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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

仕事中のトイレ回数をチェックする会社

2、3日前だったと思いますが、公的年金関係のコールセンターで働いている契約社員の方の投書が新聞に載っていました。

年金の記録や受給などに対応する仕事とあり、社労士会では以前から、このような個人情報に属する内容について守秘義務のない民間人がやるのはどうなんだという疑問が出されていたため、仕事内容を見て、実際そういう労働者がいるんだと思い、投書に目がいきました。

内容は、休憩などで離席する際に電話機のボタンを押す仕組みになっているが、最近、トイレのボタンができ、トイレに行く回数や時間が管理者にチェックできるようになった、契約打ち切りの理由にするらしい。組合設立も考えたが、時間もお金もなく断念した。こんな理不尽な会社には嫌気がさしているが、母子家庭だし簡単にはやめられない。

というような内容です。

労働基準法では、労働時間と休憩時間の規定はありますが、トイレや喫煙、同僚との雑談、着替えなど、、グレーゾーンの規定はありません。

喫煙時間の考え方については過去記事にも掲載しました。(参照)

労働法では「ノーワーク・ノーペイ」という原則があり、働かない時間には賃金が発生しないと考えますから、労働時間かそうでないのかは重要な問題となってくるのですが、原則としては、休憩時間以外は労働時間と考えるのが労働法的な考え方です。

休憩時間というのは、労働者が使用者の指揮命令下から離れて、労働から完全に解放されて自由に利用できる時間とされています。お店などで、もしお客さんが来たり、電話が鳴ったら対応しなくてはいけないというような時間は、「手待ち時間」などと言って、労働時間に含めます。

 

さて、前述の投書にあるトイレはどうでしょうか。

実労働はしていないし、一応、労働からは解放されていますが、使用者の指揮命令から完全に離れているとは言いがたいですね。常識の範囲内であれば、普通はトイレに行く時間は労働時間内に含めていると思います。

この投書の会社は、これで賃金カットをするというわけではなさそうですから、そういう点では問題はないのですが、労働者にプレッシャーを与えていますよね。トイレに行く回数などを数字としてチェックされるというのはどうなんでしょうか。

また、それによってトイレを我慢する労働者もいるかもしれないし、もしかしたらそれで体調を崩すなんてことも考えられます。

当ブログで度々書いていますが、事業主には労働者が安全で快適に働く職場を作る義務があります。(安全配慮義務)

それには健康に配慮したり、労働時間を管理して働きすぎをチェックしたり、その他、職場環境について様々な点で目配りすることが求められています。

トイレに行くことについてプレッシャーをかけるようなことは、私はこの義務に抵触する可能性が高いと思います。トイレにいくことは生きていく上で必要な生理現象ですし、健康的な生活をするためには、行きたいときにトイレに行くということは必須ではないでしょうか。

事業主さんとお話していると、この安全配慮義務を理解していらっしゃらない方がいます。

平成20年3月から施行されている労働契約法には、はっきりと明記されています。

 

また、投書の主は組合を作るのにお金も時間もなく断念したとしています。確かに職場でそういう活動をするのは抵抗があるかもしれませんが、労働者は団結するのが一番力になります。ひとたび組合を作ると労働組合法の保護の対象となり、1人でいるよりも使用者とずっと交渉しやすくなります。

そこまではなかなかできないとしても、職場の中で仲間を増やして共感できる同僚を見つけると気持ちが楽になると思いますが、今のご時勢それも難しいのでしょうか。

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コメント


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 家畜以下の管理で本当に理不尽ですね。生きていくために抵抗できず我慢している労働者が増大している昨今に、腹立たしく涙が出そうになってしまいます。

空ちゃん | URL | 2010年02月03日(Wed)16:55 [EDIT]


空ちゃんさん

コメントありがとうございます。

こんな話を聞くと私に一体何ができるのだろうかと、いつも考えてしまいます。
せめて、ブログで有意義な情報をお届けできたらと思っております。

おばさん社労士 | URL | 2010年02月03日(Wed)18:39 [EDIT]