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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(21)監督機関に関する申告

昨日、新聞の労働欄の片隅にあった投書ですが、従業員13名の小さな運送会社で働いているが、1日15時間働くこともしばしばで、休みは日曜日だけ。
大手の下請け仕事なので仕方がないのかな、小さな会社には労働基準法なんて無縁なんですね。という内容で、「労働基準法なんて・・・」と見出しがありました。
トラックやタクシーなど自動車の運転業務については、特殊な業務として「自動車運転者の労働時間改善のための基準」(
参照)が出ていて、拘束時間、休息時間などの考え方で「1日8時間、1週40時間」の枠から外れる場合も多くあります。
しかし、業界全体が長時間労働が恒常化しているようで、関与している社労士などに聞くと、この基準がなかなか守られていないというのが現状のようです。
運送業に限らず、自分の働いている会社が労働基準法を守っていない場合、そこで働く労働者はそれについて行政官庁に申告することができます。(労働基準法第104条)(注1.)

[注1.]労働基準法第104条 事業場に、この法律又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
2.使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

行政官庁とは事業所のある最寄の労働基準監督署(参照)です。
監督署には労働基準監督官という事業所に対する調査権限を与えられた公務員がいて、労働者の申告を聞いてくれます。
労働基準監督署にいる人全てが監督官ではありませんから、申告する場合は、直接監督官に話をしたいとはっきり言った方がよいでしょう。
労働基準監督官は、労働者から申告があると事実を確認するために、事業所に出向いたり事業主を呼び出したりして調査を行います。
違反があれば、是正勧告をしたり指導したりして、違反状態を直すという役割があります。
以前、労働基準監督官をしていた方が書いた本を読んだことがありますが、申告があった場合、労働者に不利益が及ばないように、申告があったとは言わず、臨時の検査をしますというような言い方をする場合も多いそうです。
小規模な事業所ですと、労働基準法で定められている労働者名簿や賃金台帳などをちゃんと整備していない場合もあり、そんなところも是正指導を受ける場合があります。

私も相談を受けて「是正勧告書」の現物を2度ほど見たことがあります。
労働基準法の該当条項が「労基法第〇条第〇項」などと書いてあり、その横に違反内容が書かれていて、さらに、それをいつまでに是正するようにということが一覧表になって手書きで書かれていました。
労働者が申告すれば、監督官は必ず何らかの調査を行った上で指導や勧告を行いますから、事業主としてはそれに従わざるを得ず、労働条件は改善されると思います。

労基法104条では第2項で、申告を行ったことを理由に解雇その他不利益な取扱をしてはならないとも規定されていますから、職場で犯人探しのようなことをして不利益な取扱をすることも禁止されていますが、別の理由をくっつけて不利益な取扱をする場合もあるでしょうから、労働者としてはなかなか申告しずらいかもしれません。
監督官もそのあたりのことは承知しているはずですから、あまりにも目にあまるような場合は、やはり労働者の権利として申告をすることもありだろうと思います。

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