FC2ブログ

おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる12年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

労働時間管理はなかなか大変でしょうが・・・。

2007年ですから、随分と古い記事を読んでいただいて管理者だけに閲覧を許すという形式でコメントをいただいた方がいらっしゃいます。
その記事は所属する勉強会で勉強した内容なのですが、タイムカードが労働時間管理において万能ではないというようなことが書かれています。(
参照)
自分でも忘れてしまっていたような過去記事を読んでいただき、コメントをくださったガ〇〇〇様、ありがとうございました。
管理者だけに閲覧を許すという形式ですと、私もコメントをくださった方だけにお返事をさしあげられればよいのでしょうが、当ブログではそれはできないので、ブログ記事として書かせていただきます。
ガ〇〇〇さんがまたご訪問してくださって、この記事をご覧いただけるとよいのですが。
さて、いただいたコメントの内容を拝見すると使用者というお立場の方のようで、社員が自分の手帳につけていた終業時刻以後5分間の時間について、労働時間なので残業代を支払うようにとの労基署からの改善命令を受けたご経験がおありのようです。

終業時刻に「時間ですよ」と声をかけて社員に帰ってもらっていたのに、そういう声かけすら労働者側にとっては威圧的ととられ帰れないんですよと労基署から言われたそうで、労働時間管理についてちょっと困惑されているような面もあるようです。
労働時間管理については、平成13年4月6日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置についての基準」(
参照)が通達として出されていますので、労働基準監督署でもこれを基準に考えて判断を下しているものと思われます。

それによると、労働時間の把握については、まず始業、終業の時刻の確認と記録を求めています。その方法としては、
①使用者自らの現認、記録
②タイムカード、ICカード等の客観的記録を基礎として確認する。
とあります。
小さな会社などでしたら、①の目で見て確認して記録するという方法が最も確実でしょう。しかし、社員数もある程度以上になればいちいち確認していられないでしょうから、タイムカードなどに頼ることになります。
労働時間というのは、使用者の指揮命令下にある時間を言います。使用者側とすれば、タイムカード打刻時刻が必ずしも業務開始時刻と終了時刻と一致していないという思いもあるかもしれませんが、打刻することは使用者からの命令によると考えられ、打刻後は使用者の指揮命令下に入ったと解釈すれば、その時間が労働時間であるとされても反論は難しいかもしれません。

タイムカード打刻時刻と業務開始、終了時刻にずれがある場合は、社内ルールを決めておくことも大事だと思います。
 タイムカード打刻後、本来の始業時刻までは自由時間として始業時刻になったら業務を開始してそこから賃金が発生する、終業時刻については、本来の終業時刻以後は自由な時間となり、許可を得た場合のみ残業時間として賃金が発生するというようなルールを決めて周知徹底するというような方法が考えられます。
または、厳密に管理しようとすれば、タイムカードを2台置き、出社、退社のときに打刻、現実に業務を開始した時刻と終了した時刻に打刻するなどが考えられます。
前述の①の方法をとれれば、最も確実かもしれません。
目で見てそれを記録するわけですから。その場合にはタイムカードにとらわれず、ノートにつけるような出勤簿のようなものでよいのです。

労働者側が自分の手帳を示して、終業時刻後の5分について残業したと言ってきた場合に、使用者として客観的な反論できる材料があれば、労基署もそれを検証してくれるはずで、労働者側の言い分を全面的に認めるというのは、使用者側に反論できる客観的記録がないからだと思われます。
タイムカードを二つおくというのは極端かもしれませんが、タイムカードの打刻時刻と実際に使用者の指揮命令下に入り仕事をしている時間にずれが生じるようであれば、それを立証できるような記録を用意しておくことが重要だと思います。

「時間ですよ」と声をかけているのが威圧的とは、ちょっとわかりにくいのですが、黙示的に残業をさせていると受け取っているのかもしれません。
はっきりと明示しなくても、何となく圧力をかける、会社の雰囲気がそうなっているというような場合に「黙示の残業命令」があると判断される場合があります。
会社の許可を受けて残業をするルールにするなどして、社員が自分の判断で勝手に居残りしないようにすることなども大事です。
就業規則等で社内的なルールをきちんと作り、周知徹底することが必要だと思います。
労働時間管理については、使用者の責任であり義務であるとする考え方が判例でも確立されています。
事業主さんも大変だなとは思いますが、「労働時間管理は会社の義務」という意識を強く持っていただいて労務管理をしていただきたいと思います。

そして、できることならば、さらに一歩進めて労働時間の量だけではなく質の面も考えていただくと、より良い労働時間管理につながっていくのではないかと思います。
私がいつも矛盾を感じるのは、能力のある人はさっさと仕事を終わらせるから残業をしないですむ、しかし、能力のない人は仕事が終わらず残業になり残業代をもらうことができる。
そのあたりは賞与で差をつけるなどしないと能力のある人が不満に思うかもしれません。
その人の能力を見極めて仕事を割り振ることも大事でしょう。
労働時間管理というのは実に奥の深い問題ですので、迷っている事業主さんは是非専門家である社労士にご相談いただきたいと思います。
社労士なんて知らないという方は、各都道府県に必ず社会保険労務士会がありますから、そちらでご相談なさってみてください。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する