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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

パートタイマーの社会保険適用拡大問題点

昨日記事にした関与先では、パートタイマーの社会保険(健康保険と厚生年金保険)適用の話もしました。
近年、厚生労働省では社会保険の支え手を増やして保険料収入を増やそうとしているらしく、
適用すべき人に適用しているかどうかのチェックが厳しくなったという話を回りの社労士から聞きます。
適用漏れが見つかると、悪質と判断されると2年間分遡って(徴収の時効が2年のため)徴収されるなど、事業所としては痛い目に遭います。
私は、給与計算や手続関係の仕事をしないので、適用漏れはないですねと確認したわけです。
その会社は遵法意識が高いので、
「はい、大丈夫のはずなんですが、条件ぎりぎりの人がいて、会社としては社会保険に入れる必要がある人は入れたいんですが、本人がだんなさんの扶養でいたいと言って、時間調整することもありますね。だんなさんの会社の家族手当なども受け取れなくなるということもあるらしいんです」
うーん、そう言われますと、社会保険は任意で入る、入らないではなく適用されるべき人は適用されなくてはいけないので、時間調整をしっかりしてくださいと言うしかないですね。

パートタイマーの場合、
①1日又は1週の労働時間がその事業所で働く一般正社員の概ね4分の3以上
②一か月の勤務日数がその事業所で働く一般正社員の概ね4分の3以上
①、②をいずれもみたし、常用的使用関係にあるとされる人が社会保険に加入することになっていますが、労働時間については厳密な運用がなされているわけではなく、勤務形態、勤務内容など総合的にみて判断されることになっています。
境界線上にいるような人については、最寄の年金事務所に相談するとよいでしょう。

「今度20時間以上の人が適用になると、ひっかかる人が結構いるんですよね」
という話も出て、会社としてはこのあたりは気になるところだと思います。
先月、社会保障審議会の「短時間労働者への社会保険適用に関する特別部会」から説明資料が発表されました。(
参照)
今後適用が拡大された場合の労使に与える影響等について書かれています。
雇用保険適用と同様の20時間を一つの目安として拡大したいらしいのですが、第3号被保険者(配偶者の被扶養者として社会保険料を支払っていない)、学生、年金受給者などは外してもよいのではないか。とりわけ、第3号被保険者については影響が大きいのではないか。
という議論がされたようです。

第3号被保険者の数は現在約1000万人です。
この財政逼迫の中で、もう1000万人を保険料負担なしにするのは厳しいだろうと思うのですが、何故か、厚労省はいつも保護しようとしますね。
1000万人から少しでも保険料を徴収すれば随分違うし、3号制度そのものがなくなれば、時間調整などせずバリバリ働く人も出てきて、今後の労働力人口の減少にとってはプラスになるのではないかと思うのですが、変えるということが苦手なんでしょうね。
後のページには、企業への影響として、適用拡大によって現在発生している就業調整が緩和されれば、人材活用の向上を通じて企業経営が改善されることはあり得る。
などと書かれているのに、第3号制度はいじらないというのは矛盾を感じます。

興味深かったのは、支え手をふやすためのはずが、医療保険でみると加入者が増えることによる医療の負担や高齢者医療への拠出金が増え、短時間労働者の多い企業の健康保険組合では健康保険料率が2~3%上げざるを得なくなり、放置すれば解散する組合もあるだろうと書かれていたことです。
医療保険についても、不必要な医療はしないとか、回復の見込みのない高齢者の終末期医療とか、給付と負担のバランスを考える必要もあり、社会保障は本当に一筋縄ではいかないなあと思いました。
もっと、この国の切実な問題として国民的な議論が必要だなあと感じました。

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