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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

現代のタコ部屋

「タコ部屋」という表現をした時に内容を理解できる人というのは、どのくらいいるのかなと思いますが、今朝の朝日新聞の読者投稿欄にタコ部屋という表現の記事がありました。

個人加盟制の地域労組の委員長をしているという方からの投稿で、年齢を見ると26歳とあるので、若い方もこういう表現をご存知なんだなと思いました。

タコ部屋というのは、労働基準法などなかった時代に、主に炭鉱や建設現場などに労働者を連れてきて、半ば監禁状態で安い賃金でこき使うような場所を言いました。逃げようとしても恐いお兄さんたちがいて暴力を振るわれるため、言いなりになるしかないという状況に追い込まれてしまうのです。

「現代のタコ部屋」というのは、その地域労組に相談に来たある派遣社員の方の話でした。

11月、12月と寮住まいで仕事をして、両月とも無遅刻無欠勤だったのに給料は11月分としてもらったのがたったの1万円、12月分は9万円も控除されていた(控除前は18万円)。寮費や詳細不明の団体保証金、寮保証金、仕事のミスによる罰金と称して控除されていたそうです。

「これでは生活できない。仕事を休んで日払いのバイトで現金収入を得たい」と社長に言ったら、まだ休んでもいないのに職場放棄だとして解雇されたと相談があったそうです。

解雇されるとすぐ住まいにも困るということで、この地域労組に相談したのですね。

団体交渉でどうにか解雇予告手当てを支払わせ、寮にも2月いっぱい住めることになったそうですが、額面18万円の給与があるため生活保護も申請できず、会社への借金がまだあると書かれていました。

この会社への借金というのがよくわからないのですが、こういう違法状態というのがまかり通っているのが現実なんでしょうか。

 

以前過去記事にしましたが(過去記事参照)原則として、賃金は全額を労働者に渡さなければいけません。控除していいのは、法令で決まっている税金、社会保険料などと、労使協定があればその協定の範囲で控除していいということになっています。ですから、労使協定もなく勝手に法令で決まっているもの以外の控除をするのは労働基準法24条違反です。

また、賃金の内容については労働契約を結ぶ時に文書で明示しなければいけない事項ですから、控除する内容についても当然最初に明示する義務があります。(労基法第15条)

全額払いの違反、労働条件の明示違反、ともに30万円以下の罰金という罰則もある義務規定です。

この派遣社員の方は地域労組に相談することによって少し道が開けたようですが、泣き寝入りしてしまう労働者も多いのでしょうか。

職を失う=住まいも失うという構図を何とかしないと、労働者側はいつまでも弱い立場に甘んじるしかなくなりますよね。

全国にはシャッター街やら空き家やら、住宅になりそうな物件が余っているように思いますが、そういう物件を住まいに困っている若い人たちに提供するなんてできないものなのかなあと考えこんでしまいました。

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