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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(19)フレックスタイム制

お客様から相談を受けてフレックスタイム制について勉強したので、ついでと言っては何ですが、記事にしたいと思います。
私が社労士試験の勉強をしていたのは数年前ですが、その頃フレックスタイム制というのは大企業で採用されることが多く、中小企業ではあまりないと教わりました。
その状況は今もあまり変わっていないと思いますが、東京都中小企業振興公社が毎年出している「中小企業の賃金事情」(
参照)の統計によると、従業員300人以下の企業でも8%が採用していることになっています。
労働基準法では、第32条の3に規定がありますが、条文が長く読みにくいので概要を書きたいと思います。
まず、要件としては始業、終業の時刻を労働者が自由に決定できるようにして、就業規則又はこれに準ずるものによりその旨規定します。
次に労使協定により対象となる労働者の範囲、清算期間(1か月以内)の長さと起算日、清算期間内における所定労働時間(労働者が労働すべき時間)を決めます。
労使協定の届出の必要はありません。

清算期間は賃金計算期間と合っている方がやりやすいので、多くは1か月とすると思いますが、この期間の間平均して1週間の労働時間が法定労働時間の範囲内にする必要があります。暦日が28日の場合は160時間、31日の場合は約177時間が限度です。
総枠の労働時間を決めておけば、日ごと、週ごとの残業時間は計算の必要がなく、清算期間の最後に総枠の労働時間を超えた分が残業時間であり、足りない分が出たらそれは欠勤ということになります。
労使協定により足りなかった分は翌月に繰り越すとすることはできますが、多く働いた部分は賃金全額払いの原則がありますから、必ず清算しなければなりません。

労働時間については、清算期間の総枠ではなく、1日8時間とするような取り決めもできます。この場合、完全週休2日であっても暦日により法定労働時間の総枠を超えてしまう場合が考えられますが、一日の労働時間が概ね一定であれば、5週間で平均して40時間がクリアーできていればよいとする通達が出ています。

始業、終業の時刻について労働者に委ねなければならないため、あまりめちゃくちゃになっては困るという場合には、コアタイム(必ず勤務していなければならない時間帯)とフレキシブルタイム(いつ出退社してもよい時間帯)を決めることもできます。
この場合は必ず就業規則に記載します。
この場合、コアタイムをフレックスタイム制でない場合の一日の所定労働時間とほぼ一致するように設定することは、フレックスタイム制の趣旨に反しますから認められません。

対象労働者の範囲も自由に設定することができます。課ごととか、グループとか「育児・介護をする人」など個人を対象とすることも可能です。
これは、労働者側にとっては労働時間を清算期間内でトータルに管理することができるので、結構都合がよい制度なのではないかと思いますが、人によっては時刻が決まっている方がよいと思う人もいるかもしれません。
会社側にとってみると、総枠だけで残業時間をみることができるので、私は案外うまく運用すると残業代の削減になりそうな気がします。
会社の実情に合わせてうまく導入すれば、企業規模に関係なくいい制度なのではないかと感じました。
フレックスタイム制については厚生労働省のHPに説明があります。(
参照)

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