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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

医療保険における費用対効果

一昨日だったと思いますが、NHKのクローズアップ現代で医療保険の「費用対効果」についてが語られていて、興味深く見ました。
私も過去記事に書いたことがありますが(参照)、少子高齢化の進展により医療費も増える一方で、そろそろ医療保険全般のあり方について見直す時期が来たのだと思います。
国民健康保険法の制定は昭和33年ですから、そこから「国民皆保険」制度がスタートしたと考えてよいでしょう。
会社員などが加入する健康保険については、健康保険法の制定が大正11年ですから、ずっと歴史があることになりますが、国民健康保険制度により、全ての国民が何らかの医療保険に加入して、ほぼ同レベルの治療が受けられる体制が整ったわけです。(現実には地域格差、病院のスキルの問題などいろいろな格差がありますが)

番組では、不治の病気と言われたある病気が新薬のお陰で、ほぼ通常の暮らしができるまで回復することになったけれど、その薬をずっと飲み続けなければならず、それは1錠3,000円もするので、患者にとって経済的負担が大きいという話を冒頭でしていました。
保険が利くので高額療養費制度(
参照)により一定額以下の負担ですみますが、国保加入者の場合は収入が不安定な自営業者なども多く、収入が多いときはまだよいのですが、少なくなったときなどに、この高価な薬を一生飲み続けることが難しいと考える人も出てきます。
実際、そのような状況になり薬をしばらく休んだために重症化して、既に薬も効かなくなり亡くなってしまった50代の人の例などが紹介されていました。
新薬というのは開発費が非常にかかるので、この値段はやむを得ないということです。
本人負担もさることながら、医療保険全体にかかる負担も大変です。

続いて、「ゆりかごから墓場まで」社会保障の先駆的国であるイギリスのことが紹介されていました。
最近、費用対効果のデータを集める作業を進めて、一定水準の効果があった治療だけを保険適用と認めるという医療改革を進めているそうです。
例えば、前述の薬については患者負担は0ということで、経済的心配がなく治療を続けることができるそうです。
効果がはっきりしている治療については積極的に患者を支援するということでしょうか。
逆にアルツハイマー病の治療薬などは、中期の患者のみに効果があるということで、初期や後期の人には薬を使っても保険の適用はしない、インフルエンザ治療薬のタミフルなども自己負担になるということです。

もちろん、批判もありますが、限られた医療費を賢く使うためには一定水準の効果があったものを厳選する必要があるという立場をとっているようです。
このような考え方をする国は、フランス、ドイツ、カナダ、スウェーデンなど、高齢化により医療費の増大に苦労している国を中心に広まっているそうです。
アメリカ、オレゴン州なども、病気に優先順位をつけて、重い病気を中心に支援をして、軽いかぜなどは逆に自己負担を大きくしているということでした。

気軽に病院に行けなくなると、病気が重症化してしまうのではないかなどという考え方もあるでしょうが、それらは、専門家によく検証してもらって、限られた医療費をどう使うか、国民的なコンセンサスを作る必要があると思います。
消費税などを上げて補充すればいいやという考え方は、あまりにも安易で知恵がないのではないかと思います。

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