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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

どうなる今年の年金改革

報道によると、今年の年金改革は共済年金の厚生年金への合流と、パートの厚生年金加入が焦点となるようです。


前者については2010年に厚生年金に一本化するという法案が今年の通常国会に提出される見込みです。ただ、共済年金という名前は消えても各共済組織は存続したまま、独自の積立金を持ち続けるとのことです。官民格差をなくすため「職域加算」などは廃止されますが、対象者はこれから社会に出る人で、OBや現役は依然格差を残したままで、相変わらず既得権益に切り込む予定はなさそうです。


後者のパートの厚生年金加入に対しても、経営者のみならず労働者の間でも、利害関係が対立するため調整が難航しそうということのようです。

例えば、月10万円稼ぐパートの人を例に考えてみましょう。


夫(妻)の被扶養配偶者となっている第3号被保険者の場合、現在は月30時間(普通の労働者の概ね4分の3以下の労働時間)以下なら、厚生年金に加入しないでいいことになりますから、厚生年金保険料は0円です。健康保険も夫に扶養されているということで0円です。それでも基礎年金はしっかり受け取ることができます。


それが、時間制限が小さくなるなどして(20時間等)厚生年金と健康保険に加入するとなると、年金保険料が約7,100円(保険料率1000分の146.42を労使折半、平成19年8月までの料率)、健康保険料約4,100円(政府管掌健保の場合1000分の82を労使折半、組合健保の場合は組合により定める)、合計で約11,000円給料から差し引かれることになります。


厚生年金に加入すれば基礎年金の他に報酬に比例して厚生年金が上乗せされますから、確実に年金額は増えるのですが、50代以上の方ですと、それほど大きく増えないので、今現在の手取り額が多い方がいいと考える方も多いようです。


3号被保険者ではなく、1号被保険者になっている方、独身の若い方などですが、現在は自分で国民年金保険料を負担していますから、月13,860円(平成18年度の額)と国民健康保険料(各自治体によって違う)を負担しています。年金保険料の方は前述の計算により確実に安くなりますし、将来の給付額も増えますので、長期的には得になるはずです。健康保険料も国民健康保険より著しく高くなるということはないはずです。


現在、国民年金保険料を滞納している方は、負担が増えることになりますが、月10万円、年収120万円ということになりますと、扶養親族の有無や配偶者の有無、年齢などにもよりますが、十分免除対象になりますので、市役所等に相談していただきたいと思います。とりあえず前述のように、給料天引きで11,000円ひかれてしまいますが、滞納がない分確実に年金給付につながりますので、将来的にはプラスだと思います。


以上のように同じパートでもその人により事情が変わりますが、労働者側からみれば、多少の負担が増えても将来の年金のことを考えれば、厚生年金に加入するのは悪いことではないと思います。


企業側にとっては、一挙に負担が増すわけですから、簡単にOKというわけにはいかないのでしょう。ただ、優秀なパートを抱え込みたいという思惑のある企業もあるようで、ある大手スーパーなどではパートの厚生年金加入を積極的に進めているそうです。


と、いろいろ考えてみますが、やはり今の年金制度は「つぎはぎだらけの古着」という印象がぬぐえません。ほころびが見えるたびにつぎをあてていますが、もう、もとの洋服そのものの生地がすりきれているのではないでしょうか。そんな洋服誰も着たいとは思わないでしょう。


私見では、「世代間扶養」という制度そのものが成立しなくなっていると思います。少子高齢化の進展により年金受給世代に比べ、若い世代の不公平感は非常に強いし、制度に対する不信感も大きいと思います。


やはり、基礎年金部分は全額税負担にして誰にでも一定額の年金を保障した上で、パート、正社員に関係なく給与所得の一定割合を積み立てて、自分の年金を自分で確保するという方式に変えるべきではないかと思います。もちろん企業には社会的責任として儲けを社会に還元するという意味でも労働者についての年金保険料の一定割合は負担してもらうべきだと思います。


年金改革は各世代により利害が対立しますから、非常に難しいことだと思います。なかなか「ガラガラポン」するわけにはいかないでしょうが、決断の時は迫っていると思います。

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