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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

中央労働委員会からの発表

昭和30年代初頭ぐらいの雇用環境を知る人の話によると、どんな小さな町工場にも赤旗が立ち、労働組合があったということです。
その後、組合の組織率は下がり続け、今では大手企業を除けば労働組合がないのが当たり前というような状況になっています。
高度経済成長期を経て、ある程度全体の経済的底上げが達成され、そこそこ満足して働く人が増えたとか、個人主義的価値観が台頭してみんなのために自分の時間を使いたくないという人が増えたとか、群れて何かをやりたくないとか、いろいろな理由が考えられます。
しかし、ひとたび組合を結成すると労働組合法、労働関係調整法で守られ、労働条件について会社と交渉する場合には、個人であい対するよりずっと有利に事を運ぶことができます。
会社と折り合いがつかない場合には、労働委員会にあっせんを依頼したり、不当労働行為に対する救済を申し立てたりもできます。
その申し立ての審査について、都道府県労働委員会が出した結論が不服であれば、中央労働委員会に再審査を請求することができますが、その結果が報道関係に公表されるということを不勉強で恥ずかしながら最近知りました。(
参照)

以上は、配信してもらっている労働政策・研修機構のメルマガに掲載されていた事例です。
大手ファミリーレストランの準社員として解雇されるまで10年間働き続けたAさんについて、解雇が一人でも加入できる合同労組に加入したことを理由とする不当労働行為に当たるとした、救済申し立てについて中央労働委員会が不当労働行為ではないという結論を出したという発表です。
労働組合法により、労働組合を結成したり加入したりすることにより解雇など不利益な取扱をすることは、不当労働行為として禁じられています。
これは、外部の合同労組でも同様です。

興味を覚えたので中央労働委員会の発表を読んでみました。
Aさんは平成10年5月準社員として入社した後、平成17年5月合同労組に加入して、会社と「昇格を内容とする契約書に変更すること等」(発表ではこの表現にとどまっている)について団体交渉を求め、同年、6月と8月に団体交渉が行われています。
組合は、Aさんの組合加入が明らかになった直後に勤務時間が減らされたなどと主張しているようですが、労組に加入する前と後の平均をみるとそのような事実はない、Aさんの解雇理由として、会社が作成した退職証明書には、業務遂行能力、協調性に問題があり、業務上の命令、指導に従わないとあるそうで、それは一貫しているので、組合加入とそれによる活動を嫌悪してのことと推認することはできないなどとしています。

労働委員会は労使双方と中立的立場の人と混ざっているのが普通ですから、客観的に状況をいろいろ考慮して結論を出したのだと思います。
Aさんは何故入社後7年たって労組に加入したのか、このあたりは、ネットで検索すると、期間を定めた雇用をずっと継続してきたという事情があるようです。
7年も不安定な状態を続けてきたので、きちんと正社員として雇ってほしいということだったのでしょうか。そのあたりの事情はわかりません。
合同労組が支店前でビラ配りをしたことなどで店長は「業務妨害だ。警察に名誉毀損で訴える。」などと発言していますが、それは会社の意を受けたものではないとしています。

ここに現れたことだけで事情がわかりませんから何ともいえませんが、Aさんはその後再出発して元気に働いているんだろうかと気になります。
若い人が使い捨てされることなく、活き活きと働ける場がたくさんある社会であってほしいと願います。

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