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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

配置転換でうつ病になったのは労災

配置転換になった後、うつ病になった男性が労災と認められたとの新聞記事がありました。


1週間ほど前の記事なのですが、書こうと思いつつ他に書きたいことが出てきて、このままだと書きそびれそうなので今日書いてみたいと思います。


有名スポーツブランドで部長をしていた45歳の男性が、リストラを拒否したところ倉庫での1人勤務に回され、うつ病になったとして労働基準監督署に労災認定されたというものです。

男性は01年から本社の営業企画部長でしたが、04年組織改変で部がなくなるとして人事総務部長から「仕事がなくなった」と退職を促されます。その後、6度の面談で退職を迫られますが承諾しなかったところ、翌年1月から取引先の倉庫に配置換えを命じられます。


部長から主任に3段階降格され、基本給は40パーセントカット、商品の数を数えたり靴の左右をチェックするという単調な作業を、毎日7時間半させられました。入荷の時以外は人と話すこともなく2月にうつ病を発症してしまいます。自殺願望が募るようになり6月から仕事を休んで療養していました。


今年5月に最寄の労働基準監督署に労災認定を申請して今月4日に認められたというものです。会社側は「事実確認できていないのでコメントできない」としています。


やめてほしい社員に嫌がらせ的な配置転換をして「自分からやめるように仕向ける」というのはよく聞く話ですね。私が若い頃勤めていた会社でも同じ部署にいた男性が適性がないとして遠くの倉庫に回されました。


その部署は顧客との応対の最前線みたいなところで、非常に臨機応変な対応を求められる部署でした。確かにその人はちょっと適性がないというところもあり、回りの社員がカバーするのが大変というような状況が続いていました。上司は個別に指導を繰り返していましたが、状況が好転せず配置転換されました。そのような配置転換だと、本人も(多少不満だったかもしれませんが)回りも納得しますね。若かった私は「厄介者がいなくなってせいせいした」と同僚と喜んだぐらいです。今の私ならまた別の感慨を持ったと思いますが。(若さとバカさは紙一重)


前述の男性の場合は、営業企画部長という要職からいきなり倉庫番ではやはりきついですよね。組織改変したとしても前職を考慮して配置を考えるべきだったと思いますが、そもそもやめてほしいからそういう配置転換をしたというのはみえみえですよね。


事業主には安全配慮義務というものがあります。そこで働く人の安全と健康を確保する義務です。(注1)


注1.労働安全衛生法第3条 事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。以下省略


設備や環境などのハード的なことはもちろん、健康面や精神面(セクハラやパワーハラスメントなども含めて)などのソフト的なことも社員が安全で健康に働けるように配慮しなければならないのです。


「長時間労働ではなく退職強要のストレスが認められたのは異例。社員を追い詰めて自ら退職させるようなやり方は許されない」と、男性の代理人の弁護士が語っているそうです。


労働基準監督署も、その配置転換がなければうつ病にはならなかっただろうという業務との因果関係を認めたということでしょう。


こういう時に労働者側は泣き寝入りせず全国各地にある労働局の「総合労働相談コーナー」 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.htmlなどに相談しましょう。県によっては社会保険労務士会でも無料の労務相談などを行っています。


労働者の降格や配置転換について、判例などではどうなっているのでしょう。それはまた明日書きたいと思います。



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