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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

今後増加する?アスベスト被害

先週土曜日に、所属する支部の定例会で支部の会員のひとりが、肺がんで亡くなった親族について、石綿(以下アスベスト)を吸ったことによる肺がんだとして労災請求して認められた経験談をお話になりました。
毎月出ている全国社会保険労務士会の会報にも寄稿されていて、私も興味深く拝見しました。
アスベストは天然の鉱物繊維で、耐熱性、電気絶縁性、保温性などがあり、しかも安価なため、日本も含めて世界各国で建設資材、自動車部品、道路舗装、電気製品など幅広く使用されてきました。
しかし、一方で非常に細かい繊維のため肺に吸いむことにより肺に突き刺さり、約30年ぐらいの潜伏期間の後中皮腫など悪性の肺がんを引き起こすことがわかっています。
WHO(世界保健機構)でも発ガン性物質としています。
ドイツでは第二次大戦前に既に健康被害が問題となったいたそうですが、日本での対応は1975年に吹きつけアスベストが禁止されたものの、原則全面禁止となったのは今世紀に入ってからです。

その後、実際に作業に携わった作業員だけではなく、アスベストを使用した建材を製造していた工場周辺の住民にも健康被害が出て、大きな社会問題となりました。
アスベストによる健康被害の救済をするために、2007年4月からは労災保険料を徴収する際に、1年間に支払った総賃金の1000分の0.05を事業主から徴収しています。

前述の会員の場合、親族が原因不明の肺がんと診断され亡くなったときに、労働者として、また、その後は独立した事業者として長く建設業に携わっていたため、アスベスト被害ではないかと思い立ち、診療情報開示請求により診療録やCT画像などを入手し、数人の医療関係者の意見を求めるなどして、約1年かけて労災請求の準備をしたそうです。
社労士だったからピンときたのだと思いますが、この会員の場合も亡くなった本人はアスベスト被害のことを話しても気にする様子がなかったと言いますから、現場にいる方は案外無頓着の場合があるのかもしれません。
資料をしっかりそろえていたことと、厚生年金加入記録などによりアスベスト被害を受けるような職場にいたことが証明されたため、労災の遺族補償が認められたそうです。
労災の場合、亡くなると遺族補償年金の他に300万円の遺族特別支給金もありますし、死亡時に遡って支給されますから認められると認められないとでは大違いです。

アスベスト被害の多い職場は、造船業、建設業、石綿製品製造業、断熱保温作業、配管作業、電気工事業、運輸、運搬、自動車製造、倉庫内作業など、多岐に渡っています。
厚生労働省のHPには「アスベスト(石綿)についてQ&A」というサイト(
参照)があります。
そこにもあるのですが、「中皮腫」というような明らかにアスベストが原因の健康被害だと診断されても、そういう仕事をしていたということが証明できないと労災と認めてもらえません。しかし、労働基準監督署に相談することにより、解決できる場合もあるというようなことも書かれていますので、まずは、最寄の労働基準監督署に相談されるのがよいでしょう。
そのサイトによると、アスベストをどのぐらい浴びたからどうなるというようなことはまだわかっていないそうです。
長い潜伏期間を経て、今後被害を訴える人が増える可能性もあり、社労士としては心に留めておくべき問題だと思います。

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