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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「新卒切り」というひどい話

プロ野球の松坂投手がメジャーリーグへ行ったとき、
「こんなことまで決めて書くんだというようなことまでたくさん契約書に書いてあってびっくりした」
というようなことを語っていました。
かの地では「契約」ということをとても重んじるようですね。
労働契約も「契約」ですが、昨日、新聞を読んでいたら、若い新卒社員を雇用の調整弁にしようとするようなよろしくない会社があるということが記事になっていました。
甘い採用計画で採用したものの人員が余剰となり、試用期間中の新入社員に厳しく接して、自主的に退職するように仕向けるというから悪質です。

学説がいくつかありますが現在では、「契約」という観点から言えば、すでに内定の時点で成立していると考えるのが一般的ですから、新入社員もれっきとした「労働者」であり労働基準法をはじめとする労働法の保護下にあります。

新聞にのっていた例は、あるITコンサルタント会社に新入社員として入った男性に対して、「朝来るのが遅い、たるんでる」(始業15分前に出社したとき)といきなり上司から叱責され、その後も電話応対や退社時間をとがめられ、
「落ちこぼれ」「分をわきまえろ」「君が劇的に変わらなければ一切仕事はさせない」など、これはもうパワーハラスメントそのものだと思いますが、連日反省文を書かされ、入社9日目に自主退職を迫られ、頭がぼーっとしたまま、「自己都合退職」の退職届けを書かされたそうです。
その後、男性は復職するつもりはないものの、「無理やり書かされた退職届は無効」として、社員としての地位確認と3年分の給与支払いを求める労働審判を申し立てたそうです。

会社側は自分たちが採用したのですから、じっくりと教育していくべきだし無理やり「自主退職」を迫るなどのやり方は、若い人の自信を奪い人生を狂わすことにもつながるということを自覚していただきたいと思いますが、そんな会社にいても多分いいことはないだろうなあと思います。
でも、労働審判を起こしたのはよいことだと思います。多分、審判では新入社員側には非はなく会社が悪質だという判断が下されるでしょうから、悪い会社にひっかかっちゃっただけで、自分は悪くないんだと、今後の人生、前を向いて生きていけるでしょうから。

セクシャルハラスメントについては、会社の方針を明確にして社員に対して周知・啓発活動をするなど、セクハラに対する措置義務が事業主に義務づけられていますが、(男女雇用機会均等法11条)パワーハラスメントについては法令の規定はありません。
しかし、当事者同士だけではなく職場全体の雰囲気が悪くなり、そのための人材の流出、被害を受けている社員が心身の不調を起こすなどが考えられ、会社にとってマイナス面が大きいですから、私が就業規則を作成するときには、セクハラに準じてパワハラの禁止規定を作り、もちろん、懲戒処分もあるとする規定を作ります。
それに照らして考えると、前述の上司の叱責の仕方は完全にパワハラ状態です。また、新入社員が入社9日目に辞めたいと言い出したら、普通、上司は何やってるんだとなると思いますが、これはもう、会社ぐるみなのでしょう。
もしかしたら、その上司もさらに上の人間に言われ、仕方なくやっているということも考えられます。
そんなことを考えると、日本の会社ってなんかおかしい方向に行きそうだなあ、被害者はいつも若い人だなあと、いやな気分になりました。

若い皆様、労働法は労働者の味方です。当ブログだけではなくネット上には様々な情報がありますから、是非理論武装して悪質な経営者に対抗する力をつけてください。そして、世の中には良い経営者もたくさんいるはずですから、めげずに新しい職場を見つけてください。

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