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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

休憩時間の労働時間性の判断

昨日書いた休憩時間についてですが、休憩時間と会社側は言っているけれど、実は労働時間にカウントされるべき時間ではないのかと、労使が争った裁判例は結構あります。
休憩時間なら賃金は発生しない、休憩時間だとされていたものが実は労働時間だとなると賃金が発生するというわけで、トラブルのもとになるのです。
昨日書いたとおり、労働基準法でいう「休憩時間」とは完全に仕事から解放されて、自分の自由に利用してよい時間というのが基本的考え方です。
裁判では、個別の事情を考慮していろいろに判断がなされています。

ちょっと面白い例で以下の事案があります。
電話によるコンピューターの障害受付業務という待機時間の長い仕事で、休憩時間がなかったとして安全配慮義務に対する債務不履行を訴えた事件です(アラウン事件大阪地判平11.3.19)
労働者側は昭和63年の頃の勤務について訴えています。
何故、そんな古い話を裁判にまでしたのかという背景は不明です。
賃金債権は2年の時効がありますが、債務不履行ですと債権の時効で10年なので、債務不履行を訴えたのではないかと思います。

判決では、待機時間が長い業務の性質上時間を特定して休憩を取得する必要性が乏しく、現実に他の従業員間で特に不満もなく、休憩を取ることを不当に妨げていた事実はないとの結論を出して、債務不履行を否定しています。
労働者側が主張する電話応対に追われて休憩が取得できなかったという事実はなく、離席も自由で電話がないときには、本を読んだりコーヒーを飲んだりできる状況で、電話が少なくなる時間帯などは、休憩時間と同じような状況であったということが判断決め手となっているようです。

会社としては就労場所ごとに一斉にあるいは交代でとることを就業規則で規定していて、一斉休憩除外許可を受けています。(当時は許可制であった。現在は労使協定による)
休憩しようと思えばできた状況であり、ことさら会社がそれを妨げようとしてはいないということなのでしょう。
しかし、労務管理の観点からいえば、やはり、休憩室等設けて完全に離席して休憩時間と労働時間をきちんと区別するのがベストだと思います。

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