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おばさん社労士の発信基地 きぼうという名の事務所です。

開業してからまる14年「発信する社労士」を目指して「独立独歩」「自主自立」の活動をつづるブログです。

各種調査結果の数字の裏

先週、所属する社労士会の研究会の定例会がありましたが、そこで1年単位の変形労働時間制について原稿を提出した会員がいました。
通常、1週40時間、1日8時間が法定労働時間ですが、この制度を使うと1年以内の期間を特定してその期間内は平均して1週40時間であればよく、最大1日10時間、1週52時間まで働けるという制度です。繁閑の差が激しい会社などですと、忙しい時に集中して労働時間を多くできるというメリットがあります。
それを導入している会社が厚労省の調査によると全体で36.9%あり、最も多い製造業では50.7%と原稿に書かれていて、居合わせたメンバーの多くがそんなに多いの?という感想を持ちました。
自分たちが日々業務を行っている中での感覚と違っていたからです。

しかし、厚労省の調査結果は公表されていますから(参照)数字に間違いはありません。
ただし、この調査は30人以上規模の全国で任意に抽出された大企業も含む事業所が対象です。
では、中小企業に限ったらどうなのかなと、先ごろ購入していた東京都中小企業振興公社が出している「中小企業の賃金事情平成23年版」を見てみますと、こちらは全体で20.4%、最も多い製造業でも32.7%となっています。
前者は6145事業所を抽出して4296事業所の回答があり回答率69.9%です。調査員が訪問して回収したり郵送を頼んでいるそうですから、やはり回収率は高いですね。
後者は、東京都の30人~300人未満の3500社中1472社の回答ということで、回答率も42.1%と低くなっています。
厚労省の調査結果は大企業も含まれるため、数字に開きがあるのかなと思いましたが、同調査では、むしろ企業規模が小さくなるほど1年単位の変形労働時間制を導入する企業が増えていました。
1000人以上の会社では24.4%なのに、30人~99人では38%です。
中小企業の方が労働時間を何とかやりくりしようと大変なんでしょうか。

そんなことを研究会のMLで流したら、会員の一人が「こんなの作ってみました」と厚労省と東京都中小企業振興公社の比較表を作って私宛送ってくれました。
やはり、後者の方がずっと数字が小さくなっていて、その違いに驚いたと送ってくれた人もメールに書いていました。
東京都の方は回答しなかった企業が50%以上ですから、実態としてはもっと数字が小さくなる可能性があると思います。制度に関心のないような会社は回答もしないでしょうから。
数字の違いの原因は私にはよくわかりません。
しかし、この種の調査結果は「ふーん」程度に見ておいて、数字に惑わされることなく、ご相談いただいた事業所にとって最もふさわしい労働時間制度は何かを考え実践するのが、私たち社労士の仕事だと思います。

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