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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

ごり押し?法案提出「ホワイトカラー・エグゼンプション」

当ブログで12月12日に関連の記事にしましたが、(参照) 厚生労働大臣は一定以上年収のあるホワイトカラーについて労働時間の制限をなくし、残業代を支払わないですむように労働基準法の改正案を今年の通常国会に提出するそうです。


テレビで大臣の記者会見を見ましたが、「企画立案にたずさわるようなホワイトカラーの人には、労働時間の制限がない方が仕事の質にあっている、総時間数ではなく内容で仕事の評価をするべきだ」というようなことを語っていました。労働者の福祉や健康を守るべき立場の大臣が、企業経営者と見まがうような発言をしていたことに違和感を覚えました。何故、与党内にも慎重論があるとわかっていながら、そこまで、「ホワイトカラー・エグゼンプション」などというカタカナ語を使わなければならないような制度を押し進めようとするのでしょうか。ちょっと腑に落ちません。

報道によると、安倍首相も「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入は労働時間短縮につながり、出生率増加に役立つと述べたそうです。本気でそう思っているとしたら現状認識という点で少し誤りがあるのではないかと思います。連合などが主張するように「サービス残業」を容認するだけというのが妥当な考え方ではないでしょうか。


そもそも何故1日8時間、週40時間労働が法制化されたのでしょうか。また、8時間という時間は妥当でしょうか。それとも長い?短い?


どう頑張ったところで1日は24時間しかありません。そのうち睡眠時間は個人差があるでしょうが、6~7時間は確保したいところですよね。その他に食事やそれに伴う支度時間、入浴や身の回りの家事等必要な時間は最低でも3~4時間、は必要ですよね。すると残りは14時間、通勤に往復2時間として、12時間しか残りません。8時間の仕事に伴う拘束時間を除くと4時間の残りです。それで、趣味や勉強や友人や家族との余暇や前述の時間で足りなかった家事などを行うわけです。


そう考えると、1日8時間の労働時間というのは、人生をそこそこ楽しく生きられる妥当な時間ではないかと思えてきます。だらだら居残っているだけの「残業」や無駄な会議の時間などはなくすべきでしょうが、人件費の節約に必死になっている昨今、そんなことをしている企業はないでしょう。むしろ必要最低限の社員数でやりくりするために、以前よりも1人1人の社員には過重な労働が押し付けられているというのが普通ではないでしょうか。


この法案の具体的な中身がわからないのでなんとも言えませんが、最初は年収とともに職種を限るなどするのでしょう。でも、派遣法がそうであったように(注1)どんどん、なし崩し的に職種も拡大され、労働者の福祉を守るという労働基準法の精神すら破壊されてしまうのではないかと心配です。


注1 派遣法では最初製造業については禁止職種だったが、平成15年から解禁になり製造現場で非正規雇用者の増大を招く原因の一つとなった。また、医業についても禁止されていたが、紹介予定派遣という派遣労働者を特定する形式ならよいことになった。そもそも派遣とは労働力の提供であって、特定の労働者の派遣ではないはずなのに、紹介予定派遣という制度を認め、労働者の特定まですることができるようになった。


政府が数にものを言わせて法案を無理やり通すことのないように、十分な議論をしてほしいと思います。

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コメント


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なし崩しは自民党の得意技

まったく仰るとおりだと思います。現状を見ないで資本家の空論を鵜呑みにし、国民のためを思ってやってるんだぜ、というポーズをとってきたのが戦後の自民党でした。
幸いなことに、自民党内にも慎重論を唱える議員もおり、公明党も反対しているので今すぐということにはならないかもしれませんが、狡猾な権力者のこと、どんな手を使ってくるかわかりませんから、しっかり監視する必要があると思います。
昨年ようやく社労士試験に合格し、これから頑張ろうと思っているときに年金問題やこのホワイトカラー・エグゼンプションのことを考えると、誰のために資格を活かしていくべきなのか、暗澹たる思いがしてきます。

中高年社労士の卵 | URL | 2007年01月09日(Tue)16:07 [EDIT]


希望を持って前に進みましょう!

中高年社労士の卵さん
はじめまして。
コメントありがとうございます。

自民党が多数派なのは国民の選択でもあるので、私はもう少し強い野党が出てほしいなと思います。
せっかく取得なさった社労士の資格、暗澹たる思いなどとおつしゃらずに是非これからの人生に活かしていただきたいと思います。

中高年社労士の卵さんの知識と情報を必要としている方がきっといらっしゃいます。希望を持って、ごいっしょに少しでも前に進みましょう。
これからもよろしくお願いします。

おばさん社労士 | URL | 2007年01月09日(Tue)21:09 [EDIT]