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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

電子メールの取り扱い規定の必要性

今、ある会社の就業規則を急ピッチで作成しています。
親会社から独立する形で子会社として新会社を設立して1年足らず、親会社の就業規則を使用していたようですが、実態と合ってない部分が多すぎて、新しく作ろうということになり、私にお声がかかったというわけです。
親会社の就業規則を拝見すると、総じて古いのですが、男女雇用機会均等法の改正などには対応していて、それなりに手直しもされている印象があります。
でも、パソコンや電子メールの使用に対する規定がなく、そのあたりは担当者があまり問題にしていなかったのかなと思います。
昨年、やはり、ある会社の就業規則を見直したときに、電子メールの使用規定などについてご説明したところ、社長から意外なお話を伺いました。

その時から遡って1~2年前の話だと思いますが、メディアでも報道された事件にその会社の新入社員が巻き込まれ、警察の捜査を受けたということです。
その社員の使っていたパソコンなども当然調べられたそうですが、なんと、毎日のように何十通もの私用メールを送受信していたことがわかったそうです。
会社としては、普通に真面目に仕事をしているように見えていたそうで、非常にびっくりしたそうです。
そんな経験もあり、私のご説明はすんなり理解していただき、その会社の新しい規則には、休憩時間以外はやむを得ない場合以外は、私用メールは禁止として、必要があれば、会社が履歴を調べることができるという条文も作りました。

今般作成中の会社の就業規則にも当然同様の規定を入れます。
近年、労働者のプライバシーの問題とからめて、電子メールの履歴を調べたことの是非が争われた裁判もポツポツと出ています。
やはり結論は分かれています。
労働者の行為が職務専念義務違反だとしたもの(日経クイック情報事件東京地判平14.2.26労判825-50)、逆に社会通念上認められる範囲での私用メール送受信が職務専念義務違反とはならないとした例(モルガン・スタンレージャパン・リミテッド事件東京地決平16.8.26労判881-56)などがあります。
「社会通念上」とは、よく判例で出てきますが、確か、この判例では1日2~3通ぐらいとしていたかなと思います(以前何かで読んだのですが、記憶が定かではありません。)

電子メールなどができる前は、郵便の他は電話が職場での通信手段だったわけです。
結構、仕事中に友人や家族、その他の私用電話というのはありました。
会社もそう目くじらたてずに容認していたと思います。
「社会通念上」というのは、その程度の電子メールならそれほど業務に支障をきたさないでしょということなのかなと思います。
いずれにしても、就業規則で規定を作って労使ともに取り扱いについて納得しておけば、それほど問題にはならないと思います。
それでも、その「社会通念上」については、以前から判例の詳細を確認してなくてはいけないなと思いつつ、やってなかったので、週末は、母校の図書館に出かけて来ようか、都内に出たついでに夏物バーゲンでも見て来るか、いや、バーゲンは無理でしょ、急ぎの仕事やってるんだから、などと、思いをめぐらせております。

なお、労働者の個人情報の取り扱いについては、使用者に対する指針が厚生労働省から出されています。(
参照)

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