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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

待機時間という時間の判断

昨日午後から、懇意にしている社労士仲間と作っているミニ勉強会の定例会がありました。
毎回、メンバーのうちの一人が仕切り役となり判例を選び資料を作成して説明するというような形式で、他のメンバーはあらかじめ送られてきている資料について勉強して、仕切り役の講義の後質疑応答を行うという形式でやっています。
中身の濃い勉強会で私としては楽しく勉強しています。
昨日の判例の中で「待機時間」の考え方をあらためて勉強したのですが、ちょっと書いておきたいと思います。
労働時間の中には実際に仕事をしていないけれど、労働者が自由に使える休憩時間とは違い、自由にしていてもいいんだけれど、連絡があったらすぐに客先に行かなくてはいけない時間とか、朝、訪問先が決まるまでの指示を待っている時間とか、お店などでもお客さんがいない場合に休憩室にいてタバコなど吸っていてもいいけれど、お客さんが来たらすぐ対応しなければならないなどの時間があります。
これらが待機時間(手待ち時間などとも呼びます)と呼ばれる時間で、原則としては労働時間に含めることになります。

労働契約で決められた所定の労働時間帯のうち、労働時間の途中にあり、労働者が自由に使える時間、すなわち、仕事から完全に解放されている時間帯が休憩時間となります。
実労働時間は休憩時間を除いた時間ということになります。
待機時間が問題となるのは、何となくグレーゾーンに見える場合があるからで、裁判などでは、拘束の度合い、その時間の使い方の自由度の度合いなどで判断を下しているようです。

最近、増えていると言われる未払い残業代請求の裁判では、請求者の労働時間が何時間だったのか、賃金は時給いくらになるのかがわからないと、正確な額が出せません。
労働時間の算定の際に、会社側と労働者側で待機時間について争いになる場合があります。
普通の場合、会社側としては待機時間のようなグレーゾーンは労働していない時間として賃金は発生しないと主張する、労働者側はもちろんその時間帯は拘束されていて自由に利用できる休憩時間ではないのだから、労働時間だと主張します。
昨日勉強した判例では、逆のケースで、会社側がこの時間は待機時間で労働時間であると主張し、労働者側は休憩時間だと主張する時間帯がありました。
これは、労働時間の単価を計算する際に、1日の日当が固定的に決まっている場合、休憩時間が多ければ総労働時間が減り時間単価が高くなるということからそうなったもので、面白いなと思いました。当然ながら、みんな何とか自分の有利になるようにと思っているのですね。

裁判例では、この問題はほぼ決着がついていて、使用者の指揮監督下にあり明示、又は黙示の指示によりその業務に従事する時間が労働時間であるので、指示を受けて待機していたり、自由にしていても呼ばれたらすぐ行くことになっているなどの時間は、待機時間として労働時間に含まれるとされています。
労働時間ではないとされた例では、配送先での荷下ろし後は、食事(飲酒可)、パチンコ、睡眠、入浴等をして自由に過ごしてよいことになっていて、突然の指示がきても断ることができたとして、待機時間(いわゆる手待ち時間)ではないとした例があります。(大虎運輸事件大阪地裁判平18.6.15労判924・72)
拘束の度合い、自由の度合いを実態を見て判断するということのようです。
大切なのは、トラブルにならないように、会社側が具体的にルールを決めて労働者側にきちんと説明して理解してもらっておくことです。
昨日の勉強会でも、社労士が関与していれば多分こうはならなかっただろうにね、という話も出て、全ての事業所に社労士が関与すれば労務管理はずっとすっきりするだろうなと思いました。

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