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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

主夫は遺族基礎年金がもらえない

先週、新聞の読者の投書欄に遺族基礎年金に対する疑問が提示されていました。


その方は働く女性、夫が小さな子の面倒も含めて主婦ならぬ主夫として頑張ってくれているそうです。最近、ファイナンシャルプランナーの話を聞く機会があり、自分がもし死亡した場合遺族基礎年金がもらえないということを知ったそうです。それぞれの家庭の事情により働き方があるはずなのに、不公平ではないかというものです。


遺族基礎年金は国民年金部分から支給されるものですが(注1)、妻又は結婚していない子(18歳年度末まで又は、20歳未満で障害等級1、2級の子)に支給されます。妻の場合、妻単独では支給されず、「子のある妻」というのが絶対条件です。夫には、たとえ妻に扶養されていたとしても支給されません。


注1.①被保険者が死亡したとき、②被保険者であった者が日本国内に住所を有し、かつ60歳以上65歳未満で死亡したとき、③老齢基礎年金の受給権者が死亡したとき、④老齢基礎年金の受給資格者が死亡したときに支給されます。①、②の場合は保険料納付要件があります。

私は年金制度の歴史については、受験生時代に得た知識程度のものしかないのですが、基礎年金制度ができた昭和61年頃には、主夫というものは想定されていなかったのではないかと思います。


どうしても夫なき後の母子家庭の救済というイメージが強かったと思います。実際、今でも男女の賃金格差は歴然とありますし、母子家庭が生活に困窮するという話はよく聞きます。また、もしかしたら給付額が大きくならないように、支給する人の範囲を限定的に狭くしたのかもしれません。


夫はだめでも子供はもらえるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、「生計を同じくするその子の父若しくは母があるとき」は支給を停止するという縛りがあります。(国民年金法41条第2項)そのため、投書の方の場合はお子さんに権利は発生しますが、支給は停止されてしまうのです。


ちなみに、今年度の遺族基礎年金の額は792,100円です。子供がいる場合は2人目まで1人につき227,900円、(3人目からは1人につき75,900円)これだけの額がもらえるともらえないとでは大きな差ですよね。


投書の方はお勤めのようですから、遺族厚生年金もあります。ここでも妻は生計維持されていれば(共働きでも年収850万円を将来に渡って有しなければよい)支給されますが、夫は妻の死亡時に55歳以上(支給は60歳から)という条件があります。子供については、遺族基礎年金にあるような「生計同じくする父または母がいる時に支給停止」という要件はありません。ですから、前述の女性の場合、お子さんがかろうじて遺族厚生年金はもらえることになるでしょう。(年齢、障害等の要件あり)


こんなことを見ても、今の年金制度は少し古いのかなという気がします。現在の多様な働き方に対応できていないようですね。やはりどこかで抜本的な改正が必要だと思われます。


遺族年金については、社会保険庁のHPをご覧ください。



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