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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

列車事故、もし、出張中だったら?

昨日の中国の新幹線の事故の映像は強烈でしたが、その後の第2報の映像はもっと強烈でした。
なんと、事故にあった車輌をその場に穴を掘って埋めてしまっていました。
日本では考えられないことが平気で行われているんだなと、驚きました。
それでも、中国のネットには「世界最速の棺おけ」というような書き込みがされたということで、人の口に戸は立てられないとはこのことかと思いました。
朝一番でその「棺おけ」の話を聞いて、大勢の人が亡くなっているのに不謹慎だなと思いつつかなり笑ってしまいました。
さて、かの地ばかりではなく、日本でも時々列車事故というのは起こります。乗っている乗客は観光や帰省ばかりではなく、仕事で出張中の人もいるでしょう。
出張中に事故に巻き込まれた場合、それが出張の往復の経路内であれば当然労災が適用され、補償を受けることができます。

業務災害と認定されるためには、「業務遂行性」と「業務起因性」の二つの要件があります。
前者は使用者の指揮命令下にあり仕事中であったこと、前者は仕事との因果関係というところで判断されます。
出張中というのは、使用者の命令を受けて仕事をするために出かけるわけですから、たとえ一人で行動していたとしても、出張の最初から最後までが業務の範囲とみなされ、移動中はもちろん、宿泊中の事故なども労災が適用となります。
従って、出張のために駅に出かける途中の事故などは、通勤ではなく業務災害となります。

しかし、私的行為のために、合理的な範囲を超えて大きく経路を逸脱したり、大幅な時間をとって寄り道をしているときなどは、業務中とは違うと判断されて、労災が適用とはなりません。
判例では、出張中の宿泊施設で飲酒をした後、階段で転倒したことが原因で亡くなった事例について、労災適用が争われた例があります。
一審の地裁では、飲酒そのものについては、出張者相互の慰労と懇親のためであり、それをもって事業主の支配下から逸脱しているとはいえないとしながらも、事故は飲酒による酩酊のためであり、業務起因性がないとされました。
しかし、二審の高裁では、死亡者は私的行為等を行っていたのではなく、トイレに行ったりした後に部屋に戻ろうとした途中で足を踏み外したもので、業務と関連のない私的行為や恣意的行為による事故ではない。業務起因性を否定する事実関係がない。
として、業務上の事故として認めました。(大分労基署長事件福岡高裁平5.4.28)

出張中の合理的な経路などを意図的に大きく逸脱しない限りは、出張中として取り扱われるということのようで、出張中であれば、最初から最後まで業務遂行性が認められ、その中の事故であれば、当然業務起因性も認められるということになると思います。

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