拝見したことがあります。
「北○○」のような事務所の話おもしろかったです。

名古屋は日本でも景気のいい地域と認識していましたが、やはり中小企業は厳しいのですね。
またいろいろ教えていただければうれしいです。
私のようなブログ初心者のつたないブログでよかったらリンクしていただいてOKです。今後ともよろしくお願い致します。

追伸、私は社労士としての仕事もまだろくにしていないので、「先生」はやめてくださいね。「鈴木」または「おばさん社労士」でいいんですよ。社労士同士で「先生」と呼び合うのも違和感を感じていますし。

おばさん社労士 | URL | 2006年12月14日(Thu)12:01 [EDIT]