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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

時間単位の年休について(2)

今年の4月から労働基準法が改正となり、労使協定を結ぶことにより時間単位で年休を取得することが可能となるということについて、過去記事にしたことがあります。(過去記事参照)

これについては、私の所属する自主研究会が県社労士会全体で行う発表会で、発表する事項の中に含まれています。

舞台上で普段の例会の様子を再現ドラマ風に行うということで、現在、私も加わっているプロジェクトチームでシナリオなど作成検討しています。

メンバー同士で同報メールがあれこれ行きかっています。

メンバーの1人と私とでこの時間単位年休についてのちょっとした解釈の違いが起きています。

この時間単位年休については過去記事にも紹介した通達の中で、労使協定でどういうことを決めるかということが書かれていますが、事業の正常な運営との調整を図る観点から、事業所の中で時間単位年休になじまない労働者を除外するなどしてもよいとあります。

例として、一斉に作業を行うことが必要とされる業務とあります。それ以上のことは書いてないのですが、工場などでラインに入っている人がポツポツと1時間、2時間と抜けるのは困るということなのでしょうか。

最初、前述のメンバーの作成したシナリオには、対象労働者を協定で決めることができるのだから、時間単位年休を正社員のみ取得可能としてパートや非正規労働者は除外することができるとなっていました。

 

私は、それは問題ではないかと思い反対意見をシナリオに書き加えました。

事業の正常な運営を妨げる場合に調整可能という話であって、業務内容により分けるのは分かるが、雇用形態により分けるのは問題があるのではないか。本来あるべき労働者の権利をせばめるような方向はよくないのではないか。それに、時間単位年休というのは時給で働くパートにこそ有益なのではないか。

というのが理由です。

それに対する反論として、様々な勤務時間、勤務日数のパート社員が大半を占めるスーパーや百貨店は時間単位年休管理を数少ない正社員が実施するのは大変なことだ。

管理できないことを合理的理由として労使協定で時間単位年休を正社員のみとするのは可能なのではないか。時間単位年休を実施するかどうかは使用者の選択にかかっているのだから、パート社員を外すことで労使合意できれば問題ないのではないか。

さらなる私の反論は、

労働時間の管理は使用者の義務であり、管理ができないということは義務を放棄することに他ならないのだから、そんなことは合理的理由にはならない。どんなに管理が大変であろうと、法定の義務である以上やらざるを得ないはずだ。

そして、さらなる彼の反論は、現在熟考中、研究会の他のメンバーの意見も聞きたいというところで止まっています。

 

私は、「実施するかどうかは使用者の選択にかかっている」というところもちょっと疑問を感じています。

労働者側から「時間単位年休をとりたいから、労使協定を結んでほしい」と言ってきたときに、使用者は合理的理由がなく断ることができるのかという疑問があります。

この点は彼も断るには合理的理由が必要と認めているのですが、時間管理の煩雑さが果たして合理的理由となるのかなということですね。

彼は、様々な会社の顧問をしていて給料計算なども行っているため、スタンスとしては完全に経営者側です。そして、給料計算が面倒くさくなるようなことはしたくないのだろうなというのは理解できます。

私としては、どうしても法律的な解釈論にいってしまうので、現実的な実務はあまり考えないというところがあり、彼との意見交換はとても面白く参考になります。さて、結論はいかに?

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