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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

心の平安を祈念する。

震災から1年、週末から日曜日にかけて様々な催しが行われました。
私は、先週金曜日に都内下町のホールであった「平和祈念コンサート」に行って来ました。
この地は第二次大戦中に東京大空襲の被害を受けたことから、毎年大空襲のあった3月10日前後にヴェルディやブリテンのレクイエムを演奏するコンサートが開催されています。
今年は、昨年の3月11日に大震災があったことから、二つの惨禍の犠牲となった方々への追悼コンサートと位置づけられています。
ショスタコーヴィチが第二次大戦中に荒廃したドレスデンの街を見て衝撃を受けて作った室内交響曲、バーバーの弦楽のためのアダージョ、後半はフォーレのレクイエムと、追悼と祈りにふさわしいプログラムでした。

指揮はジャン・クリストフ・スピノジというフランス人で、私は初めてでしたがまだ若い気鋭の指揮者です。
演奏が始まる前に通訳がついてフランス語で簡単な曲目の解説を指揮者自ら行いました。
オーケストラのメンバーは皆黒のタキシード又はドレスの正装なのに、彼は普通のダークスーツ姿でした。
後でわかったのですが、指揮をして大きく身体を動かすと上着のサイドベンツがひるがえって、ピンク系の裏地がのぞいて追悼だから派手にはできない、でも「希望」を念頭に作曲されたというフォーレのレクイエムにふさわしい明るさもちょっぴり表現した服装だったのかなと思いました。

レクイエムは死者の安息を祈るための曲だそうで、キリスト教のミサで唄われます。
フォーレのレクイエムはモーツアルトやヴェルディのそれに比べると、ずっとおとなしくて静かでメリハリがないと思っていましたが、その時の演奏は100人近い合唱団で迫力があったし、パイプオルガンも音がよく入っていて、私が普段聴いていたCDと随分違うのでびっくりしました。
演奏者にもよるのでしょうが、事務所にあるCDは音のバランスをよくし過ぎていて、パイプオルガンの音も小さいし、弦楽器も合唱もおとなしいものなのです。
ミキシングとやらの技術を使い過ぎているようにも思います。人間の耳は不思議で聞きたい音をよく聞き取り、聞きたくない音は聞こえにくいというように取捨選択する能力があるのだと思います。機械的にバランスを整えても、必ずしも耳に心地よいとは限らないんですね。
 
というわけで、やっぱり生で聞く音は違うと思い、フォーレのレクイエムの良さがよくわかりました。 特に、天使が楽園に導くと歌う最後の第7曲では、パイプオルガンのピロン、ピロンとリズムを刻んで響く音が天使が鳴らす鐘の音のように聞こえて、CDとは随分違って曲の清らかさが引き立っていました。
スピノジ氏は、指揮を終えた後の余韻の中でそっと指で涙をぬぐったように見えました。
一瞬の静寂の後、「ブラボー」と声がかかり、多分5分~もしかして10分ぐらい拍手が鳴り止まなかったと思います。 指揮者と独唱者が何度も何度も引っ込んではまた出て拍手に応えていました。

フォーレは、「死は私にとって、幸せに満ちた解放、そして来世の幸福への憧れに感じられるのです」と語っていて、通常のレクイエムにある怒りや悲しみを表わす曲が入っていない、希望と光に満ちた作品だと指揮者自らプログラムに記しています。
震災で被害に遭われ、大切な方を失った方々にとってこの1年は辛く悲しい茨の道だったことと拝察致します。そのような方々のお心に平安が訪れ、少しでも希望を見出して歩いて行かれますことを、心から祈念申し上げます。


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