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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(22)事業場外労働

労働基準法では1週40時間、1日8時間という労働時間の制限を設けています。
この時間を超えて働く場合はどれぐらい超えるかについて、労基法36条に基づき労使協定を結び最寄の労働基準監督署に届け出なければなりません。
即ち、この協定書を届け出ない限り法定労働時間を超えて働かせることはできないことになります。
 小さな事業所の事業主さんなどで、そのことを全く知らない方が結構いらして、最初のうちは驚きましたが、最近はすっかり慣れました。
近年、未払い残業代請求事件が増えていますが、そのような案件が裁判になると使用者側の労働時間管理の質が厳しく問われます。
しかし、営業職のように労働者がずっと外回りなどをしていて、訪問先なども本人の自由裁量が大きいとか、種々の理由による在宅勤務などで使用者の管理外で働く場合には、労働時間の管理についての例外が認められています。
先週、所属する勉強会でそれについて勉強したので忘れないうちにちょっと書いておこうと思います。

それについての条文は以下のとおりです。
労働基準法第38条の2   労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
第2項以下略

これを導入できる条件としては、まず、事業場外の労働でかつ使用者の具体的指揮監督が及ばないために労働時間の算定が困難となる場合です。
従って、外回りの仕事であっても、
①何人かのグループで行動してその中に労働時間管理をする者がいる場合
②携帯電話等で随時会社に連絡をして使用者側の指示を受けて行動している場合
などは、使用者の指揮監督が及ぶため労働時間の算定が困難とはいえないとされます。
裁判では、よくこのあたりが争われます。
果たして、本当に使用者の指揮命令が及ばない状態なのかということが問題となるのです。
携帯電話等が発達した昨今、逐一会社に連絡をとろうとすれば可能であり、具体的指示が及ばない状況というのはかなり限定的になってきていると思います。
勉強会でみた判例は海外旅行のツアーコンダクターの事例で、自分の裁量で乗る便を変えたり、空港へ直行、直帰しているなどが決めてとなって使用者の具体的指示を受けず「労働時間が算定しがたいとき」と認められていました。

その前提条件をクリアーできたとして、次にみるのは、では、何時間労働したとみなすのかというところです。
条文では、まず最初は所定労働時間(会社の始業から終業までの労働時間)労働したとみなし、通常その業務を行うのに必要な時間がいつも所定労働時間を超えているなら、その必要な時間労働したとみなしなさいとあります。
例えば、所定労働時間が8時間の会社で事業場外労働についてはいつも10時間ぐらいは必要だという場合は、10時間働いたとみなします。
当然、法定時間の8時間を2時間超えていますから、2時間分の時間外労働割増賃金が発生することになります。

省略した第2項では、通常必要とされる時間について労使協定があれば、その時間を採用するということが書かれています。
その勉強会の結論としては、外回りの仕事だからといって安易に事業場外労働とすることは、最近の傾向では厳しくなっているというものでした。
労働時間の把握は第一義的にはとにかく使用者にあるということを使用者はしっかりと意識しなければなりません。
みなし労働時間制をとる場合には、本当に指揮命令が届かないような働き方か、又、時間設定は正しく行われているかなどをきちんとチェックすべきでしょう。

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