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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

じんわりする映画「クレアモントホテル」

師走というのは何かとあわただしいものですが、昨日、久しぶりに岩波ホールへ行って映画を観てきました。
岩波ホールは、ミニシアターの草分け的存在で、商業ベースにのらないような良質な作品を提供する映画館で、私も過去に米英だけではなく、東欧、中欧、アジア、中東などの良い作品をこの映画館で観ることができました。
劇場そのものはいささか古くなって、傾斜がゆるいため前に背の高い人が来ると見にくいとか、音響装置がそれほどよくないとか、不満はあるのですが、作品の質は一定レベル以上のものが多く、損した気分になったことはないので、ここでやる映画はあたりはずれがありません。
昨日観た「クレアモントホテル」も見終わった後で、じんわりとした気持ちになる良い映画でした。

ロンドンの小さなホテル「クレアモントホテル」にやってきた老婦人、サラ・パルフリー夫人。
映画では特に年齢ははっきりしませんが、70台半ばから80前後ぐらいの設定でしょうか。
若くして夫を亡くし(映画に出てくる夫の遺影から推察すると30代~40前後で亡くなったらしい)、娘を育て上げ、今は成長した孫もいるサラですが、「親を保護するのが娘の務め」というような娘から「自立」しようと、ホテルに長期滞在することにします。
ホテルには、孤独な老人たちがやはり長期滞在しています。
最初はなかなかなじめないサラ。
「自立」と「孤独」はセットなのだということを思い知るサラですが、ロンドンにいるはずの孫に連絡しても留守電で、彼からの連絡もありません。

ある日、道路で転んだときに親切に介抱してくれた心優しい青年と知り合います。
彼は作家志望で、定職につかずストリートミュージシャンとして細々と生計をたてています。
ホテルにいる他の客の勘違いがもとで、青年はサラの孫として振舞うようになるのですが、本当の祖母と孫のような暖かい交流が生まれ・・・。

何か劇的な事件が起こるわけでもなく、老婦人とその回りの人々の日常が淡々と描かれていくのですが、見終わった後、じわーっと涙が浮かんでくるような映画です。
滞在客の一人であるおじいちゃんから思いも寄らないプロポーズを受けたサラが、
「私は誰かさんの娘、誰かさんの妻、誰かさんの母親でずっと生きてきて、今「私」になったのよ。お友達としてお付き合いするのなら喜んでお付き合いするけれど、プロポーズはお断りだわ」と、決然と言うシーン、
青年の彼女に「運命って信じる?」
と問われ、
「ええ、信じるわ。でも運命はきっかけに過ぎない。自分で道を切り開いて生きていくものよ。それには一瞬、一瞬を大事にしないとね」
と語るシーンなど、印象的なシーンがいくつかあります。

若い二人に、亡き夫との青春時代から結婚生活の思い出を話すサラですが、こういう「人生で何が幸せなのか」を若い人に語るのはとても大事なことなんではないかと思い至りました。
愛し、愛されることの幸せ、人と共感して寄り添うことの幸せ、人生で大事なのは金儲けなんかではないということを、私たち中高年は若い人に伝えていくべきなんだろうなと、そんなことも感じました。

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