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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

社労士としてのダイナミズムを考える

今月30日から改正施行となる育児・介護休業法ですが、先週あった私の所属する研究会の例会で関連の原稿を提出された方がいました。
「社員30人あまりの会社で育児・介護休業法改正を知ったある男性社員に、子が1歳になり、妻が育児休業を終えたため、自分が保育園に迎えに行かなければならないので、明日から残業はなしにしてくださいと言われ、困惑する事業主」
というなかなか面白いシチュエーションです。
今般の改正により3歳未満の子のいる労働者(日々雇われる者、労使協定で除外される者は除く)から請求があった場合は、所定労働時間を超えて労働させることはできなくなりました。
しかし、これについては、常時100人未満の事業所については2年間の猶予措置があり、6月30日の施行日からすぐに対応しなくてもよいことになっています。

というわけで、原稿では100人未満の事業所であるために対応する義務はないこと、また、請求は1か月前までにすることになっているためすぐに応じる必要はないこと、しかし、小学校就学前の子の養育のための時間外労働の制限(1月24時間、年間150時間)はあるので、これについて当該労働者のためにもなるべく早く応じる方が望ましいこと、その他、一般論として今後、企業には育児のための休業や時間外労働の拒否についての対策を講じておく必要があるなどが書かれていました。

書いた方は研究会に入ってからまだ2~3ヶ月ですが、こういう研究会に入るということは、「書く」ということに多少の興味や時には自信のある方が多いので、とてもよくまとまって読みやすく仕上げられていました。
特に、育児・介護休業法は手続き関係のことなども入ってきて、ややっこしいのですが、よくまとめられていて感心しました。
私がこの研究会に入会して初めて書いた原稿は、居並ぶ先輩方からかなり袋ただきにあうような、ぶっ飛んだ原稿でしたから。
ぶっ飛んだというのは、内容が間違っているとか、文章が下手というのではなく、他の会員があまり書かないような、自分の考えを前面に出したような原稿ということです。

この育児・介護休業法に関する原稿も、法律的には何も間違っていないのですが、そこで終わってしまって、「ぶっ飛んだ」ところがないのがちょっと私としては残念だなと思いました。
だって、法律ではこうですから、その要求に答える必要はありませんと言って、この問題が解決しますか?
「うちは100人未満の事業所だから、残業免除はしなくていいことになってるから、そんな請求はだめだよ」と事業主が言ったとして、当該労働者との間は険悪になりませんか?
現実問題として保育園に迎えに行かなければならないのですから、この労働者は「強行突破」するかもしれないし、周りでそれを見ていた社員は「うちの会社では子供を産んで育てながら働くのは厳しい」と思うかもしれません。

ここで考えなくてはいけないのは、労働法関係の法律というのは、「これ以上でやってね」という最低ラインを提示しているのだということです。それ以上でやることになんら問題はありません。むしろ、最低ラインをクリアーしているからいいとして、満足なんてしてほしくないですね。
特に、社労士の仕事は労使の中立的立場で法令遵守を促すとともに、労使トラブルを未然に防ぎ働きやすい職場を作ることにあります。
法律はこうですと言って解決できる問題はいいですが、できない問題については、積極的にアイディアを出していくべきだと私は思っています。
前述の例なら、まず関連部署の社員も交えて話し合うということが大事かなと思います。
また、当該労働者にも奥さんと分担して週に1、2度は残業できないかとか、帰りを早くするために朝、早く来ることはできないかとか(フレックスタイム制にするなど)、他の社員にもなんらかのアイディアがあるかもしれないし。
この1歳の赤ちゃんの成長を会社全体で見守るような機運を作っていけるようにするのが、社労士としての仕事というか、ダイナミズムではないかなと思います。

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