FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

事業主さんも最低限の知識を

知り合いの社労士 からのメールで、あれこれ忙しい時に労働法に無知な事業主からの問い合わせなどがあると嫌になると愚痴っていたら、15歳も年下の社労士仲間に
「だから、僕たちご飯が食べられるんじゃないですか」と諭されたことがあったと書かれていて、ちょっぴり笑いました。
確かに、事業主さんたちが社労士並みに労働法を勉強してあれこれ理解していたら、社労士に相談する必要もなくなるのかもしれません。
でも、労働法の範囲はかなり広いし、法改正も頻繁にあります。民法の基礎的知識も必要ですから、全てをカバーできる事業主さんはほとんどいないでしょう。また、そんなことしてたら本業ができなくなるでしょう。 というわけで、社労士の需要がなくなることはないと私は思っていますが、事業主さんも人を雇う上での最低限の契約の知識ぐらいは持っていていただきたいなと思います。

配信してもらっている労組系のメルマガで、アルバイトを辞めるときに1か月前に辞めることを言わなかったことを理由に(辞めるときは1か月前に言うと誓約書を書かされている)給料を支払ってもらえないのはしょうがないんでしょうか。
というような相談があり、労使ともに「契約」についての知識がないんだなあと思いました。
労働基準法第24条では、賃金の全額払いの原則を謳っています。働いた分の賃金は全額を直接通貨で労働者に支払うというものですが、このあたりの詳細については過去記事にしました。(
参照)
ですから、辞めるときにたとえ会社のルールに沿わない辞め方だったとしても、働いた分に見合った賃金は必ず全額を支払わなければなりません。

さて、「会社のルール」ですが、個別の雇用契約、就業規則とありますが、就業規則と個別の雇用契約の違う部分については、個別の雇用契約の方が良い場合以外は就業規則に従います。
前述の会社は、辞める前には1か月前までに言うというルールを作っているのでしょう。
しかし、会社内の就業規則でもし法令に違反するような条項を作っていたら、法令が優先されて法令に違反する部分の規定は無効となります。(労働基準法92条、93条、労働契約法12条、13条)従って、この契約がもし期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により辞める意思表示をしてから2週間すれば自動的に契約は終了することになります。
誓約書を書かされたとしても、そのような法令に違反する内容の誓約書は「公序良俗違反」(民法90条)で無効と解釈できると思います。
このあたりの解釈論は、民法を強行規定とみるか任意規定とみるかで多少違ってくると思います。過去記事にも退職までの期間について書いたことがあります。(
過去記事参照
)

もし、この契約が期間の定めのある契約ですと、期間満了前にはやむを得ない理由がないと契約を解除することはできませんが(民法628条労働契約法17条)、前述の例ですと病気が理由とありましたので、認められると思います。
このぐらいの契約の知識は持っておいていただきたいと思いますが、「事業主さんがあんまり勉強しないから、僕たちご飯が食べられるんですよ」なんて、私も言われちゃうんでしょうか。


PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する