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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

企業は人を大切にすることを忘れないでほしい。

当ブログで初めて偽装請負について書いたのは開業間もない頃、すなわち当ブログ開設間もない頃でした。(過去記事参照)
当時、メディアの報道で大きく取り上げられたのですが、その後当ブログでは関連記事を度々書いています。左側のバーの天気予報の下にある「ブログ内検索」で「偽装請負」と入力して検索していただくとたくさんの該当記事が出てきます。
最近、大手光学機器メーカーに業務請負会社の社員として派遣されていて、いわゆる偽装請負状態で働いていた方の過労自殺についての最高裁判決がありました。
うつ病で23歳の若さで自殺した青年の遺族が、1億4000万円の損害賠償を光学機器メーカーと委託会社の両社に求めていた事件で、一審では「発症から自殺までの期間が短かった」としてかなり減額されましたが、高裁では約7000万円の支払命令が出て、両社が上告していたものですが、最高裁は高裁判決を支持して判決が確定しました。

自殺した労働者は窓や休憩スペースのない部屋で製品検査業務を担当していたそうで、昼夜交替制で、自殺する前は15日間休みなしで働いたり、法定時間外労働が77時間あり、過労によるうつ病のり患と認められたようです。
また、退職を申し入れたのに認められずに無断欠勤扱いとなっていたそうで、その後寮で自殺したとのことで、遺族としてはやはりやりきれない思いだったのではないかと思います。
裁判では、偽装請負だとの認定もされ受け容れていた光学機器メーカーと送り出していた業務委託会社と双方の責任を認めています。
偽装請負という違法状態だったことが厳しい判決にもつながったものと思われます。
自殺したのは1999年3月ですから、偽装請負についてメディアなどが大きく取り上げる前のことで、会社もそのあたりの違法という意識が薄かったのかもしれません。

前述の窓がないというのは、精密機器の検査部門のため、埃などを最小限にするためでもあり、防塵服やマスク、手袋、ゴーグルなどを着用していて精神的にも肉体的にも負荷が大きい作業だったようです。また、照明なども感光剤が感光しないように黄色い単色光だったそうで、かなり過酷といいますか、非日常的な空間での業務だったようです。
そのような作業の場合、通常以上に休憩や休息などに気を使うべきと思いますが、そのようなこともなく過重な労働となっていたということが認定されています。
光学機器メーカー側にすれば、「自社の社員ではない」という意識が働いていたかもしれません。

偽装請負について随分社会的にも話題になりましたし、行政も指導に力を入れていますので、今は各企業ともに違法状態とならないように配慮しているものと思います。
企業は、法律を守るということとそこで働く人を守るという意識を強くもっていただきたい。ということをあらためて思う判決でした。

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