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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

相撲協会の処分と一事不再理の原則

何かとお騒がせの相撲協会ですが、昨日はある部屋が地方場所のために借りていたビルが実は暴力団関係者につながりがあると分かったとかで、またまた話題になっていました。
私は相撲界のことはよく知らないのですが、ご贔屓筋の人と食事をしたり地方に行ったときに何かと便宜を図ってもらうということが日常的に行われているようですから、よほど神経質にならない限り、そういうことはなくならないのだと思います。
相撲の世界しか知らない一親方にそこまで求めるのはちょっと気の毒なのかなという気もします。
相撲協会全体で行動指針などを作りチェック体制を整えないとなかなか難しいのではないかと思います。
それはさておき、今朝ラジオを聴いていたら、相撲中継の元アナウンサーで、現在は相撲界についての解説者的立場にいる人が、賭博事件がらみで名古屋場所出場停止となっている力士について、
「次の場所は出場できると思いますが、今場所15日全休ですから、来場所の番付は相当下に下がるでしょう」
と語っていました。
へぇー、それって「一事不再理」の原則に違反しないのかなと思いました。

「一事不再理」とはもとは刑事訴訟法にある考え方で、ある事件について裁判が確定した場合に、同一事件で再び審理はできないとするもので、憲法第39条にも同様の規定があります。労働法では労働者に対する懲戒処分についてこの法理が適用されます。
要するに同一の事犯について2回懲戒処分をすることは許されないとするものです。

判例としては、営業成績が悪く賃金を減額されたタクシー運転手に対して、反省、是正がみられないとして解雇した事件で、過去に懲戒処分の対象となった行為について、反省がみられないという理由だけで懲戒することはできない。
具体的には、過去に出勤停止等の処分を受けたにもかかわらず新たに出勤停止の事由となるような非違行為を起こし、もはや改悛の見込みがないと認められる場合に、あらたに犯した非違行為に対してより重い処分である諭旨解雇、懲戒解雇とするのが相当としたものがあります。(東京地裁決定平成10.2.6平和自動車交通事件)
この会社の就業規則では、
「従業員が譴責、減給、降格、乗務停止又は出勤停止の処分を受けたにもかかわらず改悛の見込みがないときは諭旨解雇、又は懲戒解雇とする」と定めていたため、この規定により処分したものですが、裁判では、この規定は一事不再理の法理に違反するとされたものです。

さて、前述のお相撲さんの件ですが、今回出場停止処分を受けたわけですが、それに付随してさらに番付が下がるということは、出勤停止処分を受け、同一の事犯でさらに降格処分となるというのといっしょで、一事不再理の法理に反するのではないかと思うのです。
まあ、今、相撲協会には外部から元検事だの弁護士だの法律の専門家が入っていますから、法理を犯すようなことはしないでしょうから、これについては何か私とは違う考え方があるのでしょう。
番付の降格というのは、処分ではなく今場所の結果について出されるものという考え方もできますものね。
実は、私の所属する研究会のメンバーに「相撲命」というような会員がいて、相撲にはあまり興味のなかった私ですが、こういうニュースには何となく耳を傾けてしまう今日この頃なのでした。

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