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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

出張のための移動時間は労働時間?(2)

先週21日の記事で標題について書きましたが、ふと思い出したことがあります。
労災補償をする場合に、出張中は移動時間も含めて業務災害と考えるという通達があったということです。
労災(労働者災害補償保険)とは、業務中の事故や業務が原因の疾病についての労働者に対する補償ですが、通勤中の事故などについてもほとんど同様の補償が得られるようにはなっています。
但し、通勤中の事故については、事業主の管理下ではありませんから、事業主には責任がありませんが、業務に起因する疾病などについては事業主に補償責任があるというところが大きな違いです。
ですから、業務災害の場合は、労災保険ではカバーしきれない部分の損害があれば、労働者側は事業主に損害賠償などを請求できることになります。
この補償責任については労働基準法で規定がありますが、休業補償や遺族補償などを事業主個人で負うのは大変ですし、もし、補償されない場合に困るのは労働者ですから、労働者災害補償保険法があり、法律にのっとって国が管掌して事業主が保険料を納めています。

対象者は雇用されて働く全ての労働者で、アルバイト、パートなど雇用形態には関係ありません。派遣社員は派遣元会社に雇われていますから、支給については派遣元会社を通じて手続することになりますが、派遣先事業主にもそういう事故等があったことについての届出の義務は生じます。

さて、出張中の移動時間について、先日記事にしたのは月曜日に遠方の取引先に行くような場合に、前日の休日である日曜日に移動した場合に、この移動時間は休日出勤となるのか、すなわち労働時間として算定されるのかということについての問題でした。
記事にも書いたように、純然たる移動時間であれば、それは使用者の指揮命令下にはなく、労働者に自由裁量がある時間と考え、通勤時間と同質のものだから労働時間ではないとしてよいという行政解釈があります。しかし、品物を運んだりする特別の業務がある場合は、労働時間と考えるということでした。
労災関係の通達では、「自宅から出張に赴いて直接自宅に帰る慣行があるときは、自宅を出てから帰るまでが出張とされ、私的行為中の事故を除き、業務災害である。」(昭和24年基収3001)というのがあります。
また、出張当日、直接出張先に行くために自宅から自転車で最寄り駅に行く途中に事故死した事件で、業務災害として認めています。
これらの時間が労働時間ではないのだったら、業務災害とは認められないはずで、ちょっと解釈にくい違いがあるように感じます。

労働者側にとって有利になるような考え方ですから、それでよいと思うのですが、どうもしっくりこないなあ、それなら、出張のために使う時間は移動時間も含めて全て業務=労働時間とした方が、わかりやすいように思うのですが、行政解釈というのは、だいたい裁判例を参考にしていることが多いのですが、たまに納得いかないこともあります。
現実にこのような事例に関与したわけではないのですが、つきつめて考えていくと結構難しいなあと思うのでした。

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