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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

多角的にみないとわからない年金制度

先週の金曜日に県社労士会主催で、「年金制度の現状と課題」と題して慶應義塾大学経済学部教授の駒村康平氏の講演があり、私も参加して興味深いお話をいろいろ拝聴することができました。

講演は実務的なものではなく、年金制度について学術的な見地から制度の問題点や今後の展望、諸外国との比較などについて、様々な統計などを示しながらのお話で大変有意義なものでした。

埼玉県会に登録している社労士はざっくりした数字ですが、開業が1000人余り、勤務登録が500人前後、他に法人会員が10ぐらい、だいたい1500人が登録していますが、300人余りの参加申込みがあったそうで、10分ぐらい前に会場に行ったらかなり席が埋まっていてちょっとびっくりしました。

やはり、社労士たるもの年金の勉強は必須と考えている会員が多いのでしょう。もちろん私もその1人です。

講師の駒村教授は年金制度の研究をずっと続けて来られて、長妻厚生労働大臣の顧問を務めていらして、週3回ぐらい厚労省へ出かけて行って、大臣や各部局長の質問を受けたりしているそうです。大臣とは一連の年金問題が発覚する前に、年金について教えてほしいと教授の研究室にやって来て以来の付き合いだそうです。

昨年の総選挙前、民主党の優勢が伝えられていた頃、長妻氏が

「政権をとったら厚生労働大臣になるから、年金関係の顧問になってほしい」と政権交代前に言われたことなど、興味深いエピソードも披露されていました。

大臣は話し出すと3時間ぐらいに及ぶことも多く、熱心に勉強しているらしい様子が窺えました。

 

「皆さんは専門家ですから、学生に半年かかってじっくり話す内容をほぼ2時間で話しました」と言われるような中身の濃い内容でしたが、私が一番面白いと思ったのは、よく言われる世代間格差についての話です。

確かに数字上は今既に年金を受給している世代とこれから受給する世代とでは、少ない保険料で生涯に受給する額も多い現在の高齢世代と全くその逆になっている若年世代とでは不公平に見えます。

保険料でいうと、1935年生まれの人は当時標準報酬月額の6%(その後だんだん上がっている)、現在は15%余り、最終的には18%余りで固定される予定となっています。会社と折半なので実質負担額はその半分ということになります。

かなりの差がありますが、制度創設は昭和36年、国全体が貧しく高い保険料率の設定は難しかったということ、また、もし、高い保険料率を設定していたら、企業の負担もそれだけ重くなり、その後の高度経済成長もなかったかもしれないとの話があり、なかなか面白い見方だなと思いました。

何事も一面的に見るのではなく、時代背景など情状を多面的にみて考えなくてはいけないのだなと思います。

そういう意味では今のテレビメディアなどは年金について一面的な報道をすることが多いと、実例を挙げてやんわりと批判もされていました。

そして、やはり年金制度だけでできることには限界があり、経済、産業政策、労働政策、子育て支援、税制、徴税システムなど連携すべきことがいろいろあるという結論で、以前当ブログにも書きましたが(過去記事参照)私も全く同感でした。

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