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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

職場のいじめも労災になり得る

転職した人が何故転職をしたのかの理由を問う調査が民間機関や、労働経済白書などでも行われますが、賃金や労働時間などの労働条件と並んで、必ず「職場の人間関係」というのが入ってきます。
セクハラ、パワハラ、いじめなどは当事者だけではなく、職場全体の雰囲気を悪くするものですが、職場のセクハラについては男女雇用機会均等法で事業主に管理措置義務が設けられています。
社員に対する周知・啓発活動を行うとか、相談窓口などを設置して事が起きたら迅速に調査、処理するなどが指針で出されているため、最近の就業規則には必ずそれらのことが記載されています。
私が作成するときには、セクハラと同時に法律での規制はないのですが、必ずパワハラ、いじめも服務規律などで禁止して、懲戒処分することもあると規定します。
先週、大手通信会社の元社員が精神障害を発症したのは、職場のいじめが原因であり労災に当たるとして提訴したことが認めらる裁判結果が出ました。(大阪地裁判6.23)

元社員の女性は自分よりも職務等級の低い(賃金が安い)同僚女性社員数人にねたまれ、事実無根のうわさを流されたり、失敗談をメールで暴露されたり、いじめグループ女性たちに目配せされて冷笑されたりと嫌がらせを受け、精神障害を発症して休職に追い込まれ、休職期間満了後に解雇されました。
元社員は労災保険法の療養補償給付の請求書を管轄労働基準監督署に提出しますが、不支給処分となったため、処分取消を求めて提訴し、裁判で認められたものです。
判決では、「集団で長期間(2年数ヶ月のいじめの後発症)継続した陰湿ないじめで、常軌を逸した悪質なひどい嫌がらせ」と認定して、「上司に相談した後も支援策がなく、失望感を深めた」としています。

いい大人がよくそういうことするねえと思いますが、嫌がらせを受けた本人にとってはかなりきつい状況だったのだろうと想像がつきます。
職場での嫌がらせが労災になった例は今までもありましたが、たいていは上司による部下に対するパワハラ的なものが多かったと思います。
女性の同僚同士のいじめについてはあまり例がないのではないかと思います。
事業主には従業員が職場で安全かつ快適に働けるようにする安全配慮義務がありますから、その義務を怠っていたともいえます。
相談されたら、なんらかのアクションを起こすべきだったと思いますが、女性同士のややっこしい話には首をつっこみたくなかったのでしょうか。
陰湿ないじめをする側もなんらかのストレスを抱えていたかもしれないし、会社としては、被害者、加害者の現状を把握した上で、善後策を考えるべきだったと思います。

この事例のように労災が認められると、当然会社、また加害女性たちに損害賠償を請求することだって可能になるのですし、職場内の話なので、会社の責任がより重く追求されることになりますから、会社としては、こういう問題はやはり看過してはいけないのです。
就業規則できちんと規定して、社内的にブレーキをかけておき、時には懲戒処分をするなどしないと、話し合いだけではなかなか解決できないのではないかなと思いますが、そういう陰湿ないじめが起こるのには、当事者の資質だけではなくなんらかの職場におけるストレスがあったのかなとも考えられます。
会社としては、同僚同士の些細な小競り合いと考えたかもしれませんが、労務管理上会社をより良くするためのチャンスだったかもしれないのに、大きな会社というのは案外鈍いのかなあと思いました。

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