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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

添乗員の事業場外みなし労働否定の高裁判決

以前過去記事で、事業場外みなし労働時間制について書きました(参照)
そこで書いた裁判例では、海外旅行の添乗員についてみなし労働時間制が適用されるのか争われましたが、労働者側の要求額の半分ぐらいが認められています。
みなし労働時間制として認められれば、会社側はみなし労働時間として決めた分だけ賃金を支払えばよいのですが、みなし労働時間制が認められなければ一日8時間を超えた労働について割増賃金が発生することになります。
そのあたりが労使トラブルのもととなります。
過去記事に書いた裁判例では、「労働時間を算定し難いとき」に該当するとして、みなし労働時間制を認めましたが、計算し直すと一部未払い分が生じて要求額の半額ぐらいが認められた判決となっています。
この同じ旅行会社では、他にも訴訟を提起されていて、こちらは一審ではみなし労働を否定され、労働者側の要求額全額(約112万円)を認めています。
先週その控訴審判決があって多少の減額はあったものの、一審同様みなし労働を否定しています。

みなし労働時間制をとるためには、事業場外の労働について使用者が労働時間を把握することが困難な場合という条件があります。
高裁判決では、旅行日程の指示書や添乗員が出発、到着時刻を詳細に記載した日報があり、添乗業務は労働時間を算定し難い業務に当たらないと判断したと報道されています。
この会社は事業場外みなし労働時間制を理由に、残業代を支払わなかったため裁判となったもので、高裁でも労働者側の主張がほぼ認められた形となりました。
もし、詳細な日報などが義務付けられていなくて、労働者側の裁量部分が相当程度あったら、みなし労働時間制となったのかなとも思います。しかし、今時、仕事をする上で日報等の記録をおろそかにする会社は少ないと思いますので、使用者が労働者の働いた時間を把握できない場合というのは、かなり限られてくるのではないかと思います。 まして、使用者には労働時間を把握して管理する義務がありますから、それについてできる限りの努力をしなければならず、労働者任せにすることなどそもそもしてはいけないことなのです。

私は、昨年から、懇意にしている社労士と労働時間の裁判例について学ぶ小さな勉強会に参加していますが、使用者に対しての労働時間管理というのは年々要求が厳しくなっています。労働時間の把握をすることについてサボタージュすると、後で大変な請求を突きつけられて痛い目に遭うということがあります。
社労士としても、労働時間管理については事業主さんにしっかりと説明していかなければいけない事項だと思います。

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