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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる16年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

年金改革は社会制度全般の見直しが必要

私はかねてより年金制度改革というのは、結局社会制度全般を見て場合によっては国民の意識改革もなければできないだろうと思っていました。
それは私だけではなく、多くの方も感じていることだと思いますが、昨日、社会保障審議会の年金部会の委員をしていらっしゃる方の講演を拝聴する機会があり、その方もやはりそうおっしゃっていました。
その講演は、私の所属する社労士会の私の所属する支部ではなくいわば隣接する支部の公開講演会という形で拝聴したものです。
その支部は、年に一度必ず公開講演会を開催して他支部の会員にも参加を呼びかけます。私も地域的に近いということもあり、また、他支部の雰囲気なども垣間見えるところが面白くて、毎年参加してきました。
特に、昨日は年金制度改革についてだったので、普段労働法に偏りがちな頭脳に年金のことも取り込もうと参加させていただいたというわけです。

よくスウェーデンと比較される年金制度ですが、スウェーデンの方式をそのまま持ってきても社会制度全般から人々の意識も全く違うので、うまくいかないだろうというお話がありました。
スウェーデンの年金制度は主として所得比例年金で、所得に応じて一定率の保険料を納め、納めた額に応じた年金を受け取ります。
所得が低く年金額が少ない場合には保障年金を加え、誰でも必ず一定の額の年金は受け取れることになっています。
所得比例年金にすると、どうしても所得の低い人は不利になるわけで、女性、非正規雇用者などの社会のある一定の層が年金額が少なくなってしまうおそれがあります。
しかし、スウェーデンでは男女同一賃金がほぼ達成できていることや、そもそも育児を女性だけが担うという発想は全くないそうですが、もし育児のため仕事を休んだ場合などは、保険料を国が肩代わりするシステムができているため、女性が不利になるという心配はないそうです。
また、労働組合の組織率が93%あり、日本のように正規、非正規雇用の格差などはないため総じて賃金格差も少ないということで、ここでも所得比例にしても極端に不利になる人はいないという構図があるようです。

私がちょっと意外だなと思ったことは、スウェーデンの出生率は今1.8ぐらいで日本より高いのですが、それは移民が多いためであり、高齢化率も最高になっても23%ぐらいで、これは現在の日本の水準と同じで、これからどんどん高くなる日本とはそういう事情も違っているということです。
また、OECD加盟国の中で移民を受け容れていないのは日本と韓国で、どちらも深刻な出生率の低下に悩んでいるという指摘がへぇーと思いました。
講師の方は、移民を受け容れないということもあるかもしれないが、それだけ外から見て魅力のない国なのかもしれませんねとおっしゃったので、うーん、そうなのかな、もし受け容れれば来たい人はいるんじゃないかなとも思うのですが、そのあたりのことは私もよくわかりません。

その他にはカナダ、イギリスの制度などについて簡単に話してくださいました。
いずれにしても、年金制度改革は容易なことではなく民主党も最近はかなりトーンダウンしていて、いつになったらできるのかは不明だけれど、今後の進展に注目しましょうというのがまとめでした。
さて、終わった後は他支部の先輩と後輩(といっても登録が私より後なだけでこの業界では先輩)と居酒屋へ。
先輩から話があるとお誘いを受けたからですが、ある壮大?な計画を打ち明けられ、あることをいっしょにすることになりました。
今は、「あること」としか言えませんが、私にとってはなかなか面白そうなことです。
というわけで、「もう年なんだから、いい加減にしなよ」という内なる自分の声を聞きつつ、またまたほろ酔い加減での帰宅となりました。

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