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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

法律は多様な生き方を支えてほしい

平成20年4月1日から改正パートタイム労働法が施行されていますが、その中でパートから正社員への転換を推進するための措置義務というのが、事業主に義務づけられています。

私が配信してもらっているある労組系のメルマガでは、労働者の相談が掲載されます。先日目にしたもので、

「フルタイムで働いている「パート」の労働者が、親にいつまでもパートではしょうがないので、他の正社員の仕事を見つけるように言われたが、今の職場が気にいっているのでできれば今の職場で正社員になりたい。パートから正社員に転換することが法律で義務づけられたと聞いたが・・・」

というような相談がのっていました。

それについては、パートタイム労働法の前述の措置義務の解説があり、また、そもそもフルタイムで働いているのに、パートというのはちょっとおかしいし、団結して労働条件の改善を申し入れましょうというようなことが答えられていました。

労組系ですから、そういう結論でいいし、最近、私はやはり労働者は団結した方がよいとも思っているので、実現するのはかなり難しいとは思いますがその結論に特に異論はありません。

ただ、気になったのは、パートタイム労働法というのは正式名称が「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」で、この法律の対象となる労働者は1週間の所定労働時間が通常の労働者より短い労働者ということになっています。

ですから、正社員と同じフルタイムで働く「パート」の人は含まれません。

この「通常の労働者」というのも正社員がいれば正社員と比べればよいのですが、社長以下全員パートなんていう会社も最近あるようで、そういう所では、一番長く働いている人を基準とするとか、基幹的な仕事をしている人と比べるとか、突き詰めると結構ややこしい部分も含まれています。

 

前述の相談者の会社は正社員がいるようですし、正社員と同じ時間で働いているようですので、職場で「パート」と呼ばれていてもパートタイム労働法の適用対象者とはなりません。

というわけで、パートタイム労働法第12条にある正社員に転換を推進する措置義務の適用対象外になってしまいます。

逆に、パートと言われていないけれど正社員に比べて1週間の所定労働時間が短い「契約社員」「アルバイト」などと呼ばれている人がいたとしたら、その人たちはこの法律の適用対象者となります。

しかし、この法律の趣旨は短時間で働く人たちが仕事の内容、責任の権限などに見合ったバランスのとれた待遇で働けるようにするということですから、同じような状況にあるのにただ労働時間が長いだけで対象外とされると、法律の趣旨にも反するのでその点は留意するようにとの指針(平成19年10月1日厚生労働省告示326号)が出されています。

正しい労務管理としては、「パート」と呼ばれている人たち全員に対して平等に法律の趣旨を尊重するということになるのだと思います。

 

この件に関連して以前過去記事にも書きましたが、(参照)法律というのはどうも融通がきかないのですね。

短時間なら短時間でくくってしまう。正社員に転換する措置義務はいいのですが、様々な事情で正社員と同じフルタイムで働くことができない人というのは、そうするといつまでもパートという不安定な身分でいるしかなくなるのです。

世の中、フルタイムでバリバリ働ける人もいれば育児や介護、その他個人的な様々な事情があってそうできない人もたくさんいるんです。でも、働いて稼がなくてはならないという場合もあるんです。そうした人たちが生き生きと働くためには、正社員との圧倒的格差などは見直すべきだと思うし、短時間正社員制度というのがもっと広まってもいいと思います。

多様な生き方を選択できる社会がいい社会だと私は思います。

法律はそれを後押しするような道具であってほしいと思います。

パートタイム労働法については厚生労働省のHPに詳細があります。(参照)

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