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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

人事評価制度を正しく運用していない会社

私は賃金制度についてそれほどしっかり勉強しているわけではありませんが、社労士としては一定以上の知識は必要だろうと、それなりに情報を仕入れています。
今日、新聞の労働欄の片隅にある読者の投稿で、自己評価制度について書かれているのが目にとまりました。
その投稿者の会社は、一昨年から3年かけて賃金を30%下げることにしたそうで、昨年からは自己評価制度も取り入れているそうです。
投稿者の場合、6段階のうち真ん中より一つ上のランクにして提出したところ、一段階下のランクが適当ではないかと、厳しく書き直しを命じられたそうです。
この会社の場合、評価制度を賃金減額の口実に使っているふしがあると投稿者は書いています。
評価制度は、賃金の昇給などに反映させるという役割もありますが、本来は、社員の能力を正しく把握し、指導、教育に役立て長期的な人材育成を視野に行った方が、会社にとっては有益なはずです。

人にはそれぞれの能力があり、良いところは伸ばしだめなところは改めていく、また、その人の能力にふさわしい部署で働いてもらうというのが、人材の活用だと思います。そのために、自己評価と会社の評価が違う場合は、何故食い違いが出るのか、会社も本人も考えなくてはならないでしょう。
会社がダメだしするためには、明確な根拠のもとに説明をしなければ、本人には今後何をどうすればよいのか伝わらないでしょうから、人材育成という評価制度の目的から外れてしまいます。

投稿者の会社は、経営状況が相当悪化しているということなのでしょうか。
そうでなければ、3年間で30%の賃金減額はかなり厳しい話ですね。
労使関係は契約関係です。最初に契約した労働条件を変えるということは、契約内容を変更するということですから、互いに合意しなければできません。(労働契約法第8条)
良い条件に変えるのは問題ないでしょうが、特に不利益に変更することについては、労働者側に影響が大きいからです。
前述の会社は、多分、就業規則の変更をして賃金の減額とそれに伴う評価制度などを取り入れたと思いますが、原則として労働者の同意なくして就業規則の変更によって労働条件が不利益になる変更はできません。(労働契約法第9条)
ただし、変更の内容の相当性、変更の必要性、不利益の程度、労組等との協議、労働者への周知など、合理的であると認められる場合はよいとされていて、(労働契約法第10条)このあたりの解釈は難しいです。

不利益な変更を避けるために、賃金制度を変える場合など「調整手当」などを出して今の給料が下がらないように配慮したりするのが普通です。
私が以前、就業規則を見直した会社は、調整手当、の他に「〇〇手当」などという名目をつけて、いろいろと調整していました。
「〇〇手当」はわかりずらいし、名称としてもあまりよくないのでは?と私が指摘して別の名前に変えたりしました。

いずれにしても、自己評価を一方的に変更させるのは正しいやり方とは思えませんが、案外、そんか運用の仕方をしている会社もあるのかなと思った投稿でした。

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