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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

職場でのファッションの許容範囲

昨日、服装が問題となった国母選手のことを記事にしましたが、職場でも奇抜なファッションや露出部分が多いといった刺激的な服装が問題になることがあります。

私が会社勤めをしていた頃は(かなり古い話です)、だいたい制服というのがありましたし、若い男女が髪を染めるとか、ピアスとかというファッションもなかったので、普通はあまりそういう話は聞きませんでしたが、最近は私服で勤務する会社も多いようですから、会社として服装の乱れを注意するなんていう場面も出てくるのかもしれません。

本来、服装や髪型などはその人の自己決定権の範疇にあることです。基本的に好きなようにしていい部分であり、他人がとやかく言うことはできない部分です。

しかし、企業には業務を円滑に遂行するために職場内の秩序を守ることが必要ですから、労働者に対してある程度の規制をかけることは許されるだろうというのが、労働法の中での考え方です。

判例としては、茶髪による解雇の無効を争った裁判があります。(福岡地裁小倉支部決定平9.12.25)

事件の概要は、トラック運転手をしていた労働者Aが頭髪の色をかなり派手な黄色に染めていたところ、会社から「取引先から苦情があった」などとして髪の色を元に戻すように何度か注意され、更に始末書の提出も求められました。

実は、「取引先からの苦情」というのは会社側のうそだったのですが、Aは自分で白髪染めを使い髪を黒くしました。しかし、まだ、茶色い部分が残っていたことと、始末書の提出を拒否したため、業務命令違反として諭旨解雇の通告を受けます。

Aがこれは解雇権の濫用だとして訴えたのが本件です。

裁判所は解雇無効との判断を下しました。

企業は秩序維持のために労働者に必要な規制、指示、命令等を行うことは許されるが、それは一般的な支配ではなく、限界があるとして、特に労働者の髪の色、形、容姿、服装といった人格や自由に関する事柄については、企業側の制限が無制限に許されるわけではないとしました。

制限の必要性、合理性、手段方法として相当性を欠くことのないように「特段の配慮」が要請されるとしています。

 

会社側は具体的に対外的支障があったわけではないのに、あるとうそを言ったりしたことや、一応、髪を染め直したAに対して自然色以外は認めないとして、始末書の提出を強く求めたり、会社の方針に従わないのならやめてもらうなどと再三言うなどしていたとのことで、行き過ぎた規制として解雇権の濫用とされたようです。

企業には労働者の自己決定権に属することについて制限する場合には、必要性、合理性、相当性などをきちんと考慮して規制をかけなければならないという判断です。

逆に言えば、接客業など様々なお客様を相手にする場合などは、ファッションの規制について、必要性、合理性などは認められやすいかもしれません。会社の態様、業種などによっても随分変わってくることが考えられます。

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