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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

第3号制度の弊害

国民年金には第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者という種別があり、原則として20歳以上60歳未満の国民はどれかになっているはずです。
第2号被保険者とは会社員、公務員などで勤務先の厚生年金、共済組合などの制度に加入している人。その被扶養配偶者が第3号被保険者、それ以外の自営業者とその配偶者、学生等は第1号被保険者です。
第3号被保険者については、第2号被保険者に扶養されている人ですから、年収130万円未満(重い障害のある場合は180万円未満)という要件があります。
第3号被保険者になると、第1号被保険者が各自で支払っている国民年金の月額約15,000円(今年度額15,020円、年度ごとに変わります)を自分で負担することなく、将来第1号被保険者と加入月数が同じであれば同額の老齢基礎年金を受け取ることができます。
第3号被保険者の国民年金料は誰が払っているのかというと、配偶者の所属する厚生年金等の制度全体で基礎年金拠出金として納めています。
この制度は昭和61年4月1日から施行となっていて、それに先立ち昭和36年4月1日から始まった「国民皆年金」制度では、専業主婦はどこの年金制度にも属さず、任意で国民年金を納めれば将来年金があるというに留まっていました。任意のため納めていない人も相当数いて将来無年金となることが心配され、この制度ができたものと思われます。

当時は、男女雇用機会均等法などができるよりもはるか昔であり、少数の専門職、キャリア官僚、家庭の事情で働かざるを得ない人などを除いて女性の多くは結婚前に数年勤めていわゆる寿退社するのが一般的であり、頑張っても第1子の妊娠・出産まで働く程度でした。
その後は専業主婦となり家事・育児を中心に家庭を守り、働く夫を助けるという道をたどるわけですが、「年金」という面から見ると、これは危険が大きいですね。
夫がある日突然亡くなるかもしれない、夫婦仲がうまくいかなくなり離婚するかもしれない、そうなった時に専業主婦でいた間の期間が自分の年金としてはゼロとなるのですから(死亡の場合は遺族年金があるが)、長い老後の生活が不安定なものとなります。
専業主婦の場合、夫とセットで年金も考えられていますから、夫が20年以上勤め続けると加算があり優遇もされますが、夫と切り離して一人になった場合には非常に不利になってしまいます。
というわけで、3号制度ができ、離婚による年金分割ができましたが、それすら自分でその間働き続けていた場合に比べれば年金額は少ないのではないかと思います。(
過去記事参照)

さて、そのように過去には第3号制度というのは専業主婦にとって朗報ではあったと思います。
しかし、現在はどうなんだろうというのが過去記事に書いた足立区の講座で講師を務めたときの感想です。
第3号制度があるために、年収130万円未満でい続けた方がよいのだろうか、どうなんだろうと悩む女性が少なからずいるということがわかったからです。
そのような制度がなければ選択の余地はなく、今の社会経済情勢なら自分もばりばり働くという選択をする女性は案外多いのではないかと思います。
少なくとも、年収130万円で線引きはしないですみます。
そこにこだわることなく働きたいだけ働くという選択をすることができます。もっと言えば、自分の価値観やライフスタイルに合わせて働き方を選択することが多分可能になります。
第3号制度があるがために、社会でもっと働きたいと思う女性の自由な選択を阻害することになっているのではないか。それは社会にとってけしてプラスではない。今、私はそんなことを感じています。

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