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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

「有期雇用5年が上限」に疑問あり

昨日、労働政策審議会が有期雇用の上限を5年として、それを超えた場合は無期雇用に転換する制度を導入するとした建議を厚生労働大臣に提出したと報道されています。
契約社員や期間従業員など期間を定めて雇用される場合、期間が満了するとそこで雇用関係は終了してしまうため、労働者の立場としては不安定です。
期間を定めない正社員と比べ賃金、福利厚生、教育訓練など待遇面でも不利な場合が多く、そのような労働者が増えてしまっている現在、何らかの策を講じなければならないということでの建議だと思います。
有期雇用者は企業としては、安く使えて期間満了時に必要がなければそこで終わりにできるし、必要があれぱ更新ができる都合の良い労働力だと言えると思います。
労働者保護という視点からは朗報なのかなとも思いますが、ちょっとひっかかるものを感じます。

「希望者全員を65歳まで雇用義務化」のときにも感じたのですが、契約というのは本来当事者の自由であるべきです。「雇い・雇われ」という特殊な状況下での契約であるため、労働者保護の観点は重要ですが、あまりにも企業側に縛りをかけ過ぎるというのもどうなんだろうというのが私の感じたところです。
企業側の自由裁量をある程度残しておかないと、雇用環境が硬直化してかえって新規に参入しずらくなる、すなわち若い人の雇用の場がどんどんなくなる、そんなことはないんだろうかということです。
もしかしたら、逆に5年で無期へ転換する前にどんどん雇止め(契約更新しないこと)してしまう事態が増えるかもしれません。
また、少数かもしれませんが自ら望んでそのような立場で働く人はどうなるんだろうということもあります。

私の関与先でパートタイマーを使用している会社があって、その会社はとても良い会社で、パートでも昇給、賞与があり、年間での表彰制度もあります。
多分、働きやすいのだと思いますが、定着率が高く10年以上パートタイマーとして働く人もいます。ただし、パートタイマーは1年の有期契約です。
会社としては、万が一、業績が悪化したときの雇用の調整弁として有期雇用としているのだと思いますが、パートタイマーの多くが地元の主婦のため、夫の被扶養者でいたいからと会社から勧められても正社員にはならないそうです。
残業もしたくないということも理由にあるようですが、どのような働き方をするかは当事者の選択です。私見では「夫の被扶養者でいたい」というのはよーく考えた方がいいですよとは言いたいですが。(
過去記事参照)
そのように、労使の選択の自由がなくなるのはなんか窮屈なんではないか。
全ての労働契約は、期間の定めのない契約が基本というのが労働政策審議会の労働者側委員の立場のようです。
もちろん、「期間の定めのない契約」というのは、互いに期間の縛りがなくなるので、いつでも互いに契約解除を申し出ることができますから、何度も更新を繰り返す契約の場合には、無期雇用としても支障がないように思われます。労働者側からは「退職」、使用者側からは「解雇」というかたちで一方的な契約解除が認められていますから。しかし、現在の法律では使用者側からの契約解除=解雇についてかなり厳しく規制があります。
このあたりのバランスをとらないと、「無期雇用」が基本だといってもちょっと違うのではないかと感じました。

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