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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

出張のための移動時間は労働時間?

一昨日、私の所属する研究会の会員の方から、「移動時間は労働時間でないという通達を教えて」とのメールがありました。
はて、何ですと?
逆の場合、すなわち「移動時間は労働時間である」という通達については、すぐ思い浮かぶんですがね。ちなみに、それは、介護事業などに関与している登録ヘルパーさんなどが、在宅介護の家から家へと移動する時間は労働時間である。という通達で、(「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」平成16年8月27日基発0827001号)昨年、ある介護事業所の就業規則を作成したときに勉強したものです。
その逆のこととは、何かなと、あれこれ検索した結果、どうやら、休日に出張先に行く移動時間についての考え方のようで、通達の年月日、番号などもわかったので、厚生労働省のデータベースで検索したのですが出てきませんでした。
多分、全てが掲載されているわけではないんですね。きっと。

というわけで、あれこれ検索してもなかなか原文にお目にかかれません。
こういうときに「通達集」みたいなものがあるといいなあと思うのですが、もともと通達というのは行政解釈についての内部文書のようなものですから、外に出すようなものでもないんでしょうか。
手持ちの関連書籍を片っ端から調べましたが出てません。
弁護士や社労士の個人のサイトがいくつかこの通達を取り上げていたのですが、私は、個人サイトというのは参考にはしますが、100%までは信用しないことにしているので、検索を続け、ようやくある県の労働問題を解説しているサイトでこの通達について知ることができました。

例えば、月曜日に遠方の取引先に行かなければならない場合など、日曜日に移動する場合がありますが、そのような場合にこの移動時間がもし労働時間とすると、休日労働になり(日曜日が法定休日の場合)休日割増賃金が発生します。
また、日帰り出張などで帰りが通常勤務の場合より遅い時間になる場合もあり、その場合に残業扱いとなるのかという問題になります。
しかし、通達では、単なる移動だけの場合には、その時間は使用者の指揮命令下になく、労働者の自由が保障されているのだから、通常の通勤時間と同じように考え、賃金は発生しないとする考え方を示しています。
確かに、電車に乗ってのんびり雑誌を読んだり、場合によっては缶ビール飲みながらお弁当も食べられますよね。
但し、業務として書類や物品を先方に届けるなどの場合は、これらのものの管理をしますから、労働時間と考える、当日中に何かすべき業務を与えられているなどの場合には、労働時間と考えるということのようです。
何分、原文がないので、そのように考えるらしいとしか言えないのですが。

これは、暗黙の了解なども含めて「使用者の指揮命令下」にあり、労働者が自由に利用することのできない時間が労働時間であるとする考え方に照らせば、まあ、そうなのかなと納得できますが、業務のために移動するのだから、その時間は労働時間と考えられなくもないし、実際にそういう学説もあるようです。
裁判例としては、「出張中の往復に費やす時間は、日常出勤に費やす時間と同一性質であると考えらるから、労働時間には算入されず、時間外の労働の問題は起こりえないと解するのが相当」(日本工業検査事件・横浜地裁判川崎支昭和49.1.26)があり、通達と同じような考え方を示しています。

トラブルを防ぐためには、出張中の賃金や労働時間について就業規則などで規定しておくのがよいでしょう。
私が昨年、就業規則の見直しをしたある会社は、出張が多いそうで国内出張規程と海外出張規程があり、距離と社内の職位により日当が細かく決められていて、接待に使った費用や通信費なども細かく規定されていて、その部分については私の方が勉強させていただきました。
何事もルールを明確にするというのが大事なのだと思います。

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