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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

喫煙者に吹く逆風

職場における喫煙の問題などについてはいくつか過去記事にしました。(参照)
私も家族もタバコを吸わないので、タバコの値上げなどそれほど関心がありませんが、喫煙する人は買いだめをしたりして大変なようですね。
健康増進法に受動喫煙防止の努力義務が課せられてから、全面禁煙の施設が増えましたし、職場でも分煙制を進め、さらに休憩時間以外喫煙禁止としている会社も増えているようです。
受動喫煙の害が科学的に証明されていますし一部に過敏症の人たちもいるので、このような流れは、愛煙家にはちょっと気の毒かなとも思いますが当然だと思います。
会社が分煙制ではなく全面禁煙となっていた場合、喫煙する人は会社外に出るしかなくなります。
このときに、喫煙のために外出することは仕事をしていないことになるのだから、就業時間中は困る。休憩時間中以外喫煙外出は禁止。さらに、就業時間が過ぎて残業時間帯となった場合も外出禁止。
これってどうなんでしょう。
というのが、私の所属する研究会のメーリングリストで問題提起されました。

私を含めて何人かの会員から情報や意見が出ましたが、残業時間帯とはいえ労働時間に変わりはなく、そのための対価として割増賃金を受けているわけですから、就業規則等できちんと決めて外出禁止としてもいいのではないかという意見。
喫煙している時間を労働していないと考え、健康被害なども考慮すると年間50万円ぐらいの損失になるという説があるとの情報。
大手製薬会社では来年6月から就業時間内全面禁煙として、タバコを吸わない職場を目指すとの報道があったとの情報。
「喫煙者は雇用しない。喫煙したら即時解雇」との契約で雇用していた会社が喫煙した社員を解雇したところ、解雇権濫用の判決が出たとの情報。
等、私の知ってるもの知らないもの、いろいろありました。
どちらかというと喫煙者には分が悪いかなという印象です。

過去記事にもしましたが、以前私が喫煙時間を労働時間と考えるか休憩時間と考えるか、どっち?というような原稿を出したとき、
「喫煙しながら仕事の段取りを考えたり、アイディアをひねり出したりしている場合もあり、労働時間性を否定できない。ただ机の前に座っていてもボーっとしている人はいる」などの意見が出ました。
過去記事の中で紹介した大阪高裁の判例でも、完全に労働から解放されていないので喫煙時間は「手待ち時間=労働時間」としています。
ですから、もし、会社の外に出て行って喫煙していてもそれは労働時間の一部として評価できるということになると、就業時間中の喫煙外出禁止というのは根底から覆されることになります。

長い間社会で受容されてきたという歴史のある喫煙ですが、昨今の風潮としては喫煙というのはニコチン依存症という病気であり治した方がよい。何よりも吸わない人にも迷惑がかかるということがあり、今後職場での喫煙者への逆風は益々強まっていくと思います。
私としては、今まで容認していたことを急にだめだと会社が一方的にごり押しするような決め方には賛成できません。
労使でよく話し合うことが大切だと思います。
就業時間以後も喫煙のための外出をするなとなると、お昼休み以降喫煙できないことになり、愛煙家社員にとっては相当辛いのではないでしょうか。
所定労働時間が終わり、残業時間に入る前に10分ほどの休憩を全社でとるなどして、リフレッシュしてから残業にとりかかるというのも一考ではないかなと思います。
喫煙時間は働いていないと断定することにより、トイレの時間は?雑談の時間は?ちょこっと飲み物やお茶を飲んでいる時間は?という話になり、がんじがらめの働きにくい職場になる恐れも出てくるのではないかと思います。


健康被害のあるタバコについて、会社が健康増進法や労働契約法にある安全配慮義務の観点から厳しく対処するのは良いことだと思いますが、喫煙が「病気」だとするとそこに同情の余地があります。
喫煙者の採用を受け容れている以上、裁量権の濫用にならないように喫煙者にも一定の配慮をするべきなのではないかなと思います。

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