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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

有期労働契約のあるべき姿は?

厚生労働省の労働政策審議会の労働条件分科会では、有期労働契約についての議論を行っていて、これまでの議論の中間発表の事務局案が出されています。
通常、正社員の労働契約は期間を定めません。
有期労働契約というのは、文字どおり期間を定めた労働契約のことです。
労働基準法では、最大原則3年(高度な専門技術等を要する仕事、60歳以上の場合は5年)までを認めていますが、現実には、1年とかもっと短い場合もあり、パートタイマー、派遣社員などの人たちが主として有期労働契約を行っています。
民法上は、有期労働契約の場合は「期間の縛り」というものが強く出ますから、よほどやむを得ない場合を除き期間が満了するまで契約を解除することはできません。
その代わり、期間が満了すれば、そこで終了となります。
トラブルとしては、会社の都合により期間満了前にやめさせられたとか、契約更新してもらえると思い込んでいたのに、あっさり雇止め(期間満了後に契約の更新をしない)されたということが多いようです。

現実には、厚労省の労働基準局が行った実態調査などによれば、半数を超える事業所が雇止めを行ったことがないとしていて、更新を10回以上繰り返している例もあります。
私の関与先のある製造業でも、パートタイマー社員の定着率が非常によくて勤続年数の長い人が多いです。
1年ごとに更新を繰り返していますが、実態としては期間の定めのない契約と同じような状態です。
事業主の話によると、優秀なパートタイマーの人に「正社員になりますか?」と声をかけても、「残業できない(又はしたくない)」、「責任が重くなるのは困る」「気楽に働きたい」などの理由で、パートタイマーのままを望む人が多いそうです。
その会社は、パートタイマーにも賞与があり、有給休暇も法定を上回って付与するなど、比較的労働条件がよいこともあるかもしれませんが、退職金がないなどの不利益もありますし、賃金の面でも当然正社員より劣った労働条件となっています。
それでも、責任が軽く気楽に働きたいと思う労働者側のニーズもあるということなのでしょう。
同様なことがこの事務局案の中に書かれています。

しかし、労働者側が有期雇用を選んだ理由の一つに「正社員としての働き口がなかった」としている人たちもいます。
正社員になって安定した身分により長く働きたいと思う人たちについて、有期雇用から移行てきるような対策を講じるべきだと思います。
事務局案には、諸外国の例が書かれていますが、フランスでは、一時的な事業活動の増加など、法の列挙した事由に該当する場合のみ有期雇用契約が締結できて、その他の場合は期間の定めがないとみなす、イギリス、ドイツ、韓国、スウェーデンなどでは、4年、2年など、一定期間を超えた場合は期間の定めのない労働契約をしたとみなす、など、有期雇用を変則的なものととらえ、なるべく期間の定めのない雇用契約とするとしているように見えます。

これについての使用者側の意見として、例外的な場合以外雇止めは大量には発生していないし、雇用調整に備えるためにも有期契約は必要、理由を制限することによりかえって雇用の機会が失われる、締結理由を制限していない国もたくさんあるとして、有期雇用契約を結べる場合の理由制限に反対しています。
期間の制限については、当初の予定を超えて働いてもらいたい場合など柔軟に対応できない、期間上限手前で雇止めせざるを得ず、労働市場に悪影響を及ぼすなどと反論しています。
使用者側は、本来柔軟な働き方を認めている有期契約について形式的かつ一律のルール化には極めて慎重であるべきとしています。
そうであるならば、使用者側の都合ばかりを押し付けず、有期契約で働きたい人はそのままに、正社員になりたい人には正社員への道をつけてあげるなど、柔軟な対応をとるべきだと思います。
現状では、有期雇用契約を繰り返して希望しているのに正社員になれないままの人たちがいるわけですから、企業側も多少は譲歩して柔軟な対応をとるべきでしょう。
法による一律のルール化に反対するのであれば、自らも一律ではなく柔軟な雇用管理を行っていかなければ、法によるある程度の規制論が出てくるのは、止めることはできないと思います。 

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