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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

停電による休業と休業手当

今週の当ブログを振り返ると、社労士らしいことは何も書いてなくて、「おばさん社労士」からすっぽり社労士が抜けていますので、今日は、連休に入る前でもありますから、本業に関係のあることを書きたいと思います。
今回の計画停電により事業が不能となり休業を余儀なくされた会社もあることと思います。
労働基準法第26条では労働者側の事情とは関係なく、会社の都合により休業した場合には、平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければならないと定めています。(
過去記事参照)
しかし、会社に責任のない天災などが原因の場合は支払い義務はないとされます。
今回の停電についての休業手当についても、3月15日に厚生労働省労働基準局監督課長より通達が出されました(基監発0315第1号 平成23年3月15日)
やはり、計画停電時間帯に電力が供給できないことを理由とする休業については、使用者に責任のない休業として支払義務はないとしています。
しかし、もともと労働基準法は労働者保護のための法律ですから、計画停電以外の時間帯は支払義務が原則としてある等、使用者に対する注意事項などが通達でも記載されています。

製造業など、細切れに操業するのはかえってやりにくいなどの場合もあります。
そのように計画停電の時間帯以外の時間帯も含めて休業することが、
「他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯を含めて原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しない」
と通達にはあります。
停電時間帯だけを休業し、その他は営業することにより、かえって企業としての負担が増し、不利益になることがはっきりしている場合などは、全部ひっくるめて休業手当の支払義務はないということだと思いますが、わっかりにくい文章ですね。
使用者としては、労働者保護のためになるべく停電時間帯以外は営業をするようにして、労働者の賃金が減らないようにしてくださいということだと思います。

私は、関与先に製造業があるので、多分、休業手当のことが問題になるだろうと思い、、この通達が出る前の14日に、その関与先管轄の労働基準監督署に電話をして、「天災だから、支払義務はないという解釈でよろしいですよね」と確認しました。
すると、「大事なことだから、折り返し電話します」と言われ、30分ほどして電話をいただき、前述の通達と同じような内容のことを言われました。
そして、いずれ通達が出るはずだから、また確認してくださいということでしたが、翌日すぐに通達が出たんですね。
この通達については、労基署事情に通じている社労士を友人に持つ勉強仲間の社労士に、いち早く教えてもらったのです。
持つべきものは社労士仲間で、ありがたいことだと思います。
ちなみに、その関与先は事業所用の電力の契約で電圧が違うため、停電しないですむと東京電力から連絡があったそうです。

さて、前述の通達は、昭和26年10月11日に出された通達(基発第696号)と、ほぼ同内容です。
当時、第二次大戦で電力施設なども破壊されていて、まだまだ戦後の傷跡が残っている時代で電力事情も逼迫していたものと思われます。
そちらの通達によりますと、
「休電(そのような表現をしています)があっても、必ずしも作業を休止する必要のないような作業部門例えば作業現場と直接関係のない事務労働部門の如きについてまで作業を休止することはこの限りではない」
として、電気がなくてもできるような仕事まで休業にして賃金支払わないのはだめですよ。的なことが書かれていますが、
「事務労働部門の労働者のみを就業せしめることが企業の経営上著しく不適当と認められるような場合に事務労働部門について作業を休止せしめた場合休業手当を支払わなくても法第26条違反とはならない」として、今般出た通達と考え方はいっしょです。
具体的な案件についてわからない場合は労基署に確認した方がよいでしょう。

首都圏では交通事情も悪く「自宅待機」とされた労働者もいることと思いますが、自宅待機は業務命令として自宅にいることが仕事なのですから、休業とは違います。従って、就業規則上に何らかの記載がない限り、当然賃金は100%発生すると私は考えていますが、自宅待機と休業が混同される場合も多いようです。
労働者側としては、「仕事として自宅待機するのか、会社都合による休業なのか」確認する必要があるでしよう。休業なら自宅にいる義務はないはずですから。
会社都合の休業としても、停電が直接の原因だと手当は請求できないということになりますが、停電以外の時間帯については、会社の努力で何とかなりそうな場合は請求できる可能性があるということになるでしょうか。
以上、長くなりましたが、社労士らしいことを久しぶりに書いてみました。
当事務所は、本日15時10分から停電予定です。午前中に更新できてよかったです。
まだまだ、大変な状況が続きそうですが、皆様、くれぐれもお身体を大切になさってください。

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