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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる13年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働基準法再読(25)法令等の周知義務

就業規則を作るということは、労使の権利・義務関係をはっきりさせるということですから、法令にある労働者の権利を規定に盛り込むのは当たり前と思っていますが、小さな事業所の場合などは、絶対に書くことが法令で決まっていることでなければ、あえて書かなくてもよいかなという事項もあります。
もし、規則に書いてなくても、何か事が起きれば法令に従うことになるのですから、話をややっこしくさせないために書かないという選択をする場合もあります。
しかし、労働基準法では、使用者に法令等の周知義務を設けていて、最低限、これだけは労働者に周知しなさいという項目があります。(注1.)
周知の方法は、常時作業場のみやすい所に掲示するなり、置いておくなりしていつでも自由に見ることができるようにする、書面を直接各人に渡す、パソコンなどでいつでも見ることができるようにする、などの方法が推奨されています。

〔注1.〕労働基準法第106条 使用者はこの法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第18条第2項、第24条第1項ただし書、第32条の2第1項、第32条の3、第32条の4第1項、第32条の5第1項、中略 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。
第2項略

この条文によれば労働基準法やそれに基づく命令等の要旨を使用者は労働者に周知する義務があります。
しかし、労働基準法の要旨を労働者に知らせることができる使用者って、どれぐらいいるかなという疑問もあります。知らせるには自分が知っていなくてはなりませんが、そのあたりは結構厳しいのではないかなと思います。だからこそ社労士の出番となるのですが、それも現実には認識不足の事業主さんの方が多いのではないかなと思います。
それはそれとして、106条にもどりますと、就業規則と、各規定が記載されていますが、これらは労使協定です。
社内預金や、賃金の一部控除、フレックスタイム制、1か月単位の変形労働時間制、などの労働時間に関する労使協定、年次有給休暇の計画的付与の労使協定が、もし、協定を結んだのなら全文を周知するようにとの条文となっています。

方法としては、冒頭で書いたような方法です。
就業規則については、周知されていない就業規則の効力を否定した判例もありますし(フジ興産事件最判平15.10.10労判861.5)、労働契約法第7条では、合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働条件が就業規則の内容になるとしていて、「周知」ということは就業規則の効力要件となっています。
労基法106条では、就業規則の他にそれぞれの労使協定についても全文の周知義務を求めていますから、これらの労使協定についても、周知義務を怠っていた場合には効力を否定される可能性があります。
しかし、そもそも労働者代表が署名押印しているのだから、そこで周知義務は果たしているともいえますから、こちらは、就業規則ほどはっきり否定はされないのではないかなと思います。
106条違反については、30万円以下の罰金という罰則もあり、周知義務は大切ですと言いたいと思います。

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