FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「運用3号」問題はパンドラの箱?

最近、社労士会の内部では「運用3号」問題というのが話題になり、どちらかというと批判的な社労士が多いように感じます。
「運用3号」とは、2号被保険者だった配偶者が退職して国民年金の第1号被保険者となったときに、妻(夫)も第1号被保険者としての届出をして、保険料を支払わなければならないのですが、そういうことを知らなかったために届出をせず滞納扱いとなり、無年金又は低年金となる人がいるため、そういう人の救済措置として考えられたことです。
届出をしていなかった期間について、2年間分の保険料を遡って支払うことにより、3号被保険者とみなすとする措置で、当ブログでも今年の初めに記事にしましたので、内容についてはそちらを見ていただきたいと思います(
参照)。
それについて、社労士会では日本年金機構から年金事務所等で実際に相談を受ける人向けに出した文書を、会員専用ページで公開しています。
実に58ページにも及ぶPDFファイルで印刷する気力もなくざっと読んだだけです。
真面目に支払った人と同じにするのは不公平だとか、届出を怠った本人にも責任があるという意見があることは十分承知の上での措置だそうです。

それは、3号制度がスタートしたのは昭和61年ですが、その後本格的に周知活動をしたのは平成10年であること、その後平成17年からは届出が遅れても遡ってずっと3号被保険者とするという扱いをするようになったのですが、3号から1号になった人に対する周知啓発活動を行ってこなかった。
旧社会保険庁時代にそのような問題があることを把握して、組織的な活動をすることを怠ってきたことなどを理由として挙げています。
しかし、複雑な年金制度についてどういう問題があるか把握して、組織的な活動をすることを怠ったのは3号問題だけではありません。

例えば、①免除制度があることを知らず滞納扱いになる、結果として無年金、低年金になる、②25年に1箇月でも足りなければ年金は1円ももらえないということを知らず無年金になる、③退職した後でも在職中に初診日がある傷病がもとで、障害等級に該当する障害になったときに、もう退職しているからと手続をせずに、障害年金をもらいそこねる。
①の場合、万が一障害状態になったとしても、免除申請していれば滞納扱いとはなりませんが、申請しなければ滞納扱いで納付要件を満たせなくなるおそれもあります。
②の場合、65歳までは任意に加入して納付要件を満たすことができるし、それでも満たせない場合は、70歳まで任意加入できます。(昭和40年4月1日以前生まれの人に適用)
それにより、受給資格を得ることができるのです。
③の場合、厚生年金の場合、国民年金にはない3級というのがありますから、それに該当すると、国民年金の1級、2級よりも多少軽い障害の場合でも、年金がもらえる可能性があるわけです。

ざっと書いているだけでもややこしいのですが、旧社会保険庁のアナウンスが足りないために不利益をこうむっている人というのは、結構いるのではないかと想像されるわけです。
何故、3号被保険者には甘いのか。
数が多いということもあるし、旧社会保険庁の年金のモデルケースが、常に働く夫と専業主婦の妻となっていたのが関係しているのでしょうか。
年金制度の様々なことについてアナウンスを怠ってきたつけは誰が払うのか?
「運用3号」では、結局まじめに保険料を支払っている被保険者の保険料が将来使われることになるのでしょうか。
3号だけ優遇されるのはおかしいという話がきっと出てくるでしょう。それでなくても、保険料を支払わないのに満額の基礎年金(40年被保険者だった場合)を支給するのはおかしいという議論があるのですから。
長らく「請求主義」としていたことを自ら覆すわけですから、何となく、この問題はパンドラの箱のふたを開けたかなと思うのは私だけでしょうか。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する