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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

年休の買い上げについて

セミナー講師、各種労働相談の仕事を通じて感じたことは、年次有給休暇というのが、事業主、労働者ともに非常に関心の高い労働条件の一つだということです。

事業主側はあまり休まれたくない、労働者側は休んでも普通に賃金がもらえるんだから大いに休みたい、というところで対立する事項でもあると感じます。

昨日、中央労働委員会(注1.)が平成21年に扱った調整件数などを発表しました。(参照)

〔注1.〕労働委員会とは、労働組合と使用者間の争いを調整したり、使用者の不当労働行為について労組側を救済するための組織で各都道府県にある委員会と、国に設置されている中央労働委員会があります。

それによると、件数的にはやはり解雇が多かったようですが、「年次有給休暇」(主に残余日数の買い上げ)が前年比150%増となっていて目をひきます。

年次有給休暇は、一定の条件を充たす労働者に与えられる休暇ですが、(過去記事参照)その条件と日数は労働基準法にあります。その他の具体的な細かい運用については規定がないために、いろいろと争いの起きやすい部分です。

未消化となった年休について、労働基準法の115条にある2年という時効の規定から翌年度に繰り越すことができるとするのが一般的な考え方で、私も就業規則を作成する時にはこの説を採用しています。

しかし、労働基準法が最低基準を定めたものだとすると、繰越を認めるということは、当該年度の最低基準である年休日数が取得できないことを最初から認めることになり、時効を考える余地はないとした判例もあり(静岡地裁判昭48.3.23)結構奥が深い問題です。

 

さらに買い上げとなると、法律には明確な規定がなく労使間の話し合いに任されているのが現状です。

行政解釈としては、年休の買い上げを予約し予約した日数の年休を認めないことは年休取得の権利を阻害することになり違法となっています。

ですから、予約ではなく、結果的に未消化となった部分を買い上げることは可能ということになります。いくらで買い上げるかは労使間の話し合いによるということになるでしょう。そのあたりが争いとなって労働委員会に持ち込まれたのでしょうか。

前述の発表は報道発表のみで、中央労働委員会のHPには詳細がないのでわかりません。

労使ともに関心の高い有給休暇ですから、社内規定などをしっかり作りお互いに納得のいく運営が求められるところだと思います。

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